第72話 兄:プリッツ事件

 ボクが中学生くらいの頃だったろうか?
 その頃、兄はポッキーやプリッツなど、棒状の長いお菓子をよくボクの鼻の穴の中へ突っ込んできた。
 それをボクが、
「おいおい、そこは口じゃないだろ!!」
 とツッコミを入れる。
 こんな遊びをよくしていた。
 女性からしてみればものすごく幼稚と思われるかもしれないが、男という生き物はこういうものである。
 いい歳こいていようがいまいが、その場のノリで平気でバカなことをしてしまう生き物なのだ。
 ボクはいつもやられる側だったが、それほど苦に感じなかった。

 ある日、兄がいつものようにプリッツを突っ込んできた。
 ボクはまたかぁ~と思ったが、一応ノッてあげることにした。
 兄がボクの左の鼻の穴へプリッツを突っ込む。
 しかし、その日は必要以上にプリッツを突っ込んできたのだ。
「いだぁーーー!!」
 ボクはたまらず鼻の穴に指を突っ込んだ。
 鼻血が出てきた。
 それからぼたぼたと血が出てくる。
 ボクは兄を睨む。
 すると兄は笑いながら、
「ご、ごめ~ん!!入れ過ぎちゃった~!!」
 と謝ってきた。
 ボクは新しいプリッツを取り出す。
「鼻出せ!!鼻!!」
 しかし兄はそれを拒む。
「そんなん鼻の穴に入れたらダメじゃん!!」
 今までさんざん人の鼻に入れておいて…どの口が言うと思った。
 ひたすら
「ごめん、ごめん」
 と気持ちの籠ってない謝罪をして逃げてどこかへ行ってしまった。
 その日以来、鼻の穴に突っ込む遊びは禁止となった。

 皆さんも食べ物で遊ばないように。
 ちなみにボクは鼻の穴にいれたお菓子も平気で食べます(笑)
 ちゃんと食べております!!

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