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いまおかしんじ「甲州街道から愛をこめて」

横浜シネマリンで、いまおかしんじ「甲州街道から愛をこめて」 脚本は中野太。

いつも不機嫌なバンドボーカルのツンデレ女(有里まりな)が、山梨に住むという初恋相手に愛を告白をしたいメンへル友人(古瀬リナオ)と、カラオケで出会ったカップルの車で甲州街道珍道中の道すがらに、幸せって何か気づいた。心温まる青春ロードムービーの佳品。

成人映画館で三本立て観てる時にレジェンドピクチャーズとかカレスピクチャーズのエロVシネが混じってるとガッカリしたこと多かったのよね。理由はズバリ、エロくないから。でもピンク映画自体が下火になってミニシアターのレイトショーに、これってまさにちょうどイイ感じw

何がイイって、横浜シネマリンのようなミニシアターで二週間もレイトショーの枠があって、ほとんど一般作品のようなものだからもうエロVシネと呼んではいけないのだろうし、作品のクオリティも格段に向上して観客に映画を魅せる雰囲気に仕上がっている。

甲州街道って、新宿の歓楽街から山梨に向けてこんなに長いんだって思う。新宿東南口出て甲州街道を見ても全然思いを馳せないようなブドウ畑が遥か旅路の先には広がっている。そして、リナオたんの初恋の人で野球部の4番でエースだった彼もそこに住んでいる。

いまおか作品ってこれなら絶対に面白くなるっていう決め球を持っていると思う。自分勝手過ぎて観ていて不快感すら感じる若い女3人がそれぞれに背負ってる重しみたいなものが、ふとしたきっかけで憑き物が落ちたように洗い流されるカタルシスを共感したい。

所々で音楽が鳴り響くバンド映画だけど中2病的なやけど感はいまおか監督の歳になるともう全然無くw生活に困窮しながらバンドやり続ける青春のしんどさ、これは映画作りも一緒であろう、こんなことしててこれからホントに食っていけるの?という青春の焦燥。

黒一点の元バンドマンで今フリーターの遠藤史也が、若い女3人に囲まれて両手どころかトリプル花にウハウハかと言えば全然そんなことなくて、3人揃ってメンタル病んでてみんな重すぎるよ。マイスリーもデパスも耐性付いちゃった人ってどんだけなんだ。旅してる場合じゃねえw

ロマンポルノ的にはですねえ、公募で選ばれたというダブルヒロインの有里まりなたんと古瀬リナオたんの2人にちゃんと濡れ場が用意されていて最近の腑抜けたピンク映画よりこっちの方がエロいんじゃない?ってレジェンドピクチャーズの製作だから当たり前か。日劇シネマや甲南劇場で良く観たタイプの。

甲府に向かう途中の温泉で有里まりなたんと古瀬リナオたんがうさぎちゃん秘湯の旅(´д`)ここに遠藤の彼女の第二メンへラー和田瞳が遅れて入って来るんだけどゴラア!下着を履いてんじゃねえぞ!と思ったらスクリーンにケツ向けて3人が立ち並ぶ絶景カット!

浴槽に立つ後ろ姿の3人プリケツがスクリーンにどーん、どうしても男の本能として奥の股間をガン見してしまう訳ですが(訳ですが、じゃねーよw)瞳たんだけ純白のショーツを穿いたまま入浴してたのでお湯が股間からポタポタ雫になって垂れて全裸よりエロい(^q^)

リナオたんは23歳にしてロリ感性をくすぐる童顔で、当然ながらロリ男に狙われる。別れ話を切り出した鬼畜のロリ野郎が、最後の一発とセーラー服を着せたままリナオたんを犯す冒頭のシーンには興奮できねえ。こうしてメンヘラになったリナオたんがひたすら可哀想っすw

姉御肌のまりなたんはそのトゲトゲした性格が災いしてバンドメンバー全員逃げてしまい、可愛いメンヘラロリ友人のリナオの山梨まで初恋の人にコクりに行っちゃいます!ツアーに出るのだが、その前にトラブルが起きる。カラオケ店で遠藤が「俺の財布がねえ!」

ドジな遠藤がカラオケに財布を落としただけなのに、盗人扱いされたまりなは「これ、もらっちゃえ」でも遠藤は「すみません、お金貸してください」とか来ちゃうし、心優しきメンヘラのリナオが「いいよ」軽くOKして遠藤、瞳、まりな、リナオの4人で珍道中が始まる。

瞳がアイドルに投げ銭で金を使い込み遠藤に「お金貸してよ」と騒ぐ一幕には不快感マックス(笑)でも心優しきリナオは気づいてるんだよね「彼女も私と同じ、メンヘラだ」同じ心に闇を抱えた同士、瞳とリナオは急接近し友人同士、遠藤とまりなが取り残された。

瞳はリナオが画が凄く上手でyou tuberまでやってることに急に絶望を覚え「私には何もやりたいことがない。死にてえ」まりなが「じゃあ、死ねばいいじゃん」とキレて(←これ、メンヘラの人に絶対言っちゃいけない台詞)瞳は姿を消してしまい大騒動になる。

瞳は駅前広場で大の字になって寝ていて、すっかり憑き物が落ちると「私、やりたいことが見つかった。普通に生きる」遠藤に「止めないの?」と言ったが遠藤は止めなかった。こうして終わったたった3ヶ月の恋愛。遠藤は恋愛してもいつも長く続かなかった。

ホテルに泊まることにした遠藤とまりなは憎まれ口を叩き合いながらも急接近。遠藤を言葉で威嚇し常に上に立とうとするまりなが急に口づけするツンデレぶりスゲエ!そのままベッドシーンになだれこみ、これはエロいですよ、リナオの変態性交とは違う、ど直球!

遠藤がホテルに置いてあるコンドームハメようとしたら「穴が開いてるかも」とハンドバッグからマイコンドーム取り出すまりなに爆笑www正常位で挿入しようとする遠藤に「イタイ」声を上げ、どこまでもマウント取ろうとするまりなの策士ぶりにワロタw

高校時代に一言も口きいたことが無い野球部のアイドル後藤君に告白しに行くリナオは大胆過ぎw平日の昼に訪問してもいる訳ないか、と玄関のバットを振り回し、諦めて帰る途中、実は後藤君はブドウ農園を継いで農作業中、その風貌は、サードの永島敏行もどきに見えるw

後藤君はカープ帽被った実直そうな青年で、若くして奥さんいてリナオはΣ(゚д゚lll)ガーン。でも、勇気を振り絞って「好きでした」の絶叫に観てる方も胸アツの展開。その思い、後藤君に届き、奥さんと生まれて来る赤ん坊、心こめたイラストに幸せが溢れた。

遠藤は財布にずっと別れた彼女とのツーショット写真を入れていて、まりなに「ルクプルかよ!」とツッコまれて激怒、車から降ろして急発進。取り残されたまりなと、お土産のワインを手のリナオは呆然、でも甲府の街中へと向かう。実はまりな、リナオと別にもう一つ、山梨に用があったのだ。

ここで横浜銀蠅の翔が甲府のライブハウスでシャウトですよ!実は翔、まりなの父親であった。翔は別れた妻からまりなの写真を毎年、誕生日の度に見せられ、23歳になった娘と再会した。まりなと翔の父娘セッションは大成功、まりなの笑顔をここで初めて見た。

まりなとリナオは翔と別れ、東京に戻る。甲府駅から東京に向かう普通の最終電車はびっくりするほど早かった。乗り遅れてるんじゃないの?心配する遠藤の車が甲府駅。「俺、一体何してるんだろ?」

そして季節は冬を迎え、雪の降る山梨で、バンドセッションする4人。リードボーカルがまりなでリードギターが瞳で、ベースギターがリナオでドラムスが遠藤。目一杯弾けて歌ってエンド。

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