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背筋(せすじ)を伸ばす、膝を伸ばす。子供の頃からの呪縛。

そんなに子供の頃の影響なんて受けてない気がする。そう思う人も多いかもしれません。でも実は、わたしたちの体の癖の元凶には、子供の頃の影響がとても大きいのです。

例えば、良い姿勢、という概念。前回の投稿にもありますが、ここで“猫背”を思い描く人はいません。おそらく“胸を張り”、“背中がピンと伸びた”、そんな姿勢を思い描くのではないでしょうか?

これは完全に長年に渡る教育プログラムから植え込まれた概念!前回の話同様、まずは、その概念が変わらないことには、体に変化が起きなかったりします。なので今回は、教育プログラムの中で私たちが闇雲に植え付けられてしまっている言葉をみていきましょう!

背筋(せすじ)を伸ばす

「もっと背筋を伸ばしなさい」
「背中をピンとしなさい」

言われたこと、聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?たしかに、背中がまん丸だと見栄えが悪いし、体のシステムが働きにくいポジションでもあります。なので、重力に対して負担の少ない、体がうまく縦に並んだポジションにはいたい。

けれど、この「背筋を伸ばす」という言葉を聞いた時にそれが行われるかというと…行われないことが多々!

背筋を伸ばそう、とした時に、私たちがやってしまいがちなのは、背中を反ること!!

思い当たる節がある方いらっしゃいませんか?

背筋を伸ばしたい時、つまり猫背を改善させたい時、私たちが本来したいのは、背中を反ることではなく、頭は天井に、骨盤(立っているなら足)は地面に伸びることです。ようは、地面に対して真っ直ぐに近い状態に両端を引っ張り合いっこをすること。

たったこれだけのことなのに、「背筋を伸ばす=背中を反らせる」という呪縛に囚われがちな私たち。このイメージが変わるだけで、体の負担は激減です!!

もし、大人になっても「良い姿勢=背筋を伸ばす=背中を反らせる」という公式が浮かんでくる方がいたら、是非、「背筋を伸ばす=頭と骨盤(や足)が離れ合う」に変えてみてください。

膝を伸ばす

小さい頃からふれることの多い“屈伸運動”。

ロルフィングを通じて身体をケアする中で、膝の問題の多くに、この屈伸運動が関わっていることは痛感させられ、一般的な屈伸運動の“いっちにーさんし”の“さんし”はなかなか危険だな、と思っています。笑

この運動が効果的に働くこともあったりはしますが、多くの場合、マイナスに働くことが多く、屈伸運動の“いっちにーさんし”の“さんし”で、両手を両膝の上に置いて、後ろにグッグッと押した経験がある方も多いのではないでしょうか?

この動きをする時によく言われるのが「膝を伸ばして」という言葉。両手を膝に置いた状態で言われるんだもの、そりゃぁ、膝を後ろに押しますよね?

ですが、本来、足(靴を履くところ)が骨盤(もしくは体幹や頭)から離れた時、勝手に膝は伸ばされます。膝を伸ばそうと意識しなくても、脚を伸ばそうと思えば、膝は伸びます

なのに、「屈伸運動=膝を伸ばす=膝を後ろにグッグッとする」と叩き込まれた頭の中の公式により、ずっとその使い方を継続し、

膝が過伸展(反張膝と言ったりも。膝が後方へぐっと押し込まれてる状態)になったり、それが長期に渡ることで膝の痛み、それがさらには足や股関節、腰など、他の箇所の痛みにつながることがものすごーーーーく多いんです。

大人になり屈伸運動をしなくなっても、ストレッチをする時、ダンスやバレエをする時、ヨガをする時、ピラティスをする時、トレーニングをする時、“良い姿勢”になろうとする時、知らないうちに“膝を伸ばす(=膝を後ろにグッとする)”をしてしまっていないか、一度チェックしてみてください。

体の痛みや不調、そこからきてることもあるかもしれません。

いろんな意識の仕方はありますが、まずは、膝を伸ばす、という言葉ではなく、“脚を伸ばす”にしてみるのもおすすめです。
(日本語の“脚”は英語で言うleg。足首〜膝下の骨(脛骨と腓骨)と腿の骨(大腿骨)を指し、“足”は英語で言うfeet。足首から下を指します)

しゃがんでるところから立ち上がる時、膝を伸ばさなくても、脚が伸びれば勝手に膝は伸びてくれます。(それがそうならないくらいの膝の状態の時にはしっかり専門家にケアしてもらってください)

まだまだある、教育プログラムの中で叩き込まれる危険な言葉たち

今日は「背筋を伸ばす」と「膝を伸ばす」をみていきましたが、まだまだまだまだ、あります。笑

子供の頃に繰り返し学んだことは、知らないうちに身体と頭に染み付きます。これが本当に怖い。子供の頃から、からだの仕組みを楽しく知れて、背筋を伸ばさなくても、気持ちよく背骨が伸び伸びする方法や、膝を後ろにグッと力を入れなくても、すーっと伸ばせる方法を知れたら私たちの身体能力の可能性はグッと広がるでしょう!

ですが、すでに体に叩き込まれてしまった私たちも、時すでに遅し、と嘆くことはありません。長期に渡り叩き込まれてきて“当然だと思ってたこと”に“当然ではないのかも知れない”と気付いていければ、呪縛は解けてきてくれます

先日、小学生の子供たちが大勢で運動すること様子を見る機会がありましたが、そこでは未だに“休めの姿勢(いわゆる、気をつけから片足を斜め前に出して、出してない方の足に体重を乗せてるやつ)”が健在で驚きました!笑。全然休めないし、からだが曲がっていく元凶にしかならない…。

とはいえ、人の体は丈夫です。全てにおいて良い選択をしなくても、賢く生き延びてくれます。なので、過敏になりすぎることはないけれど、世には当然と思ってきたけどそうではないことがある、ということをちょっと念頭においておくと、可能性が広がっていくかな、と思います。

皆さんも、子供の頃から体や動きに対して言われ続けた言葉たちを思い出して、一度、「ほんとにそうなのか??他のアプローチ方はないのかな」と思ってみてください♪それだけで発見があるかもしれません。

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