(絵本)ねこのチャッピー / あなたの一生は誰かの物語になれる
vol.006
今回の絵本は「ねこのチャッピー」
(著:ささめやゆき)
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絵本から学ぶノート、本日で6つ目となります。
本日は「内容ついてどう捉えたか」というより、
「こういう絵本の在り方も良いね」というご紹介です。
■あらすじ
時間はしずかにながれていく――。
小学生だった娘は大人になり、あどけなかったチャッピーも年老いていく。
夜のアトリエ、しずかにふりつづく雪の窓辺…ただそこにいるだけで、よかったんだ。 画家の愛猫チャッピーと家族との日々をあたたかなまなざしで描く。
愛猫との出会いから最後の時までの思い出を、
絵と言葉で静かに綴っていき「生きた証」を示す絵本となっています。
■良かった点
<一生の出来事は1つの物語である>
猫のチャッピーの思い出を、絵本という形で表現しており、
その時々の思い出を時系列に並べることで物語が生まれています。
絵本では創作のお話が多いですが、こうして実際の出来事(正確には違うかもしれませんが)を振り返りつつ絵と言葉で表現することで、他者にとってはこんなにも優しい気持ちになれる物語になることができるのだと気づかされます。
<一緒にいれるだけで幸せである>
終盤に出てくる文章、
「いのちあるもののさだめ。かなしみは、むこうからやってくる。」
この「むこうからやってくる」という表現が、"死"という事象に対して悲しみや悔しさなど様々な含みを持った表現になっており素敵でした。
そして最後の場面、チャッピーが息をひきとる直前のおじさん(著者)のセリフに
「ほんとうは、そばにいるだけでよかったのだ。それが幸せだったのだ。」と出てきており、これまでのチャッピーとの生活を改めて振り返り、ある意味初めてチャッピーとの関係を客観的に見つめることができた瞬間にも感じました。
失ってから初めて大切さに気づく、とはよく言われますが、
まさに、幸せとは何かを考え直すきっかけとなる絵本でした。
以上が、個人的に良かった点でした。
■こんなときにオススメ!
・幸せを見つめ直したいとき
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ねこのチャッピー
(著:ささめやゆき)
www.amazon.co.jp/dp/433826103X
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