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第四十二話 入国騒動

この話しは信じられないトラブルの連続ですが、実は昨日、3年半?。4年ぶりにネット注文でトレーニング用のスニーカーを買いましたが、なんと届いたのは左側2足!



履けるか!!

しかも数年前も同じ事があり、これで2回目です。直ぐに新しく送ってもらいましたが、こういう普通は起こりえない事が起こるのが僕らしい。

さて、今回はシンガポールへ向けての話しから書いていきます。

いよいよアジア3カ国目。
シンガポールへと入国だ。
ここまでの期間で3ヶ月越え、4ヶ月目に入った。

とその前にその入国前に立ち寄った、 国境の街、JB(ジュホールバル)での話しを書いていきます。
 
この街で昼食を取る為に街を歩いていると、フードコートのような一角に、ガラスケースに卵が山積みになってるのを見つける。
 
何だこれは?
何の卵なのかを、と僕は聞いてみた。

すると、店主は、 
「カメの卵だよ。美味しいよ。食べてみる?」
と言い、ガラスのケースの中から、一つ取り出す。

これが噂に聞いていた、ウミガメの卵か。
このJBの街で発見出来るとは。
世界的にも恐らく規制があると思うのですが、当時のマレーシアでは、まだ食べられる店があった(現在は未確認)。
 
「ホント?エナッ(うまい)??」
オヤジは「うん」と頷く。

何だろう?
鳥の卵などを比較すると軟らかい。
蛇の卵のそれと似ている。
 
「やめて下さいよ~。ウミガメの卵なんて…」
と、浅野さんは恐れている。
 
「いや、何事もチャレンジですよ。」
そう言って僕は躊躇せず、そのまま口に入れる。
オヤジも浅野さんもそれを見ている。
 
「まっずっっ!!」
生臭く、ドロドロしていて、気持ち悪い。
なんでも食べてから良し悪しを決める僕でも、流石にこれは厳しい。
浅野さんは凄い薫で見ている。店のオヤジは大笑い。
 
「飲み物、飲み物!ミノム(マレー語で飲み物)!」
 
一気にマイロ(日本でもある牛乳を混ぜるあの「ミロ」です。)を飲み干す。

ふー、不味かった。変な汗が出てきた。
マイロで落ち着きを取り戻す。
 
ウミガメの卵、興味本位でも決しておススメは出来ません。不味過ぎる。

個体数も減少している今、生態系の事から考えても食べるのは避けるべきでしょう。
食べた僕が言ったところで、何の説得力も無いですが。

そんなレアな経験をしつつ、さて、いよいよシンガポールへの入国だ。
 
JBから再びバスに乗り込み、水道橋を超え、シンガポール側のイミグレーションへ。
周りは通勤客も多い。
 
 ここマレーシアでは通勤で、この橋を越えてシンガポールへ行って仕事をしている人達も多い。

そして夜にはマレーシアへと戻る。
毎日、それを繰り返す。

週末に逆に、物価の安いマレーシア側へ買出しに出るシンガポール人達も多い。

海に隔てられ、国境のない僕ら日本人には分かりにくい状況ですが、ここシンガポールとマレーシアでは、毎日そんな多数の人達が出入国を繰り返しているのです。

 余談ですが、ウチの一番上の姪っこは、このシンガポール生まれで(この物語の後)、親戚の住むK.Lに行く為、0歳でパスポートを申請しました。
なのでパスポートの記載には、体重何g、身長何cmと赤ちゃんの時のものが記載されていました。こんな赤ちゃんのウチから国境越えを体験するなど凄いなと思っていました。その後は1人、17歳でドバイからヨーロッパの友人宅を訪ねたり、大学卒業後はイギリスの弁護士事務所へ入るという立派な大人になり、僕の時とは時代も環境も全然違うんだなと感じています。
 
 因みにこのマレーシアからシンガポールに伸びる水道管。これはマレーシアから水を供給されているシンガポールの生命線。
これで二国は結構揉めたりしています(水の供給をストップするなどと言い)。シンガポールは独自に水の確保の方向で進んでいますが、元々一カ国であったこの国々。
この他にも色々と問題はあるようです。
マレーシア側で出国のスタンプを押してもらい、さて、いよいよシンガポール側のイミグレだ。
 
「滞在期間は?」
(係官・英語)
「二週間」
(僕・英語)
「目的は?」
「観光」
「泊まるところは?」
「ここ(ガイドブックの適当なところを指差す)」
 
問題なく、スタンプが押される。
 
しかし、なかなか浅野さんが出て来ない。
僕より先に行ったはずなのに。
少し戻って中を除くと、係官と何やら色々と話している。

かなりの時間が経過した後、やっと入国のスタンプが押される。
 
「どうしたんですか??」
と僕。
 
「いや~、困りましたよ…。この中国の帽子を見て中国語に切り替わって中国での話しが長引いて。そこから、なかなか終わらなくて…。働くつもりか?また来るのか?(初めてで、これからの入国なのに)って言うんで、今回だけと言ってきました苦笑」
 
「やっぱりあの中国製のシュラフが原因ですよ~、良かったなぁ、トレードしなくて」

「いや、シュラフ、見せてませんから!」
 
 既にここまで中国、メコンの国々、そしてインドなどを放浪していた浅野さんは、もしかしたらオーバーステイして働くつもりでは?という疑惑が持たれたのかもしれません。
しかも中国語と英語を使えるし。
 
そう、そして僕ら(特に浅野さん)の格好は、この近代的な都市「シンガポール」へと入国するには汚すぎた。
 
手洗いをしたら、一発でSサイズからXLサイズまで伸びきってしまった僕の「パタゴニアのシャツ」を着る浅野さん(肉まんの件を、ことある毎に出してくるのが面倒になり、そのシャツで黙らせた)、ワンピースのゾロみたいに頭に黒い大きな布を巻き、首や手首に沢山のアクセサリーを着け、海賊のような格好の僕。
周りには、こんな汚い格好の人間(旅行者でも)はいない。
きっと、このシンガポールでは目立つのだろう。
 
なんとか潜入、いやいや、入国をした僕らは、一番の安宿(確か一つか二つしか無い)を目指し、バスから地下鉄へと乗り換えるのでした。
 
電車の中、みんな汚い格好の僕らを見ている苦笑

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