見出し画像

2020年行った美術館まとめ11 千葉市美術館 「宮島達男クロニクル19952020」

2020.10.24
千葉市美術館 「宮島達男クロニクル19952020」


心待ちにしていた宮島達男さんの個展。しかも1995〜という数字がニクイ。

1995年。ちょうど私が宮島さんの作品と出会った頃だ。現代美術が開館したころ。

現代美術館の常設展示室の最後の部屋に真っ赤な発光ダイオードが光っていて、「あぁ現代美術だなぁ」と、「現代美術というのは自由なんだ」という思い込みと陶酔の余韻と共に家路に着いていた1995年。

と、いう時代からのクロニクルということだ。作者と世代は違うけれど、作家と共に私も生きてきた訳だ。感慨深い。

展示内容は一貫してデジタル数字がモチーフ。「デジタル数字は未来の物」感があった25年前から「デジタル」の意味が少しずつでも大きな変化をした25年間。さまざまな速度でカウントする数字達は、当初はとても無機質で近未来的な何かに感じたが、今見ると、人の命の時間にも感じられるし輪廻転生にも思える様な、有機的な点滅に感じる。
不思議だ。自分が変わったからそう思えるのか、世の中が変わったからなのか。それとも最初からそうだったのか。
同じ作品は存在し続けているのに、受け取り側や取り巻く環境によって変化をもたらす宮島達男さんの作品の柔軟性を感じる。

千葉市美でも所蔵品とのコラボ企画展示が素晴らしかった。中西夏之氏と宮島達男さんとの組み合わせは、しばらくそこから動けなかった。

アーティゾン美術館でも行われているが、このジャムセッション的な企画は今後どの美術館でもぜひ行って欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?