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地元電車を見て泣いたお話

日本で一番高い電車、らしい


京都市左京区を、南北に走るこじんまりとした電車。
叡山電鉄。通称 叡電(えいでん)
出町柳から鞍馬までをつないでいます。

18歳まで育った、地元の電車。

距離に対して運賃がもっとも高いと、言われているそう。
(たぶん、今も)

あるときネットで、
「叡電って何なの?どう考えても高すぎません?」
と揶揄するコメントがありました。

地元民としては、まあムッとしますよね。
確かにそうなのかもしれませんけど、だから何だ?
地元の我々には掛け替えのない足であり、何より愛着がありますんで。

叡電を守るためには、必要な運賃なんだよ!!
て、小心者は心の中でちょい吠えしていました。

そしたら、地元の方なのか、電車Loveの方なのか、たくさんの人が
「文句言う奴ぁ、乗るんじゃねぇよ!」
って吠えてて、なんだか泣きそうになりましたww


東京にきて一番おどろいたこと


それは、雪が降ると電車がすぐに止まること。
積雪1cmって、ニュースで流れてきたこと。

これは、地域がらでしょう。
仕方のないことです。

その点、叡電は強いです。
「雪で止まった」って聞いたことないんですよ。

利用していたのは25年くらい前だから、そういう時代だったのかな?
いや、7,8年前に乗ったときもやっぱり雪やったけど走ってた。

今でも、雪化粧の渓谷を力づよく走る叡電の姿が、地元の風景として脳裏に焼き付いています。


そんな強い叡電が、瀕死の状態に!


2018年9月に関西を襲った台風21号。
貴船~鞍馬の山が崩れ、鞍馬寺も甚大な被害を受けました。
約50日間の運休。

復旧の直後、鞍馬まで行きました。
まだあちこちに被害が残っていて、鞍馬寺は復旧までにかなりかかることがわかりました。

とりあえず鞍馬寺にお賽銭と、各所に支援金を入れて、昔バイトしていた食堂でお昼ごはん食べました。

何の所縁もない友人2人が、何もいわず付き合ってくれて。
泣けるくらいうれしかった。

が、やっと復旧したのも束の間。

今度は、2020年7月。
大雨の影響で大規模な土砂崩れが発生。
復旧作業は1年以上に及びました。

しかも、コロナで観光業が大打撃を受けたタイミングとモロかぶりでした。
言わずと知れた観光都市、京都では、各所で収益が激減している最中の災害でした。

復旧作業の最中、また鞍馬寺へ行きました。
叡電は途中までだったから、バスを乗り継いで、今度は一人で行きました。

お金あるんやろうか…
駅員さん、大丈夫やろうか…

もしかして
もう、復活できひんのちゃうやろか…

そんなことをチラリとでも考えた地元民は、少なくないように思います。

またほんの少しだけど鞍馬寺でお賽銭を入れて、支援金をお預けして、大昔にバイトしていたお店でお昼ごはんを食べました。


叡電、復活!!


2021年9月18日。
叡電は全線復旧しました。

地元民はもとより、京都府からの支援もあったようです。
もしかして、地元民だけじゃなく、何かを通じて支援してくださった方もたくさんいらっしゃたかもしれません。

数ヶ月前、京都に帰ったとき、出町柳に着いたら、いつもと変わらない景色がありました。
私の記憶の通りに、出発前の叡電がこじんまりと停まっている、そんな景色でした。

駅を行き交う人も、乗車して出発を待つお客さんも、何でもない顔でいました。
叡電の日常が戻ったんだな、そう思いました。

よくがんばったよなぁ。
おめでとう。
ありがとう。

とか心で呟いたら、なんか、泣けてしまいました。

出町柳の何もない駅で、一人で泣く44歳。
気づいた方、ビビらせてごめんなさいww


騙されたと思って…


ぜひ、一度、叡電に乗ってみてください。

春夏秋冬、どんな季節も趣のある景色が楽しめます。
貴船、鞍馬ともに日本有数のパワースポットと言われています。

とってもかわいい電車です。

これをお読みくださった方が、ちょっとでも叡電にご興味をもってくださって、京都に行かれた際に「ちょい乗ってみっかな」ってなってもらえたら、もう大満足。
めちゃくちゃ嬉しいです。

乗ってみてなんでもなくて、騙されたな、って思った方。
ごめんなさい、悪気はありませんでした。
乗ってくださってありがとうございました!


今日はここまで。
最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。

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