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お母さん、離婚しなよ

私、go goだから、と友達からのメッセージにあった。
ん?と思ったのだけれど、ああ、55歳ってことかと合点がいく。
55歳かあと何とはなしに思っていると、母に離婚を勧めた年齢だなあと
ぼんやりと思い出した。
私はすでに成人になっていて、
母を見ていて、ちっとも幸せそうに感じなかった。
両親が揃っていて欲しい、などとこれっぽちも思わない。
それよりも、自分の人生を生きてほしい、
楽しく幸せになってほしい、
という思いの方が強かった。
「お母さんならまだいけるよ。
 お父さんなんかといたら辛いばっかりだし、
 うちらはもう大人だから、お母さんの幸せを考えてほしい」
と、姉と共に話したことを覚えている。
子どもを理由に離婚しない、ということもしてほしくなかった。
もう、あなたの人生でしょ、
と、母に言いたかったのだ。

結局母は離婚を選ばなかった。
その代わり、65歳を過ぎた頃、
「こんなに惨めな老後になるとは思いもしなかった」
と電話口で泣いた。
子どもにそれをいうのか、というわずかな動揺と共に、
「お母さん、だから私、言ったよね、離婚して、
第二の人生を歩めって。選ばなかったのはお母さんだから」
と、きつい言葉を返した。
言わんこっちゃない。
経済的なことはもちろんあると思う。
けれど、それ以上に、世間体やら、何やらにがんじがらめになって、
自分の人生を考えなかったのではないか。
自分を幸せにしてあげられるのは、
本当に自分しかいない。
結婚していても、相手に幸せにしてもらおうなんて考えは
捨てた方がいい。
どんな状況にあっても、自分の人生の舵取りは
自分でするしかない。
私が55歳を迎えるのはもう少し先だけれど、
その時にはちゃんと今が幸せと思える日々を紡いでいきたいと思うのだ。

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