noteサムネイルサイズ

ここで経済政策を誤るな…|迷想日誌

一般報道によりますと、経済産業省が28日発表した10月の商業動態統計で、小売業販売額が前年同月比7.1%減の11兆900億円となったとしています。
消費税増税に加え、台風19号の影響で3カ月ぶりの減少で、2015年3月(9.7%減)以来の落ち込みとしています。
また、前回増税時の14年4月は4.3%減で、今回のマイナス幅はこれを上回っています。

実質賃金が厳しい低下傾向にあるなかでの消費税増税は、最悪のタイミングでした。その結果が、10月の小売業販売の大幅低下につながったとみることができます。
増税前に駆け込み需要がありましたが、それ以上の落ち込みとなっています。増税後は、さらに実質賃金が低下するでしょう(14年4月は3.4%減)。

万全の対策で消費税増税に対処すると言っていた政府・自民党は、かなりの衝撃を受けたようで、13兆円規模の補正予算を組む方針のようで、これは支持したいと思います。
重点事項として、堤防の強化など国土強靱化の取り組みに加え、第5世代(5G)移動通信システムの早期普及に置いているようです。

10兆円を超す規模の財政出動は、今後の日本の社会経済の発展にとって不可欠です。できれば、毎年度、同程度の財政出動を実行して経済を刺激していく必要があります。
今年の骨太方針では、財政上のプライマリーバランスの黒字化を政府の目標とすべきとしていますが、労働者の賃金の減少や国民の貧困を顧みずに、それ自体が至上の目標となっては困ります。

「国の赤字」を次世代に残してはならないと言われますが、このままだと発展途上国並みの国力と貧困が次世代に引き継がれてしまいます。
初心に帰って、デフレからの脱却を優先目標にして積極的・継続的な財政出動を行っていく必要があります。
ここでまたしても経済政策を誤ってはならないと訴えたいと思います。

労働新聞編集長 箱田 尊文

――――――――――――――――――――

〈労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内〉
労働にまつわる最新の情報など、充実したコンテンツを配信中の『労働新聞・安全スタッフ電子版』は、下記よりご覧ください。

労働新聞社労働新聞社の公式ウェブサイトです。人事、労務、労働・社会保険、労働法、労働行政、安全衛生に関するニュース・書籍・セミナー・www.rodo.co.jp

――――――――――――――――――――

Copyright(C),2019(株)労働新聞社 許可なく転載することを禁じます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?