人間てバイクみたいだ

新車で買ったバイクでも
5年、10年と長く乗り続けていくうちに
少しずつ故障や不具合は増えていくんだよね
どんなに大切に乗っていても、いつまでも新車の状態なんて
まずあり得ないんだ

僕自身は子供の頃からずっと
医者いらずというか薬さえロクに服用したことなんてなかったし
絵に描いたような健康優良児だった
成人してからも医者にかかるのは
骨折したとか高い所から落ちて頭を打ったとか
怪我でもしない限り病気らしい病気なんてしたことがなくて
新車のバイクと同じ、新車の僕は病気知らずのまま生きてきた

中高年の年齢域に入ったくらいからは
故障とか不具合が少しずつ多くなってね
まぁ、そんなに深刻な故障ではないんだけど
石ができて死ぬほど痛かったり
目が見えにくくなったとか
鼻炎が辛いとか
血圧も高くなったしね
若い時には考えたことすらなかった小さな故障が
体のあちこちに出るようになってしまった

最近は原因不明の耳鳴りで悩まされていて
昨夜なんてピーという連続音と、コオロギが鳴いてるようなピーン ピーン
っていう音がずっと耳の中でなり続けてたから
布団に入っても気持ち良く寝れなかった
さすがに我慢の限界でね、今日は病院に行った
でも治療の方法がないんだってさ

だから今日は仕事は休みにした
とても仕事に打ち込みなんて気になれないし
この記事を書いている今も耳の中でピーっていう電子音みたいな
音が鳴り続けてるよ

歳を取りたくないよね
誰も好んで歳をとるわけじゃないんだけどさ

僕はバイクみたいだなって、しみじみそう思うよ
バイクは運転を間違えば転ぶ
僕は生き方を間違えば転ぶ

バイクは走らなけりゃただの金属の塊
僕は生きなけりゃただの肉の塊

バイクは古くなれば故障が増える
僕は歳をとって病気が増えた

バイクと僕とただ一つ違うところ
それは燃料かな
バイクはガソリンで走るけど
僕は活力とか精神力で走ってきた
ガソリンはスタンドへ行けば補充できるけど
活力も精神力も自分で生み出すしかない

人間てバイクみたいだなと

思った