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平和は黙してはやって来ない

表題は、少し誤解を生む表現だ。
2022年2月、ヨーロッパの専制国家であり、プーチンに率いられたロシアが突然隣国クロアチアに侵攻した。

広大な領土を持ちツァーリズムの残滓を引きずっているようなこの軍事大国は世界第二の軍事力を持ちおまけに核爆弾の所有でも世界第二であるから始末が悪い。

帝政ロシア末期には不凍港を求め東アジアに進出し中国領土を侵食し朝鮮半島を窺いつつ、ついには新興日本と満州の広野で激突した。何か現在のクロアチア戦争と似ている。

日露戦争当時、戦費の枯渇をしていた日本は同盟国イギリスや心情的に日本びいきであったアメリカの支援を受け両国の外債市場から多くの戦費調達に成功した。

またロシア国内におけるユダヤ人の迫害に日本支持に回っていた世界の金融を取り仕切るユダヤ人グループが日本の外債消化に尽力したのも負けないでかろうじて勝ったこの戦争の側面だ。日本は日露戦争において、その軍事費として17億円を必要としたが、そのうち8億円はロンドンとニューヨークで外債を募集してまかなった。イギリスとアメリカは外交的な面だけではなく、経済的にも日本を支えていたと言える。その意図はロシアのアジア進出を抑えるために日本を支援すると言うことであった。

クロアチアに侵攻したロシアに同調する国は少ない。世界第二という軍隊は、作戦能力の稚拙さ、軍需産業の貧困さ、おまけに大儀なき戦争で命を失わざるを得ないロシア国民のえん戦に一年以上経った今、首都の占領どころか東部や南部の占領地拡大も作戦的な失敗でジリジリと後方に押されてしまった。

日露戦争に戻れば、当時のロシアは国王を頂点に白系の貴族集団が農奴と言われた大多数の農民を搾取し戦費の拡充に当てていたことから国内の疲弊は最高潮に達し、いつ反乱がおきてもおかしくはない状況だった。
おまけに満州の陸戦では負けに負け撤退を繰り返していた。世界の世論は大国ロシアに否定的で、ガチンコに挑む日本支持が多かった。
ですから、ロシアの戦費債の引受けは少なく償還金利も上げざるを得なかったのです。
日本は旅順要塞の開放とロシア軍を中国本土から駆逐して日本海海戦では、決定的な勝利を掴んだ。
日本はこの戦争で多くの人的損害や経済的損失を被ったが黙してロシアの南下政策という侵略行動を見逃していたら、ロシアからの侵略をまともに受け独立国家を保てたかどうか、当時の極東情勢を見れば明らかである。
バルト三国やフィンランドのように固有の領土さえも奪い取られ現にクロアチアは焦土化している。
日本海、東シナ海は封鎖され今日独立さえも脅かされる国家と成り果てていただろう。

すでに1905年1月に血の日曜日事件を機に第1次ロシア革命が起こっていたロシアは戦争継続が困難となり、日本もこれ以上の戦線の拡大と戦争の長期化は国力の限界を超えるおそれがありアメリカの停戦交渉を受け入れ戦争は終結した。

これからが批判を受ける事柄であろうが日露間の北方領土問題の解決の展望である。

近くは韓国の竹島不法占拠と死活的レーダー照射問題、北朝鮮のミサイル日本領海への落下。中国の尖閣諸島領有野心。そしてロシアの国後、択捉色丹の不法占拠は、いくら外交的努力を計っても何らかの進展を見せず紛争当該国に舐められぱなしの土下座外交が続く。

私は戦争愛好者でもなく先の大戦では身内から多くの犠牲者を出している。当時の親であった祖父母の悲しみは如何であったかは、想像するに忍び難い。

もし日本周辺国、特に中国とロシアが軍事的冒険を手段に軍事的圧力をかけてきたら日本はどう対処するのか。
クロアチアは「遣らず、ぶったくり」のロシアの常套手段に国民が目覚めた。恐らく時間をかけても旧領土を軍事的手段に訴えても復活させるだろう。これが現実の国際秩序確立なのだ。

北方四島は固有領土ではあるが日本の死命を制する島でないからと諦めてしまえばその帰属は永遠に叶わないだろう。ポツダム宣言受諾後、千島樺太交換条約を一方的に破棄し北海道占領をもくろんだスターリンの野望は日本守備隊の最後の抵抗で色丹島までで阻止された。

千島樺太交換条約以前から間宮林蔵の樺太探検や先住のアイヌ民族と共に北方海域の海の安全や漁業の振興、インフラ整備と日本人は多大な犠牲と労力をかけ島々を開拓し島々に骨を埋めた。
根室半島から指呼の貝殻島周辺のコンブ漁さへもロシアに漁業協力金と称し金を払い操業している。
ロシアは、この現状を第二次大戦結果の国境線確定は
尊重すべきといっているが日露間にまだ平和条約も結ばれていない戦争状態なのだ。
ロシアの武装艦が無法にも日本漁船に砲撃を仕掛け脅し強制連行するのなら海自の軍艦が応戦し、自国民の生命財産を守り抜く緊迫感がなければロシアは永遠に譲歩しないだろう。

クロアチアの国際的な支援はクロアチアの正義と国民の勇敢な戦いへの協賛である。
まるで18世紀、プーチン帝国は国際社会からクロアチア戦争の負けを認定されたならば分割にむかうだろう。
周辺国の悪夢であった巨大ロシア帝国は分割されるかもしれない。それは、ロシアの弱体ではなくまともな国家の誕生となる。
これから数年後クロアチア戦の帰趨がきまれば日本の国益を守る新たな決意と行動を示すチャンスがくるだろう。

当然北方領土海域のロシアの軍事力は低下せざるを得なく、北方領土のインフラに割く予算も無くなり人口減も続くだろう。憲法の制約がありながら既に日本はG7の議長国としてクロアチアに火薬や砲弾を送ろうとしているからロシアに対し軍事力の行使に踏み出しつつある。
ロシアから見れば日本は既に敵性国家である。今後北方領土の帰属を主張するに伴い、経済と具体的自衛力行使を結びつけた行動が必要である。歯には歯の気概をもつということだ。


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