見出し画像

僕と父(子供時代 その1)

僕は5人兄弟の4番目、次男である。兄、姉、姉、僕、弟の構成で、兄弟のポジションで言うと「上からは威張られ怒られ、下は末っ子なので威張っちゃダメ!」なので、最悪である。

兄や姉二人に歯向かえば言葉や腕力で抑え込まれ、弟をはけ口にしようものなら告げ口されて父親にひっぱたかれるのである。

今でこそ、DVという概念が当たり前になったが、僕が子供の頃は全く無く、特に我が家は兄弟が多く家庭内の秩序を保つためか、父がとにかく厳しかった。

因みに父のスペック。

身長、180㎝、体重83㎏、骨太、手がデカい、筋肉質、短気、頭脳明晰、記憶力抜群、お酒を飲むと説教する癖あり、説教している内に過去の悪さを思い出して余計に怒る癖あり、すぐ手が出る、ゲンコツがとにかく痛い、子供にも容赦しない、でも最終的には家族や兄弟の為に粉骨砕身、昼夜問わず働く人。

こうして書いているとロシア帝政時代の暴君のようだ。

僕が物心ついた時から、父は怒っていた。特に、長男に対して激しい怒りを見せよく殴っていた。原因は学校の成績だ。父は、幾つかの小さな事業を手掛けていて、長男に継いでもらおうと考えていたらしい。兄の成績を聞いたことがあるが、さほど悪くはない。5段階評価の3.7ぐらいだ。ただ、長女が秀才で、僕と1つ違いの次女が天才だったので、(次女の話はまた別の機会に)父の兄に対する怒りはますます大きくなっていった。今でも、通信簿を持ち帰る日の兄は絶望感たっぷりだったのを覚えている。

そんな訳で、兄を諦めた父は僕に重くて大きな希望を託すことになった。

(続く)





noteを発信源にして、日本の日常に少々の愛と笑いを提供したいと思っています。 サポートは、そのために使わせて頂ければ幸甚です。