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演じる人によってストーリーが変わってしまう舞台とは?

演じる人によって、話のストーリーがまったく変わってしまうという舞台を、わたしは2度見たことがある。

1度目は、劇団四季のオペラ座の怪人。

2度目が、柳家小三治の初天神である。


教授は落語が大好きだ。

10代の頃から聞き続けている。

教授と仲良く休日を過ごすようになって、わたしも落語を聞くようになった。

今回は春風亭一之輔さんの落語会デートだ。

わたしは一之輔さんののらりくらりとした雰囲気が大好き!

落語の前に話す枕と呼ばれる話もピカイチで大好きだ。


実は枕といえば小三治なのだが、教授の一番のご贔屓も柳家小三治だった。

人間国宝となられた故人だが、わたしも一度だけ教授に落語会へ連れてってもらったことがある。

その際の演目のひとつが初天神であった。


初天神は、息子と、その息子に振り回される父のお話だ。

それまで何度か初天神を聞いたことがあったのだが、そのどれもが息子の悪知恵に負けてしまう父の話だった。

一之輔さんなどは、特に悪知恵の息子の芸が上手くて笑える。

だが小三治は違った。

息子の悪知恵を理解していながらも、可愛くて可愛くてしかたないから負けてやる話だったのだ。

今まで、こんな風に父の愛を感じるような初天神を聞いたことがなかったのでびっくりした。

愛を感じながらも、笑えてしまうのである。


もう20年以上前になるが、劇団四季のオペラ座の怪人を観に行ったときにも、ストーリーが変わってしまったことがある。

オペラ座の怪人は、怪人に感情移入して泣けてしまう話だ。

だが、怪人とヒロインを争うラウル役が石丸幹二だった時、あまりの歌のうまさにラウルに感情移入してしまったのである。

ミュージカルは、歌が上手い方が愛情深く感じられる。

主役の怪人が悪役になってしまうだなんて、ただただびっくりしたのを覚えている。

そういう話を教授にすると、今は石丸幹二が悪役を演じていると教えてくれて、テレビを持たないわたしは更にびっくりした。


さて、そんな楽しい落語デートであるが、あろうことか落語大好きな教授が上演中に寝てしまうのだ。


これには毎回毎回本当にびっくりなのであるが、教授にとって落語はとてもとても耳に心地よいものなのだろうと想像している。


このご時世、教授と笑って過ごせる時間を持てることに心から感謝。

ありがとうございます。


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