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ロルフィング®︎の動きの概念を動きの指導者に

2012年からスタートしたホリスティック・システム

ロルフィングの動きの見方やアプローチを知りたいという声

開催を決める以前、運動指導者である多くのクライアントから、

ロルフィングの動きの見方やアプローチに興味があるんだけれど、海外まで勉強に行けないし、ロルファーになって施術したいわけではないんですよねー

という声を聞いてきました。

その気持ち、わかる!
私もそうだった!

私は最初からロルファーになりたかったわけではなく、ロルフムーブメントと呼ばれる、ロルフィングの動きの概念にフォーカスした資格に興味があったのです。
(なぜそのコースを知ったかというと、そのコースの通訳をする機会があったからなんだけど)

でも当時、ロルファーになってからでないと、そのコースが受けられないという衝撃的な事実!

いやー、参ったし、迷ったし。
私も施術的なものは受けるのは好きだったけれど提供する気なんてこれっぽっちもなかったから。

けど、ロルフィングの、そして創始者であるアイダ・ロルフさんの魅力が絶大だったのか…結果として、ロルファーの道へと踏み込むことになったのでした。懐かしい。

そこまでの人生、ダンサーとして生きてきていた、ということもあるし、

すごく上手いダンサーではなく、すごく柔軟性や体格に恵まれたダンサーでもなかったので、身体の使い方に関して苦労の連続だった、ということもあり、

ロルフムーブメントのコースを通訳しながら、

「えー!!今までダンスの先生たちが、なんとなくのニュアンス的なふわふわっとした言葉で伝えていて、うまくキャッチできなかったことが、こんなに科学的に、論理的に、説明できちゃうわけ?!!すごいんだけどー!」

と、なり、

「えー!これ勉強したい!」

となったわけです。

そう、ロルフィングの概念で動きを見ていくと、そこには、動きに対する、ふわふわっと形容された方法や、決まりきったよくある動きの説明方法などが、解剖学的にも、それでいてエネルギー的にも(でもふわっとしてない)、感覚的にも、ばちっとくる表現を引き出してくれるのです。

私一人で伝えていては間に合わないという気持ち

また、ロルフィングのクライアントの中には、運動指導者ではないけれど、スポーツやダンス、ピラティスやヨガや武道などに打ち込んでいらっしゃる方々もいて、

こうやってもうまくいかない
ああやってもうまくいかない
言われた通りにしてるつもりなのにうまくいかない

という悩みに一緒に向き合ってきました。

やってもやってもうまくいかない時、自分の実力や努力が足りないのかと思ってしまうこともあるけれど、(私もよくそう思っていた)

自分のせいではなく、指導者が伝える言葉と、自分の脳や身体感覚がヒットする言葉がマッチしてないだけであることはとても多かったです。

なので、ヒットする言葉やイメージさえ見つけることができれば、動きの質が格段に上がったり、指導者に言われ続けてもできなかったことができるようになったりするところを、目の前でたくさん見てきました。

私はもともと動きに興味があったところもあり、私のバックグラウンドもあり、こういった悩みに一緒に向き合い、解決の糸口を見つけるのがとても得意。

楽しく気持ちよく動けるようになる姿を見るのはとても嬉しくありつつも、

「これを1対1でやっていては、全然間に合わない」

と感じるようにもなってきたのです。

だから、グループでのWSを始めたりもしました。それでもやっぱり1人で見られる人数は限られている!

そして、その後、うまく動けるようになったとて、その人が通っている先の指導者が、

「からだはムリクリ使うんじゃーい!」

みたいな指導をしてると(ちょっと大袈裟に書いてます)、身体ってまた緊張したりしていくんですよね。

そうか!運動指導者が、もう少しだけでもロルフィングの概念を持ってくれたら、楽しく気持ちよく動けるようになる人がもっとたくさん増えるんだ!

と、あらためて思い、前々からリクエストをもらっていたこともふまえ、運動指導者にロルフィングの動きの概念をシェアする、ホリスティック・システムの立ち上げに動いたわけです。

人から人へと伝え続けていくもの

元々ロルフムーブメントを知ったのも通訳きっかけでしたが、成り行きで通訳をするようになり、現在もたまに活動しています。

ロルフィングでもそうなんだけれど、私は、何かを伝えていく媒体になるのがとても好き

私自身は新しい何かを生み出したりできるようなクリエイティブさも、ユニークさもありません。(それはダンサー時代から身に染みて感じている。)

けど、聞いたことを、その言葉のままでなくとも、核の部分を聞き手の人に受け取りやすい形で伝えることは得意

私の役目なんだろうなぁ、と思っています。
そう、別に私自身は至ってどうってことない。

ロルフムーブメント界を牽引してきたHubert GodardとMonica Caspari

私がホリスティック・システムのコースの中の基盤にしているのは、私が生徒として2006年に受けたブラジルでのロルフムーブメントの養成コース

ロルフムーブメント界に新しい風を吹かせ、引っ張っていたHubert GodardとMonica Caspariがメインインストラクターをつとめ、ロルフムーブメントの資格発行をする最後の大きなコースということで世界中からアシスタント(という名目で参加したかった先生たち笑)も参加していました。

内容はとてもユニークで、それまで私が通訳などで関わってきた他のムーブメントのコースとかなり違い、また、ブラジルの山の中での宿泊施設に泊まり込みの3週間。先生もアシスタントも生徒も、まさしく同じ釜の飯を食べ、一緒に旅行をし、濃密な時間を過ごせたのです。

後にも先にもあの内容はその時だけ。そして、公私共に交流のあった叔母のようなMonicaは数年前に他界。このコースを始めた時にはとても喜んでくれていたので、やっぱりこれをこれからも伝えていかなきゃな、と思ったりします。

筋膜を世界的に広めてきた、アナトミートレイン®︎著者: トーマス・マイヤース

そして、このコースの根底には、知らないうちに、アナトミートレイン®︎の著者であるトムの影響も大きく受けていることに気付いたのが、ここ数年。

全然意識的ではなく、知らないうちに足されてきているように感じています。おそらく0期の頃より20期を行なっている今の方が、強く影響しているかも。

トムが初めて日本でのアナトミートレインWSツアーを東京・名古屋・福岡で行ってから、10年以上に渡りトムのアシスタントの1人として参加させてもらっています。

そこまでいろいろ記憶できない私は学術的なところはすぐ忘れてしまがちですが、トムの、わかりにくいことをわかりやすく簡潔に話す姿勢や、生徒との向き合い方、ロルフィングの創始者アイダさんへの想い、ロルファー仲間とのやり取りなどは、とても強く印象に残ります。

ただの痛みの改善をみているのではなく、人として、もう一段階全体的に過ごしやすいところへ促すワークとして、

このテクノロジー主流の現代の中で、身体感覚の重要性を促し、強化していくワークとして、

トムが伝えている言葉が私の中に染み渡っています。そう考えてみると、拙書『ヒントは自分のカラダの中にある〜賢いカラダづくり〜』のタイトルや内容も、トムのそんな考えに触発されているところがあるかもしれません。

このコースで目指しているところ

ホリスティック・システムの中で目指しているのは、言語化の幅を広げることで、“本人自身の”動きの再現性を高め、日常生活にも落とし込めるようになっていく指導ができるようになることです。

スポーツやパフォーマンスなど、大きな動きの癖は日常の動きにすでに癖として存在していることが多いため、日常生活での動きの癖の改善は、身体の不調にも、パフォーマンスの向上にも必要不可欠。

週に一度、一時間のレッスンをしたところで、その他の時間、ただただ無意識に身体を使っていては、身体の調子が上り坂になっていくのはとても難しい。

なので、週に一度、時には月に一度であっても、数少ないレッスンを起爆剤に、他の時間での身体の使い方の変化に繋げていくことは、必須事項だと思っています。

そのため、コース修了生に指導を受ける生徒さんには、多くの変化が見られるようになっています。動きの変化、外見の変化、気持ちの変化、時には生き方の変化へと、“指導者の意図的”にではなく、指導を起爆剤に、“生徒さん自身の力で自然に繋げていくことができる”。そんな指導ができる修了生がたくさんいて、本当に素敵だなぁと感じています。

さて、そんな目指している方向へ向かって、

コースの中でポイントになっていくところは:

自分の再現性から、生徒の再現性へ

これはコース修了生がくれた言葉ですが、

「ニュアンスで言われること、体感としてあるもの、身体の内側で起きていること、それらが科学的かつ理論的に理解できると再現性が高くなります。
自分で体現ができるようになるのはもちろん、人に対しても、それを再現できるように、話す、伝える、というスキルが育つからです!」

というのが、修了生の実感としてあるようです。(客観的に見ている人の言葉はわかりやすい!)

指導スキルが足りないと感じて勉強することはとても良いことです。でも、そうやって学んだことを活かしきれていない人がとても多いように感じています。おそらくそれは、自分の身体や動きの中で落とし込まれていないから。

経験を積んで、自然に落とし込んでいけることももちろんあるけれど、自分の中での再現性を高める術を手に入れられると、今後学んだことも身になるのがとても早くなります。

そして、自分の中での再現性スキルが上がることは、指導の中での言語化にも大きく影響し、生徒さん自身にも再現力を授けていくことができます

例えば、動きの指導を誰かにされた時、その言葉の直接的な意味ではなく、「おそらく、この先生が言わんとしていることは、(ホリスティック・システム修了生の)あの先生がこう言っていた感覚に似てるんだろうな」と、動きの中に生まれる感覚に繋げ、動きへと繋げていくことができたりするんです。

欠かせない体現

再現性スキルを高める上で欠かせないのが、体現。これは、ロルフィングを学ぶコースの中のテーマでもあります。

“自分”の身体で感じて、在り方や動きに繋げていくということ。まずは、とにかく自分。

コースの中では様々なエクササイズも紹介します。クラシカルなロルフムーブメントもあれば、私がピラティスやヨガ、ダンスの世界から学んだものもあります。

それらのエクササイズは、「これをやればいいよ」という目的重視のエクササイズではなく、「これをやったら自分はどう感じたり変化したりするのか観察する」ためのプロセス重視のエクササイズです。

ただエクササイズをこなしてるだけでは、このコースの利点を得ることはできません。けど、わからなくてもなんとなくやってみる、感じてみる、試してみる、というスタンスでいられれば、自分の身体も変わり、動きも変わり、指導も変わり、生徒さんの変化も変わり…と、多くのものを得ることができます。

はずせない言語化

言葉というのは、良くも悪くもとてもパワフルなものです。

言葉の使い方一つで、その人の動きをマイナスにとプラスにも繋げることができる。そして、言葉は、言い手が意味した言葉通りに受け手が受け取っていなかったり、とても難しく面白い側面を持っていて、それにはその人の人生も関与してくる。

どの言葉を選択することで、指導する側が意図する動きを、相手が受け取ることができるのか。私がとてつもなく興味を持っていて、面白いと感じていることです。

再現性を高めていく上で、ここもまた大切なところ。受講生や修了生と共に、そこを探究しています。

最後に

ホリスティック・システムで伝えていくのは、「こう教えるべき」とか「こうすればこうなる」という法則ではありません。

「私のようにやればいい」ということを伝えるわけでもありません。私のコピーを作りたいわけではないですからね。

コピーどころか、修了生は、私よりずっと遠くまで、それぞれの好みの分野の中で飛び立っています。そんな修了生と今でも続くWSなどの中で、私も新しいことがたくさん学べています。

興味深いのは、皆さん、「オリジナルにするぞ!」と意気込んで今に至っているわけではないのに、オリジナル色が強くなっていくところです。

指導してる修了生本人は、ホリスティック・システムをベースに指導している、という認識なんですが(ここが面白いところ)、その修了生の生徒さんたちに話を聞くと、表現に使っている言葉はとても違っていたりするんですって。

でも、そんな修了生の生徒さんたちが、ホリスティック・システムのコースを受講してくださったりすると、

「なるほど、このコースを経て、ああいう指導になったんだな」

と、背景にあるものとしては同じものを感じる様子。面白いですよね!
(修了生の生徒さんやクライアントさんが、このコースを受けてくださることが少しずつ増えてきています)

このコースの中で得たものが、勝手に自然に、個々のオリジナリティーを引き出していってくれる!(本人に自覚がない場合もあり)

修了生の言葉です。

体現、再現性、言語化をキーワードにしながら、10ヶ月間、じっくり進めていくホリスティック・システム。

科学は日々発展し、筋膜についても日々研究が進み、トレーニング関連も次から次へと新メソッドが生まれる昨今。

新しいことを学び続ける大切さはもちろんありますが、上っ面だけになっては勿体無い。しっかり自分のペースで自分のものにして結果に繋げていく。

これからの人生、指導を続けていくにあたり、そんな指導をしていきたい方は、ぜひタイミングを見て参加してください♡

コース詳細については、こちらからどうぞ。


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