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定期的な訪問で融資は断られにくくなる

[要旨]

PDCAを実践し、定期的に銀行を訪問すると、銀行は、事前に自社の情報を多く把握することになり、このことは、融資審査に有利に働きます。また、訪問回数も増えるので、銀行から融資を受けやすくなるための助言を受ける機会が増えます。したがって、定期的な銀行訪問は、自社が融資を断られるリスクを減らすことになります。

[本文]

先日、ポッドキャスト番組等を製作している、岡田正宏さんのポッドキャスト番組にゲスト出演しました。ポッドキャスト番組では、銀行からの円滑な融資の受け方についてお話しましたが、その概要は、自社でPDCAを行い、定期的に銀行へ業況を報告にいくと、融資を受けたいときに、円滑に融資を受けることができるということについて、前回の記事で説明しました。今回は、この続きについて述べたいと思います。

銀行に定期的に業況を報告に行くことのメリットには、融資を円滑に受けられるようになるということだけでなく、融資を断られにくくなるということもあります。「円滑に融資を受けられること」と、「融資を断られにくくなること」は似ていますが、前者は、融資を受けられる見込みがある会社が、融資の承認を得るまでの労力が少なくて済むという意味で、後者は、融資を断られる確率が少なくなるという意味です。

前回の記事では、PDCAを実践することによって、融資の承認を得る労力を少なくすることができるということを説明しました。そこで、今回は、融資を断られにくくなるメリットについて説明します。まず、直感的に、定期的に銀行を訪れている会社は、融資を受けたい時だけ銀行を訪問する会社と比較して、融資が断られにくいということはご理解されると思います。なぜなら、定期的に銀行を訪問している会社は、銀行をあまり訪問していない会社よりも、銀行にたくさんの情報を提供しているからです。

一方、融資を受けたい時だけ銀行を訪問する会社は、銀行職員から見れば、前回、融資を行った時からの情報は、あまり持っていません。融資相手の会社に関する情報の量が多ければ、その分だけ、融資をするための良い材料も多くなるので、融資を断る要因は少なくなります。また、仮に、業績があまりよくない会社であっても、定期的に銀行を訪問していると、銀行は、その度に、融資取引を続けることができるようにするための助言を提供する機会も増えます。

でも、業績があまりよくない会社が、融資を受けたい時になって銀行を訪問した場合、融資希望日までの日数もあまり多くないでしょうから、銀行が融資を受けやすくするための助言も限定的になります。こういった理由から、銀行への定期的な訪問は、融資を受けるための労力を減らすだけでなく、融資を断られるリスクを減らすことにもなります。すなわち、自社を支援する銀行との関係を緊密にしておくことは、リスク管理の観点からも重要と言うことです。この続きは、次回、説明します。

2023/10/28 No.2509

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