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【マイプロ×公立高校①】PBL成功の鍵は「学校を社会にひらく」

rokuyou代表の下向です。
このシリーズでは、2020年度から始めた「公立高校における総合的探究の時間コーディネート事業」から見えてきた、高校特に公立学校においてPBL(プロジェクト型の学び/探究)を実りあるものにするための叡智を共有していきます。

2020年度から教育指導要領が大きく変わり始め、これまでの一斉授業から「主体的で対話的で深い学び」へとシフトが求められるようになり、2022年度からは「総合的な探究の時間」(これまでは「総合的な学習」)が必修化されます。その背景には不確実性を極める社会があり、刻一刻と解決が迫られる課題を新たな価値を創造することを通して発見・解決することが必要とされていることにあります。

「探究」が必修科される社会の背景

決められているもの、標準化されたものをたくさん生み出すことに価値が置かれていた社会から、課題解決、イノベーションなど新たな価値を創造することが求められる社会へ転換しています。

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社会の変化に伴って求められる人材も、当たり前ですが変化してきています。

society3.0から4.0へと変化するにしたがって、求められる人物像にもこれだけの変容が起きていると言われています。「価値」が誰の目からもわかっていて定義されていたところから、何が価値なのかを問い、創造していくことがすでに現代でも求められてると言えるのではないでしょうか?

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Society5.0を迎えようとしている今、ここから必要となる人材像は大きく飛躍することが予想されます。リアルとバーチャル、またあらゆる情報が繋がり、また環境課題に代表されるような壮大で、時間がかかるけれど刻一刻と深刻さを増す全人類課題の解決が求められる時代。状況だけでなく仕組み、システムから変化を作れる「チェンジメーカー」が必要だと感じています。

世界的には、例えば「第4次産業⾰命」による⼈間とAIの共存やデータ駆動型社会への変化、⽣命のありようの変化と超⻑寿社会の出現、グローバル化の進展(による光と影)、環境問題の深刻化など、様々な構造変化が進んでいる。こうした中、⽇本は超⾼齢化・少⼦化社会でありつつ低⽣産性経済であるなどの「課題先進国」ではあるが、「課題解決先進国」と呼びうるまでの道のりは⻑く、産業界や地域において様々なカイゼンやイノベーションを⽣み出す余地が⼤きい。

⽇本がカイゼンとイノベーションに溢れる「課題解決先進国」であるために、必要な⼈材・資質は?(⇒多様な「チェンジ・メイカー」
  〜経済産業省『第3回「未来の教室」とEdTech研究会事務局説明資料

これらの背景もあり、総合的探究の時間の必修化を含め、教育は転換しようとしています。しかし、その教育のパラダイムシフトを形づくっていくために、乗り越えるべき大きな課題が...!それは学校における「主体性」を担保する機会の不足と、探究のフィールドが学校に限られてしまっているという閉鎖性が挙げられます。今回の記事では、後者の「学校がもつ閉鎖性」という課題を扱っていきたいと思います。

なぜ閉鎖性が課題?そもそも学校って閉鎖的なの?

自治体や学校によってその状況は様々ですが、私たちが多くの活動を持つ沖縄、また今年度から年間プログラムとして関わっている宜野湾高校も、はじめはなかなかひらけているという状況ではありませんでした。

では、「開けていない」「閉じている」とはどんな状況なのか。
社会でのリアルの動きやリソースに繋がっていない(つながりづらい)と、ここでは定義したいと思います。

またわかりやすく伝えるために、探究活動に取り組む学校から聞こえてきた声の中で「閉鎖性」を表す状況をいくつかシェアしたいと思います。

生徒も教員も新聞やメディアを通しての情報にしか触れる機会がないので、取り組みを深めるための情報が圧倒的に少なく、プロジェクトのリサーチや思考がなかなか深まらない。
答えのない社会課題の解決に向けたのプロジェクトの壁打ちをできるスキルが、まだまだ教員の中で浸透しておらず、生徒のプロジェクトの深度が高まりづらい。
アイディアの角度が優れているプロジェクトでも、実行のためのリソース(金銭的なものや、ステークホルダー)が足りず、実現までたどり着く可能性が低く、アイディアレベルや調べ学習などで止まってしまいがち。

といった声を本当にたくさん聞きます。このような課題感を抱えていらっしゃる先生方も多いのではないでしょうか?
こういった状況を打破するためには「学校を社会にひらく」ことが必要です。

ではどのように学校を社会に開くのでしょうか?

学校を社会に開くひらきかた

メンターやゲスト講師などで、生徒がプロジェクトを進める上で関わる人を増やすことが基本になります。単発の講演などももちろん価値はありますが、できれば長期的にプロジェクトに伴走してもらえるような仕組みを作ることがベストでしょう。

また、生徒が地域でアクションすることを支援する上で、興味関心やテーマに関連する取り組みをされている地域の組織や人材はいないかを共に探すことも効果的でしょう。

この開き方に関しては、別記事で事例とともに解説しますね。

「学校を社会にひらく」ことで得られるメリットは4つ!

<メリット>
1.社会人と関わりを持つ機会となるため、働き方の多様なイメージを持つなどキャリア形成に繋がる
2.外部人材の招聘によって発表にメリハリが出る(生徒にとって程よい緊張感)
3.マイプロジェクトの実践段階で頼れるメンターになりうる(専門的知識、情報など教員が持っていないものを伝え、勇気づけうる)
4.教員のマインドをオープンにし、より柔軟になることが期待できる

学校を社会にひらくと社会との繋がりができるため、情報、スキル、リソースが豊かになります。

これにより、生徒も教員も情報に触れる機会が増え、取り組みを深めるための情報が多くなり、プロジェクトのリサーチや思考が深まります。また、答えのない社会課題の解決に向けたのプロジェクトの壁打ちをできるスキルが教員の中で浸透し、生徒のプロジェクトの深度が高まることも期待されます。さらに、アイディアの角度が優れているプロジェクトを実行のためのリソース(金銭的なものや、ステークホルダー)ができ、実現までたどり着く可能性が高くなります。

繋がりができると上述した課題が解決され、PBL(プロジェクト型の学び/探究)を実りあるものにすることができます。

終わりに

今回の記事では、教育のパラダイムシフトを形づくっていくために乗り越えるべき大きな課題に、探究のフィールドが学校に限られてしまっている閉鎖性を挙げ、学校が社会に開かれていないことによる学びの状況、課題感について触れました。「学校が社会にひらく」ことで得られるのは情報、スキル、リソースのみではなく、その先にある教科学習だけでは得づらい豊かな学びです。これから生徒さんや先生方の学びが豊かに育まれていくのをみるが楽しみです。

#沖縄 #PBL #学校 #学び #プロジェクト型の学び #探究

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