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【中濃vs】 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 東京都美術館

東京都美術館で開催されている「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」を鑑賞しに行ってきた。

おなじみ、金曜、夜間開館時間を利用したのだが、結構な人出。
やはり印象派の吸引力はすごいなぁと改めて実感。

夜の東京都美術館


絵画のスタンダード的意味合いで人気があるかもしれない。しかし印象派こそ前衛だったはず、と思うとこの人気もちょっとうれしいというか。皆、潜在的前衛好きだな!

今回の概要はこちら

第1回印象派展から150周年を迎える2024年、印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした衝撃と影響をたどる展覧会を開催します。19世紀後半、大都市パリには国外からも多くの画家が集いました。パリで印象派に触れ、学んだ画家たちは、新しい絵画の表現手法を自国へ持ち帰ります。本展は、西洋美術の伝統を覆した印象派の革新性とその広がり、とりわけアメリカ各地で展開した印象派の諸相に注目します。

東京都美術館公式WEBサイト

ウスター美術館のことを全く知らなかったので、wikiペディアで検索したところ、日本語ページがなかった。日本での認知度の具合がわかる。
英語版の翻訳を読むとウスターではなく、ウースターと表記されたがどちらなんだろう。マサチューセッツ州ウースターにあるから、ウースター美術館。
土地の名前がつけられている。

さてウスターといえばウスターソースが思い浮かぶ。ソースとの関連はあるのか。
マサチューセッツ州ウースターはイングランドのウースター市にちなんで名付けられたとのこと。現在は姉妹都市となっている。イングランドのウースター市がウスターソースの発祥の地。ウスターソースとのつながりもまったくないわけではない。

というわけでこんなグッズが販売されてた。

画像右下。

ダジャレじゃないか。

今回興味深かった部分。

展示品の撮影は禁止なので今回写真は用いず記録。

展示品の撮影は禁止だけどフォトスポットはある。

画面の形から作家性を予測する

いわゆる、印象派やその前後時代の人気どころ作品がずらりと揃えられた部屋にて。
パッと見渡した時に
「あ、あれはブーダン(ウジェーヌ=ルイ・ブーダン)の絵だな?」
というのが遠目で、画の形でわかった、と言う経験をした。
筆跡とか、絵の色味や技法で画家個人が特定できたわけではなく、横長の画面だけでブーダンかな?と思ったのだ。
ブーダンはなぜあの横長のキャンバスで描き方で絵を残したのだろう。
戸外制作が多かったから大型の作品は少ないようだ。

私自身もそんなに枚数を見ているわけではないのだが、どこかしらで見た時に「なんか横に長い絵だな」とは思っていた。

先日見た中平卓馬の縦型の写真のように、i phoneの画面の比率に近い、とても馴染みある画角。これはもしかすると今だからこそ、なのかもしれないけれど。
画の形で作家性が出るのって面白いな、と思ったのだ。

【アメリカの印象派画家が描いたもの】


印象派の絵、となるとフランスの風景が切っても切れないわけだが、ではその技法をアメリカに持ち帰った後、アメリカの画家が描いた風景とは。
もちろん、アメリカの風景である。
印象派の技法で描かれだグランドキャニオンを見た時、ちょっと新鮮、そして少し笑ってしまった。

「印象・日の出のキャニオン」的な

グランドキャニオンといえば、もう既成のイメージが頭の中にある。何かのガイドブックで見たような、写真素材のような。
例えば石川直樹氏の写真のようなイメージだったのだ。
パキッとした青空に映える赤茶色の土、
くっきりとした岩の縁。崖に映る濃い影。
アメリカの大自然!パワー!!

しかしそれをこんなに淡く、でもダイナミックさを失わずに印象派の要素たっぷりで描いていることが面白かったのだ。
なんだろうか、このミスマッチ感。惹かれてしまう。
今回は、この1枚が見れたということが、大収穫である。

アメリカ絵画史

アメリカ近代美術の流れがいまいち頭の中になく、この時代、印象派からの影響から始まったのかもしれないと気づかせてもらえる展覧会だった。
そしてグランマ・モーゼスやエドワード・ホッパー、ジョージア・オキーフとアメリカ絵画の独自文化に続いていく。さらに時は流れてアートシーンがパリからニューヨークへ。ラウシェンバーグやウォーホルへ。
絵画の流れは地続きで、繋がっているんだろう。

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