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コロナ失業者の業種間移動を促進――厚労省3年度予算要求|迷想日誌

厚生労働省の令和3年度予算概算要求がまとまりましたので、概略をご紹介します。
といっても、実は基本的な予算要求額は前年度と同額です。新型コロナウイルス感染症の拡大により、同概算要求の作成が1カ月遅れとなったばかりか、要求額を対前年度と同額とすることが、7月の閣議決定で了承されていたのです。ただし、その上で新型コロナに対処するために緊急に必要な経費に関しては、別途、事業ごとに要求することになりました。

以上を前提とした予算要求額は、一般会計で32兆9896億円で、前年度より34億円増額しましたが、誤差の範囲です。
この額にプラスしてコロナ対応の個別の緊急要求額を決定していきますが、まだその金額ははっきりしていません。

特別会計は、労働保険が3兆8500億円、年金が70兆3000億円となりました。
労働特会が、前年度比1500億円の減少となっています。

労働関係事業について、少し具体的にみていきましょう。
「ウィズ・ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保」が大テーマとなっています。
なかでも予算規模の大きいのが、「業種・地域・職種を超えた再就職等の促進」で、1206億円(前年度1185億円)を予定しています。ハローワークの就職支援ナビゲーターによる業種を超えた再就職支援や都市部から地方への移住を伴う地域を超えた再就職支援、さらには産業間出向・移籍マッチングの推進などの事業が並んでいます。

この中で、新規事業としているのが、ハローワークの就職支援ナビゲーターによる業種を超えた再就職支援です。
同ナビゲーターはすでに配置していましたが、来年度は業種間人材移動を専門とする同ナビゲーターを60人規模で新たに配置します。東京・大阪などの大都市圏に多くを配置する模様です。

業種間再就職支援以外では、「就職氷河期世代活躍支援プランの実施」に681億円プラスコロナ緊急分を要求しています。
また、「派遣労働者など非正規雇用労働者の再就職支援、新規学卒者への就職支援」に620億円プラスコロナ緊急分を要求しています。

(次回に続く予定です)

労働新聞編集長 箱田 尊文

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