SNSと承認欲求は関連している?【おもし論文】
皆さん、LINEやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSは使用していますか?
おそらく大半の方が何かしらのSNSを日常の中に取り入れているかと思います。
SNSは日本のみにとどまらず、世界中の人々とコミュニケーションをとることが出来ます。
そんな不特定多数の人々に見てもらうことが出来るSNSで、「いいね」や「コメント」の数、気になりませんか?
今回ご紹介する論文はこちら。
「承認欲求についての心理学的考察-現代の若者とSNSとの関連からー」
(著:正木大貴)
です。
まず、承認欲求ってどんなもの?
心理学の分野では、承認欲求は「賞賛獲得欲求」と「拒否回避欲求」の2つの側面から研究されています。
人間は、他者との関係なしに自分の存在を確かめたり居場所を確保したりすることはできません。
「自分は誰かに認められている」という感覚は、人生を豊かにしてくれるものであるとこの論文では述べられています。
「リアル社会」での承認と、「SNS」での承認
リアル社会に焦点を当ててみると、友人関係や親子関係において「人気者になりたい」「周りから嫌われたくない」といった2側面の承認欲求が見受けられます。
しかし、自分が承認されているということを実感するのはそう簡単ではないですよね。
一方、SNSはどうでしょうか。
「いいね」「コメント」「閲覧数」等で人々が自分にどれだけ注目されているかが一目でわかります。
また自分の意に沿わない人は「ブロック」することで、拒否回避もリアル社会に比べてとても簡単です。
SNSに「溺れる」
先ほどSNSは世界中の人とコミュニケーションをとることができると述べました。
世界中の「誰からも認めてもらうことができる」ことは、反面「誰からも認めてもらいたい」という欲望を生むこともあるとこの論文では警鐘を鳴らしています。
「認められたい」という気持ちが強くなり、そこから「SNS依存」へとつながっていってしまうと筆者は考えます。
無限に承認を受けることができるのではないかという期待は人を成長させる動機にもなりますが、反面常にだれかに設定された承認の条件に向かって動き続けなければならなくなってしまいます。
この論文では、SNSが普及する前の「承認欲求」と、SNSが普及した現代の「承認欲求」は異なると述べられています。
おわり
SNSは人生を豊かにしてくれる「賞賛獲得欲求」を簡単に満たすことができる反面、それに依存してしまい友人や家族に対する「拒否回避欲求」が強くなってしまったのではないかと筆者は感じました。
SNSに「溺れ」ないように…
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
「承認欲求についての心理学的考察-現代の若者とSNSとの関連からー」
(著:正木大貴)
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/2640/1/0140_012_002.pdf