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つらい経験とビジネスの成功

[要旨]

ビジネスパーソンとして成功している方の中には、過去のつらい経験を糧にしてきている人は少なくありません。同様に、成功を望むビジネスパーソンの方も、自身のつらい経験に目を向けることで、強い意思を維持できる可能性があります。


[本文]

日経ビジネスに、ソフトバンクグループ社長の、孫正義さんのインタビュー記事が載っていました。孫さんは、在日韓国人の両親の2男として生まれましたが、子どものころは、孫さんが自殺したいと思うくらい、ひどい差別を受けたそうです。しかし、孫さんは、当時、名乗っていた、通名の「安本」を名乗ることをやめ、本名の「孫」を名乗ることにしたそうです。

それは、在日韓国人が差別されないようになるには、「差別反対」を叫ぶよりも、在日韓国人として成功者になることの方が、100万倍の効果があるからと考えたからだそうです。(ちなみに、孫さんは、現在は、日本に帰化しているそうです)もちろん、その後の孫さんのビジネスパーソンとしての功績は極めて著しく、差別されるどころか、多くの方の尊敬の対象となっていることは、言及するまでもありません。

ところで、孫さんは、幼いころのつらい体験をばねにして成功者になりましたし、同様に、つらい体験をばねにして成功したひとは、他にもたくさんいます。例えば、ウィキペディアによれば、米国のブッシュ(Jr)政権で、国務長官などを務めた、コンドリーザ・ライス女史は、子どもの頃、生まれ育った南部アラバマ州では、(アフリカ系アメリカ人であったために)ウールワース(かつて、米国を席捲していた小売業者)でハンバーガーを食べることができなかったものの、「教育が人種差別に対する最高の防御になる」という両親の励ましがあったおかげで、努力次第で大統領になることだって可能だということに、何の疑いも持っていなかったというスピーチをしているそうです。

そのような経験から、ライス女史は、人の倍の努力を重ねた結果、政権の中枢に入るまでに至り、ブッシュ大統領から絶大な信頼を得ていたと言われています。その一方で、これまで自分を批判してきた人を見返すために、ビジネスで成功したいと思っている人(その中には私も含まれますが)もたくさんいますが、実際に成功する人の割合は、あまり高くないと思っています。

そこで、私は、つらい経験を成功するためのきっかけにできる人と、できない人の違いは何かということを、ずっと考えてきているのですが、そのひとつは、「他人に復讐してやろうというような、ネガティブな考えを持ってビジネスに臨むことは、あまりよくない」と考えると、つらい経験を成功のきっかけにできないのではないかと考えています。

例えば、よく、「世の中の役に立つ仕事をしたい」ということを口にする人がいますが、そういう人は、ネガティブな考え方をビジネスに持ち込むべきではないと考えているのではないかと思います。このように考えることが間違っているわけではないのですが、私は、もう少し、ネガティブな考え方を持つことも「アリ」なのではないかと思っています。

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