リュドミラ・サベーリエワの出演作
以前『鶴は翔んでゆく』の映画を見て衝撃を受け、主人公のタチアナ・サモイロワの卓越した演技に魅せられてしまいました。良く見ると白黒映画の表情に見覚えがあると思ったら『アンナ・カレーニナ』でも主人公を演じていた方でした。
これはすごい演技力と、追っかけのように彼女が登場する作品をまとめて記事にしたことがあります。
他にもロシア関係の映画等はいくつか入手しました。ドストエフスキー原作の映画・ドラマを5本セットで購入したりもしています。
ところで『アンナ・カレーニナ』と言えばトルストイ原作ですが、トルストイと言えば『戦争と平和』にも触れないわけにはいきません。
『戦争と平和』は膨大な登場人物が出演する文字通りの超大作ですが、中でもヒロインを演じたリュドミラ・サベーリエワの演技は素晴らしい。
原作でも印象的に描写されている『ナターシャの踊り』のシーンは、フランス語やフランス風の文化が権力者の間では一般的であった時代に「ロシア的なもの」を「ロシア人」に印象付けるものとして非常に「ロシア的」かつ「この上なく美しく」描かれていました。
ロシア研究の第一人者であるオーランドー・ファイジズの著作のタイトルが『ナターシャの踊り』となったのも、この映画のダンスシーンのインパクトがどれほどロシアにおける「ロシア独自の文化」への潮流の象徴となったかを示すものと言えるかもしれません。
さて。
ということであればタチアナ・サモイロワのみならず、リュドミラ・サベーリエワの映画もまとめておくことは、個人的にも意味があると思われました。
ウィキペディアの記載によればリュドミラ・サベーリエワは、映画『戦争と平和』の第1部のプロモーションで日本を訪問した時に振り袖姿を披露した(させられた?)ようです。
こちらのナスティアという方のブログで、その時のものと思われる写真が見られます。ナスティアは、「今の日本人が見たら、マントラのようにかわいいと繰り返すだろう」と書いているが、写真を見る限りは「綺麗」とか「美しい」のような気がする。ただ、着物が似合っているという意見には、まったく同意しかないです。
当時の日本とソ連の置かれた状況から考えて、着物を見たことはあっても来たことがないはずのリュドミラ・サベーリエワが、これほど自然に見えるのは、似合っている以外に表現のしようがないです。
リュドミラ・サベーリエワが着物をお召しになった写真は、ナスティアさんのブログでご確認くださいませ。
リュドミラ・サベーリエワの経歴
ウィキペディアから、簡単に経歴を抜粋してみるとこんな感じになります。
タチアナ・サモイロワが、実生活では恋多き女優だったのに比べると、リュドミラ・サベーリエワは1967年に俳優のアレクサンドル・ズブルーエフと結婚して今にいたるようです。
この結婚について、日本語のページでは1965年となっていますがロシア語版では1967年となっていましたので、ロシア語版の記載を採用しています。
尚、タチアナ・サモイロワの日本語のウィキペディアにはたった3作の映画しか記載がありませんでしたが、リュドミラ・サベーリエワの項には17の映画・ドラマの出演が記録されています。
ロシア語のウィキペディアで見ると、タチアナ・サモイロワの出演作は18、リュドミラ・サベーリエワは20の映画・ドラマの出演が掲載されていますから、出演作の数はこの二人ではほとんど差がありません。(リュドミラ・サベーリエワについては、ロシア語記事には記載がないものの日本のウィキペディアのページには出演作の記載がある作品が一つあります。これについては後述。実際は21作品のようです。)
つまりタチアナ・サモイロワの出演作は全18作品中3作品のみが日本語のウィキペディアで記載。16.7%です。
一方、日本語のウィキペディアでリュドミラ・サベーリエワの出演作は21作品中17作品、80.9%も記載されています。記載と言っても、ロシア語タイトルと公開年を並べただけで、リンクもロシア語の映画・ドラマの紹介ページに飛ぶだけですから、これだけならタチアナ・サモイロワでも同じことをやっていてもおかしくはありません。
この扱いの差は、タチアナ・サモイロワと比べてリュドミラ・サベーリエワが日本人に与えた印象がそれほど大きかったから、と言えるかもしれません。日本で着物まで着てプロモーションしたのはリュドミラ・サベーリエワでしたし。
改めてタチアナ・サモイロワの日本語のウィキペディアのページを見てみるとあまりにもそっけない。書いてあるのはわずかこれだけです。
リュドミラ・サベーリエワが(相対的にタチアナ・サモイロワに比べて)日本人に人気と言っても活躍していたのはソ連時代がメインでした。『戦争と平和』のようにロシア帝国時代の世界的文豪の映画ならまだしも、共産主義のプロパガンダ映画のような作品もあるというのが理由なのではないかと思うのですが、リュドミラ・サベーリエワのDVDやブルーレイで入手可能なものはそれほど多くありませんでした。
日本で劇場公開された映画は『戦争と平和』以外に『帰郷』という作品もあるのですが、このビデオすら発売された様子がありません。
リュドミラ・サベーリエワ出演のDVD/Blu-ray
タチアナ・サモイロワと同じく、リュドミラ・サベーリエワが出演した映画を、日米英のAmazonでロシア語タイトル、英語タイトルなどで調べてみました。結果、アメリカのAmazonを含めても下記の3作品しかないようです。
日本語字幕付きで入手できる作品
1965-68年 Война и мир (戦争と平和)
こちらの作品については、これまで何度も触れてきたので、ここでは割愛します。
1970年 Подсолнухи(ひまわり)
この映画にリュドミラ・サベーリエワが出演していますが、イタリアの監督ヴィットリオ・デ・シーカ、イタリアの名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主人公のイタリア映画です。
1970年の作品ですが、いまだにいくらでも買えるのは、ソフィア・ローレン人気なのかなとは思います。
他にも検索語をいろいろと試してみたのですが、どうも日本で入手できるのは上記の2作品のみのようです。
海外でのみ発売されている作品
チェーホフのかもめ(Чайка, 1970年)
日本でもおなじみ、チェーホフの『かもめ』を原作とする映画。チェーホフは短編集を多数残し、独特の世界を構築するのが非常に優れていて、文学における貢献も素晴らしいですが、ロシア語の学習用の読本も多数発売されています。
であれば、この映画の日本語字幕付きのDVDなどが発売されていてもおかしくないと思うのですが、残念ながらアメリカのAmazonでしか見つかりません。
この映画も、ソフィア・ロレーンと共演している『ひまわり』と同じ1970年の作品ですので、アメリカのAmazonで「DVD-R」として売られているので、注文後に焼き付けて販売しているのでしょうか?
一枚、買ってみましたがちゃんと引き続きオーダーできるようです。
しかし、同じように「DVD-R」表記のこちら『Седьмое небо (Seventh Heaven)』については、現在取扱い不可となっています。
こちらは2006年の作品ですので、今でもオリジナルが売っててもおかしくなさそうなんですけどもね。
不思議というか残念なことに、ロシア語と英語のウィキペディアでは、2006年にこの作品への出演が記録されていますが、どちらも映画自体の説明がありません。しかし、それでも幸いなことにYouTubeで公開されているようですので、そちらで扱います。
YouTubeで鑑賞可能な映画作品
以前からロシアの作品は映画一本が丸ごとYouTubeで公開されているものも結構あります。リュドミラ・サベーリエワの作品も例外ではありません。
以下の紹介ではDVD/Blu-rayが販売されているものは除きました。それはきちんと購入して拝見したいと思います。
帰郷(Бег, 1970年)
こちらの映画レビューによれば、DVD等は発売されていない模様。はい。私も必死で探しましたが見つかりませんでした。
日本でも上映されていたのは間違いなく、Amazonではこの映画のポスターや映画のパンフレットが売られていました。
この映画は、YouTubeで前・後編の二部構成での公開されているようです。
帰郷(Бег)前編 動画
帰郷(Бег)後編 動画
首無し騎士(Всадник без головы, 1973年)
これは、ソ連‐キューバの合作による作品で、「レッド・ウェスタン」とか「ソヴィエト・ウェスタン」映画のはしりだそうです。原作はウラジミール・ナボコフが愛読したとの記載もありますね。
この「Red Western」には「東部劇」との日本語訳が割り当てられているのは、今日初めて知りました。
この「首無し騎士」は中世以降、世界中の民間伝承に登場する神話上の人物とのことです。
個人的には、『ハリー・ポッター・シリーズ』の「ほとんど首無しニック」とかティム・バートン監督の『スリーピーホロウ』とかで知りました。
あるいは、ビッグバンセオリーでも紹介したことがある、こちらのアメリカの物語とかでしょうか。
『スリーピーホロウ』でジョニー・デップが演じたイカボッド・クレーンは「スリーピーホロウの伝説」に登場する名前そのままですし、ビッグバンセオリーでもシェルドンがイカボッド・クレーンに喩えられていました。
話がそれましたが、『スリーピーホロウの伝説』は、「ワシントン・アービング」原作、ロシアのこちらの映画は「トーマス・メイン・リード」原作で、登場人物名もトーマス・リードの原作通りになっています。
首無し騎士(Всадник без головы)動画
ユリア・ヴレフスカヤ(Юлия Вревская, 1977年)
この映画は、ソ連-ブルガリア合作で、ロシア・トルコ戦争でのブルガリア解放100周年に合わせて1978年に初演された作品です。
解説をみると、「ユリア・ヴレフスカヤ」はクリミア戦争におけるナイチンゲールのような女性で、ロシア・トルコ戦争でロシアがブルガリアをトルコ支配から解放したのち、戦争に従事したロシア兵の看病をしているときに現地で流行したチフスに罹って落命したようです。
制作が1977年ということで、ソ連のプロパガンダ込みなのは間違いないと思いますが、それはそれとしてロシアにもそのような女性がいたことの価値が減ずるわけではありません。
ナイチンゲールも裕福な家庭の生まれで、手厚い教育を受けた女性でしたが、ユリア・ヴレフスカヤも、親はナポレオン戦争のボロジノの戦いでは中将だった方の娘で、のちに男爵と結婚していたそうです。
ユリア・ヴレフスカヤ(Юлия Вревская)動画
この動画は、どうもビデオから再生したものを焼き直したようで、最初の方は雑音も目立ちます。
歴史映画としての側面もあると思うので、可能ならディスクなどが欲しいところです。
帽子(Шляпа, 1981年)
この映画は、ソ連のミュージカル映画で、主人公はジャズ・ミュージシャンとなっています。
1981年と言えば、モスクワ・オリンピック開催の翌年。そこで、「才能はあるがその才能を生かすことができず、魅力的だが私生活では失敗し、新しい知り合いは簡単にできるが、友人は一人もいない。」などという人物を主人公にした映画が作られた背景=ソ連国内の人達の心象がどのようなものだったのかな、と言うあたりが気になります。
ソ連が映画を作るのであれば、何らかの意図はあるでしょうし。
帽子(Шляпа)動画
四年目の戦争(Шёл четвёртый год войны, 1983年)
アレクサンドル・ベリャーエフの原作『深い森の秘密』の映画化作品。
この原作は、映画タイトルを持ってきて2017年に新版として発売されているようです。
映画はソ連時代に制作されたとは言え、大祖国戦争(第二次世界大戦における独ソ戦争)にかかわる内容ですし。
四年目の戦争(Шёл четвёртый год войны)動画
成功(Успех, 1984年)
『成功』は、若手演出家(ゲンナジー・フェティソフ)が、妻と別れてモスクワを離れたのち、地方劇場からチェーホフの「かもめ」を上演しないかと誘われ、独自の解釈で演出しようとすることで劇場や俳優たちと葛藤しつつも、舞台を導いていく内容。
チェーホフの「かもめ」を他の誰も正しく理解していないと考える演出家と、最初はそのことを理解しない俳優たちとの葛藤が1984年に映画として描かれていることの意味合いはどこにあったのでしょうね?
ソ連崩壊まで7年の時点で作られた映画です。
成功(Успех)動画
黒いバラは悲しみの紋章、赤いバラは愛の紋章(Чёрная роза - эмблема печали, красная роза - эмблема любви, 1989年)
ずいぶんと長いタイトルですが、セルゲイ・ソロヴィヨフ監督による1989年の映画で、監督の三部作『アッサ』(1987)/『黒いバラは悲しみの紋章、赤いバラは愛の紋章』(1989)/『星空の家』(1991)のうち、第2部に該当するのがこちらの映画。リュドミラ・サベーリエワは、本作、第2部にしか出演しないようです。
また、本作でも主人公アレクサンドラの母親役としての出演ということで、年齢と共に脇役としての登場になっていますね。
この映画も前後編の二つに分かれて公開されていました。
黒いバラは悲しみの紋章、赤いバラは愛の紋章 前編動画
黒いバラは悲しみの紋章、赤いバラは愛の紋章 後編動画
若かりし頃(Нежный возраст, 2000年)
この映画は2000年の作品です。主人公の二人はお互いの両親が友人どうしで、女の子はパリでトップモデルになり、男の子はマフィアが牛耳るロシアで成長する、といったぐらいの説明しかないので、話がどう展開していくのかも、若干不明です。特にマフィアの元で成長するのか、マフィアが跋扈する社会で育つなのかが、説明だけでは判然としませんが、ウィキペディア側からも記事のガイドラインに沿っておらず、正確な記載ではないとの注意書きがついているので、このあたりは仕方ないですね。
若かりし頃(Нежный возраст)動画
思わず目を引いたのが、リュドミラ・サベーリエワの役柄で、なんと「бабушка, бывшая летчица полка бомбардировщиков («Ночная ведьма»):元爆撃連隊「夜の魔女」のパイロットである祖母」とあります。
元爆撃連隊のパイロット?これは何でしょう?
もしかしたら、同名の旧作映画(内容は別作品)を引き継いだものになっているのかもしれません。
若かりし頃(Нежный возраст)旧作
なお、同名の映画が1983年に制作されていますが、1983年の映画は第二次世界大戦が舞台の映画で、高校を卒業したばかりの友人二人が砲兵学校に入学し、ほんの数日で前線に送られるといった話のようです。
若かりし頃(Нежный возраст)旧作動画
映画については、日米のAmazon、そしてYouTubeで見つかったものは以上です。他にYouTubeでドラマもいくつか公開されていました。
YouTubeで鑑賞可能なドラマ作品
夕方から正午まで(С вечера до полудня, 1981年)
『鶴は翔んでゆく』の原作者ヴィクトル・ローザフによるドラマ。
ローザフは『鶴は翔んでゆく』と並んで成功した作品とみなしているそうです。これは是非、見なければ。
2話完結のドラマで、どちらもYouTubeで視聴可能です。
夕方から正午まで(С вечера до полудня)第1話 動画
夕方から正午まで(С вечера до полудня)第2話 動画
第七天(Седьмое небо、2006年)
アメリカのAmazonで「DVD-R」としてリストがありつつ、取扱い不可となっていますがYouTubeで公開されている作品です。
YouTubeでの解説を見ると、映画ではなくてテレビシリーズの探偵もののようです。YouTubeでは全話通しで公開されているようです。ロシアのウィキペディアでも記述がないため何話分なのか分かりませんが、全話見られるのはありがたいですね。
また、こちらの説明では原作があるようです。タイトルと作家名から検索したら確かにありました。あるにはありましたが、Amazonでの紹介文がなんとロシア語をそのまま英語のアルファベットで表記したもの。
最初の一文だけ引用しますが、こんな感じです。
面白いことに、この文章を「Google Translate」で「原文を英語」「翻訳文をロシア語」にすると、次のように正しくロシア語に置き換えてくれますね。
さらに、最近、広くあちこちで名前を聞くようになったDeepLで翻訳するとこのような訳文が吐き出されてきます。
«Время, вперед!»の部分だけが、なぜか最後の「D」が落ちてフランス語音っぽい感じで表記されてしまっていますが、それ以外の文章はGoogle Translateよりもこなれた日本語になってますね。
話題が少しそれましたが、この「第七天」でリュドミラ・サベーリエワは登場人物の母親役として出演しているようです。
ドラマ アンナ・カレーニナ(Анна Каренина, 2009年)
タチアナ・サモイロワは映画の『アンナ・カレーニナ』でヒロインを演じていますが、リュドミラ・サベーリエワは2009年のドラマ『アンナ・カレーニナ』でシチェルバツキー公爵夫人として出演しています。
こちらの作品については、説明不要と思います。
YouTubeでは全5話として公開されていました。
アンナ・カレーニナ 第1話 動画
アンナ・カレーニナ 第2話 動画
アンナ・カレーニナ 第3話 動画
アンナ・カレーニナ 第4話 動画
アンナ・カレーニナ 第5話 動画
こちらは2009年の作品。ソ連時代の映画と対比してみるのも面白いかもしれません。
ドラマ 娘と母(Дочки-матери, 2009年)
この作品には、ロシア語のウィキペディアのページがありませんでした。
しかしタイトルを見るとツルゲーネフの『父と子(Отцы и дети)』がモチーフになっていると思われます。
ツルゲーネフの作品も、父と子が複数形であることから、ある家族の「父とその息子」の物語ではなく、父親世代と子供世代のより広い物語となっているのですが、こちらは娘と母で、同じ様に複数形かつ、順番が逆。
ツルゲーネフの時代とは違う、と言ったメッセージ込みのような気がします。
第1話だけ流してみましたが、ポップ調の音楽も悪くないですし、「現在のモスクワ」が舞台なのでしょうか。
しかも、全75話。YouTubeのミックスリストっていうのでしょうか?右上のシリーズ再生のような機能で、すべてのエピソードが確認できます。
英語もドラマにどっぷりつかるのが好きなので、こういうのありがたいです。話も面白いといいのですが。
ウィキペディアの記載のみの作品
リュドミラ・サベーリエワ出演した20+1作品のうち、ウィキペディアのロシア語ページはあるけれども、DVDやYouTubeでも見つからないものが3作品だけありました。
なかでもリュドミラ・サベーリエワが映画界にデビューした「眠れる森の美女」が見つからないのは残念などという表現では、言葉がたりません。
作品自体が超絶的に有名なので、他の動画に埋もれているだけなのかもしれませんが。
文字情報しかない映画の2作目については、紹介は割愛いたします。
さて。ここで「リュドミラ・サベーリエワ出演した20+1作品」と謎の表記をしたのは、ロシア語のウィキペディアのページでは20作品のみ記載があります。
不思議なことにこの20作品には含まれていないのに、日本語のウィキペディアのページには彼女の出演作として記載があり、さらにその映画のロシア語のウィキペディアのページはある。
しかも、ロシア語の「リュドミラ・サベーリエワ」のページには反映されていない、という謎の映画がありました。
この映画で「Людмила Соловьёва — Даша Воронкова, медсестра」と看護師役で登場していることも記載されているのですが…
また、YouTubeでも本作品の動画は見つかりませんでした。
文字情報すらない作品も
以下の3作品については、ロシア語のウィキペディアのページも書かれていません。
1984 — Нам не дано предугадать
2001 — Часы без стрелок
2008 — Автобус
映画や俳優・女優を通して映し出される時代感
タチアナ・サモイロワの記事にも同じ小タイトルを設定しました。
リュドミラ・サベーリエワとタチアナ・サモイロワの出演作品数は21と18で、それほど違いはありませんが、リュドミラ・サベーリエワの方が家庭関係が安定しているせいなのか、夫のアレクサンドル・ズブルーエフも俳優だからなのか、女優としての出演が途切れていた時期がそれほどありません。
タチアナ・サモイロワの場合、1975年の『プロレタリア独裁のためのダイヤモンド』以後、2000年まで25年間は空白の時期があります。ウィキペディアの情報だけでは、何が理由でこの期間は映画やドラマに出演していなかったのかは分かりませんでした。
一方、リュドミラ・サベーリエワは1989年に『黒いバラは悲しみの紋章、赤いバラは愛の紋章』に出た後、やはり2000年まで空白がありますが、それでも最長11年。
それ以外は4年以内には新しい映画・ドラマに出演を続けていました。
1990年から2000年というのは、ソ連時代に活躍していた女優として1991年のソ連崩壊が影響しているのでしょうか?
仮に本人に会う機会があったとしてもたやすく質問できる内容ではないですし、かの国のすべての人にとって、文字通り驚天動地の経験だったことと思います。
1980年前後のモスクワ・オリンピックを挟んだ期間も映画に出演したりしています。上述したように、国策や『党』の意向が避けられなかったであろうソ連映画界の流れが現れているようにも思います。このあたりは、ソ連映画の専門ではなく、最近になって語学からロシア、そして過去の遺産としてのソ連映画を単に映画として楽しんでいる素人には、軽率に取り扱えない題材ではありますが、興味深い側面があるのは否めません。
またユリア・ヴレフスカヤのような偉人の存在を知ることができたのも、有意義だったと言えます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメントなどいただけますと嬉しく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
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