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[要旨]

コンサルタントに支援を依頼した結果、期待外れの結果になることがあります。しかし、そのような場合でも、経営者の責任が免れることはありません。したがって、経営者は、常に当事者意識を強く持ち、コンサルタントに依存的になりすぎないようにすることが必要です。


[本文]

私は、ときどき、参考になると思われる、著名なコンサルタントの方の事例を、これまで頻繁にご紹介してきましたが、どきどき、そのような事例に対して、批判が届くことがあります。例えば、「コンサルタントの●●さんは、顧問料が高いが、当社の業績は改善せず、会社が赤字になった」というようなものです。私は、経営者の方が、支援を依頼したコンサルタントを批判してはならないとは思いません。また、業績が改善しなかったといった、その方が指摘している事実を否定するつもりもありません。(本当は、両者の意見を聞かなければ、指摘した事実が正しいかどうかは判断はできませんが…)

その一方で、そのような批判には、虚しさを感じます。というのは、端的に言えば、そのような批判をする方の言葉からは、「コンサルタントに顧問料を支払ったのだから、経営者は業績に関する責任は免れる」という考えが透けてみえるからです。ある会社が、コンサルタントに支援を依頼していたとしても、業績が改善すれば、それは経営者の功績であるし、業績が悪化すれば、それは経営者の責任です。

確かに、会社経営者の方が、その職責を果たすために受ける重圧は、一般の人が簡単に耐えることができるようなものではないということは、容易に理解できます。だから、その負担のいくばくかをコンサルタントなどにも受けてもらいたいと考えることは、理解できなくもありません。ただ、「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、すべて社長の責任」という言葉があるように、会社の事業に関わるすべての出来事の責任は、最終的には社長が負わなければなりません。

しかし、その重圧に耐えられないために、コンサルタントに過剰に依存し、経営者の当事者意識が薄れてしまうと、業績の改善は遠のいてしまいまうでしょう。ちなみに、コンサルタントも、支援する会社の経営者の方が、どれくらい、当事者意識を持っているかということに、大きな関心があります。それは、前述のように、経営者の方の当事者意識が低いと、会社の業績はなかなか改善しないからです。

逆に、コンサルタントの中には、能力が低く、批判を受けても当然という人がいることもあるでしょう。ですから、経営者の方も、支援を依頼する相手を選ぶときには、改善活動をコンサルタントに丸投げしたいというような消極的な姿勢ではなく、自らも高い当事者意識をもって、自社の事業改善のために、いっしょに汗をかいてくれる相手かどうかを見極めようという姿勢を持つことが大切でしょう。

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