見出し画像

【蓑虫、参上!】府中市美術館 江戸絵画 お絵かき教室


毎年、春に行われる府中市の江戸絵画企画。8歳の次男と二人で見に行った。

何度か見た作品が多いのだが、次男が「府中市美でもらうワークシートが好き」という理由で見に行った。
本来の展覧会の目的と違うのかもしれないが、美術館に対してポジティブな感情を持ってもらえるのはありがたい。

見たら、自分も描けそう!描いてみたい!と純粋に考えてやりたくなるのが子供。その挑戦の気持ちが冷めないうちに展示会場出てすぐお絵かきコーナーを作るのはなかなかおもしろいと思うのだ。

おむすびの様なすずめを描いていた

美術館から出て、公園で遊んだら即忘れてしまうだろう。親だってヘロヘロになって帰ってきてお絵かきセットを用意するのはやはり気が重い。でもできるなら我が子のやりたい!という気持ちを冷めないうちに実現させたい。と、矛盾する気持ちで葛藤する。

だからこそ、少しでも描きたいと思ったらそれがすぐ試せる動線があるのは、洋画だろうが、日本画だろうが大事で。
いつかこういう場から新しい美術家がでるのかもしれないな。
そんな事が起きたら素敵だ。

蓑虫山人との出会い


今回の作品ハイライトは蓑虫山人。
掛け軸の雁の絵がすばらしい味わいで、この絵は初めて見たと思って作者名をみたら「蓑虫山人」。

み、みのむし??名前までかわいい。

他にも江ノ島の絵や、私の好きな千葉の鋸山の絵まで。
馴染みの風景が作品になっていると親近感が増す。
今回いいな!と思った作品4つがすべて蓑虫山人の作品だった。

次男は蓑虫という言葉が気に入ったらしく、みのむし…ミノムシ…家に帰ったら調べてみよう!とぶつぶつ呟いていた。ワークシートの端にもメモをしていた。

帰宅後、調べてみたらこんな記事が。

3年前の記事だが密かなムーブメントなのか?
今で言うバックパッカーというか。子供いわくキャンパー?といってて笑ってしまったのだがなかなか破天荒だな。
次男は「前に学校の図書室で借りた『家をせおって歩く』の話を思い出した」と。

あー!そういえば借りてきたね、あの不思議な本。意外なところでつながった?かな。


最終的にお手本は不要のコーナー

円山応挙の龍虎図の前に仙崖の龍虎図置くのは反則だろう。
次男は爆笑していた。

ラフすぎる、応挙、芦雪、若冲、雪舟まで。



さらっと雪舟が展示されている。
今回、良くも悪くも展示がラフである。
可愛さへの言及や動物そのものへの眼差しについての解説が多い。
入門には良いのかもしれないが真面目に見たい人には向かないのかもしれない。会場内の私語が割とフリーでザワザワしている。
子供にシーっと言い続けなければならない状況ではないので親子連れにはありがたいが、一般的な日本美術の展覧会では遭遇しにくい状況だろう。
(出光美術館では起こり得ない気がする)


入場規制



郊外型の公立美術館の特性や利用客ヘ間口が広がったのかも。
実際、日曜日の午後は入場規制も起きていてた。
府中市美術館の良いところでもありイマイチなところでもある、と捉える人によって抱く印象が変わりそうな展覧会だった。

常設展示室は相変わらず良かった。
吉田博の直筆画が今回出ている。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?