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融資を借りてやっている会社

[要旨]

ときどき、高慢な姿勢で、銀行に融資申込をする経営者の方がいます。そのような姿勢はを取る方は、融資申込に関して、質問をしても、きちんと答えることができないというように銀行から判断されてしまい、融資審査に悪い影響を与えることになるでしょう。


[本文]

私が銀行で働いていたときの経験なのですが、割合としては少ないものの、「おたくの銀行から融資を受けてやろうとしているんだ」という、恩着せがましい姿勢で融資を申し込む経営者の方に、ときどき会うことがありました。融資をする側だからといって、銀行は、威張るようなことはしませんが、だからといって、恩着せがましい経営者は、銀行職員から、悪い印象を持たれてしまいます。

だからといって、銀行職員も、プロフェッショナルとして、仮に、経営者の印象が悪かったとしても、それだけで融資判断はしません。もし、経営者の人当たりが悪かったとしても、事業としてはすばらしいこともあるので、本質的な部分で融資判断を行います。とはいえ、「おたくの銀行から融資を受けてやる」という言葉を使うことには、その理由があると思われます。具体的には、融資条件、特に、金額は、申し出どおりに応じなければ、承服しないという意思表示なのでしょう。

では、なぜ、融資条件にこだわるのかというと、融資の承認が得られるか自信がなかったり、または、融資が必要となる根拠を説明できる自信がないからでしょう。ですから、「融資を受けてやる」と経営者の方が口にすることは、「今回申し込む融資について、いろいろ質問されても、ちゃんと答えることができないから、何も訊かないで融資を承認してほしい」と言っていることになります。

このようなことを口にする経営者の方は、ある意味、管理能力が欠けているということになるので、外部環境に追い風が吹いている状態でなければ、銀行は融資をしようとは思わないでしょう。決して、必要以上にへり下る必要はありませんが、謙虚な姿勢で融資の申し込みをすることが、自らが望む結果につながるということは言うまでもありません。そして、これは、融資申込のときだけに当てはまることではないことも同様です。

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