わたしはシャンプーマン【エッセイ】〜言霊〜
〜言霊〜
⚪︎⚪︎ちゃん、この巻き方出来る?おい、お前これやっといて!こちらのお客様の仕上げハーフに上げといて!
あっ、はぁ〜い(可愛らしい声)!
ふぅ……了解です。出来ますよ、わたし……NOと言えない日本人です。
みなさん、言霊(ことだま)って信じてますか?
わたしは、割と信じています。とくに口に出すことを意識してるんです。
口に出す……つまり自分自身に縛りをつけること、とわたしは考えます。
例えば、この巻き方出来るか?と営業中に言われます(先輩に)。
わたしは、とりあえずこう答えるんです。
「はい、出来ますよ!(なるべく、当然のように)」
そして、自分自身を追い込んでいく……ふぅ、ふぅ、やったことない……
震える手、首すじを流れる冷や汗、バクバクと鳴る心臓の音……震える手を悟られないように……
思考をフル回転させる。
わたしは感覚では出来ない。
頭で理解していないと出来ないので、情報は脳のどこかにインプットしてある。
あとは、その引き出しを見つけだし、指先に伝達するだけ……お客様との会話は途切らすな……思考しながら会話をするんだ……くっ、どこだ、どこにある……はっ、ここかぁ!
わたしは不器用だ。
だがイメージトレーニングは充分している。むしろイメージしてないと出来ない。
頭と身体のシンクロ率を上げろ!
動け、動け、動け、動け、動け、動いてよぉ〜!
はい!シンクロ率120%!(暴走はしてない)
という感じなんです。
は?なんだそりゃ、出来ないくせに、出来るとか言ってんのか?お客様に失礼だろうが!
そうなんです……わたしは、お客様に成長させてもらっています。美容師は皆そうだと思います。
お客様には感謝ですね、いつもありがとうございます。
そして、言霊。
この話なんですよ、このエピソードは!
言霊……ええと、調べると……言葉に内在する霊力……ふむ、ちょっと違ったか?
ですが、言葉のチカラ!これですよ。
やってみて、出来るから「出来る」ではなく、「出来る」と宣言して「実行」するんです。
わたしクラスのシャンプーマンは、いわばルフィです。
ルフィは、いつも断言します。
「海賊王に、オレはなる!」「オレは、海賊王になる、男だ!」「オレは、お前をぶっ飛ばす!」
宣言してるんです。
そして実行する。
カッコいい!
自分よりも強いカイドウに挑む時も、「カイドウにはオレが、必ず勝つ!」そう宣言してます……あぁ、書いてて泣けてきた。
「わたしに、癒せないお客様はいない!」
ということで、宣言しておきました。
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