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評価が低くても正しいレビュー

[要旨]

中小企業の場合、多くの顧客から支持される製品よりも、特定の顧客から支持される製品を供給することが妥当なので、自社の想定する顧客以外の人からの評価を気にすることは避けなければなりません。


[本文]

私の本のAmazonレビューは、必ずしも高いものばかりではありません。星が1つのものもいくつかありますが、むしろ、評価の低いレビューにこそ、正しいことが書いてあります。具体的には、「あたりまえのことしか書いていない」、「まるで入門書だ」というものです。私の本は、初学者向けの入門書であり、また、広く知られている内容をコンパクトにまとめて本に書いているので、「あたりまえの内容だ」、「まるで入門書」という指摘は、その通りなのです。

ただ、レビューに正しいことを書いているのに、評価が低いというのは、購入前に期待していた内容とは違うことが本に書かれていたということなのでしょう。せっかくご購入いただいたのに、本の内容に落胆してしまった方には申し訳ないのですが、本を書いた側としては、タイトルどおりの入門書を書いたつもりでしたので、ご容赦いただきたいと思っています。

逆に、入門書として書いていたつもりなのに、「内容が難解だ」、「特殊な事例ばかり書かれている」というレビューとともに低い評価をされていたとしたら、私は、本当に本の内容を改善をしなければならないでしょう。ここまでが前置きなのですが、これもあたりまえですが、製品を作る側がよいと思っているものを、必ずしも、顧客(および見込み顧客)も評価するとは限らないということを、私は自分が書いた本のAmazonレビューを見て、改めて感じました。

これについては、明確な正解というものはないのですが、特に、中小企業では、万人受けする製品よりも、ニッチな分野の需要に応じる製品を供給する事業が向いていると思います。したがって、ニッチな分野の需要に応じた製品は、支持する人と支持しない人の両方がいるわけであり、それは前もって分かっていることです。でも、経営者の方が、実際に、自社製品を評価しない人に接する(私の本の場合、レビューで低い評価をされる)と、「支持してくれる人を増やすために、改善が必要ではないか」と、考えてしまう場合もあると思います。

もし、自社の得意先顧客から、ライバル社の製品は支持されても、自社製品が支持されない場合は、製品の改善が必要ですが、想定してる顧客以外の顧客から支持されなくても、直ちに改善することは不要だと、私は考えています。確かに、製品が売れるようにするための活動は必要ですが、極端な例ですが、エスキモーから支持してもらえる冷蔵庫を開発しようというような活動はするべきではないでしょう。冷蔵庫の売上を増やしたいのであれば、冷蔵庫を必要としている人がどこにいるかを探したり、冷蔵庫の機能を高めて製品の価格も引き上げるという活動が適しているでしょう。

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