最近の記事
愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市在住 白崎一裕
以下の文書は、教科書裁判先輩格のえひめ教科書裁判の口頭弁論において松山地裁にて陳述説明したものである。これも2008年だが、現在でも参考になると考え、ここに再録する。 なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか? 意見陳述書 栃木県大田原市在住 白崎一裕 なぜ、私は、「扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?」その理由について述べたい。 もちろん、その教科書の内容について問題があるのは当然だが、これまでも、その内容については多くの議論がされていることと
マガジン
記事
書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎
以下の書評は、とちぎボランティアネットワーク機関紙「とちコミSDGs通信249号」の「市民文庫」に執筆したものである。 ================ 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎 2400円+税 評者 白崎一裕(那須里山舎) 本書も、私の那須里山舎の新刊で恐縮だが、現在の混とんとした世の中を読み解く一冊としてご紹介する。 著者のヤニス・バルファキスは、きわめてユニークな
「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳
栃木県のNPO・ボランティア団体の総元締めともいえるNPOとちぎボランティアネットワークの機関紙「とちコミSDGs通信VOL247」の市民文庫欄で、取り上げさせていただきました。 ~~~~~~~~~~~~~~ 『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳 堀之内出版 定価3500円+税 評者 白崎一裕(那須里山舎) 前号の塚本さんの「しみん文庫」は、斎藤幸平さんの『人新生の「資
市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3月号」(とちぎボランティアネットワーク編)所収
『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 定価(本体5000円+税) 評者 白崎一裕 この訳書のカバー解説にあるように、本書はチェルノブイリ原発事故がおきた1986年にドイツで刊行された。未曾有の原発事故の衝撃をうけたことに対する思想的応答の書として、難解な専門書にもかかわらず大ベストセラーとなったものである。 「危険社会」とは何か?危険という言葉は、ドイツ語でRisiko 、英語でriskと言い表される。すでにカタカナ語になっている言葉で
「ボランティア情報2021年新年号、市民文庫書評・予告掲載」(とちぎボランティアネットワーク編)『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店
『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店 定価3700円+税 評者 白崎一裕 ずっと人間はなぜ働くのかと考えてきた。「食うために働くのさ、余計なことは考えるな」と父親は言った。思春期の評者は「確かにそうかもしれない。でも、食うためなら何でもしなきゃいけないのか」と反論したくなった。それが原点だった。その原点から、ずいぶん遠くまできたような気もする。 マルクスは労働疎外といった。労働すればするほど貧しくな