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再び軍事衝突の恐れ強まる?――終戦の日を前に…|迷想日誌

今年も8月15日の終戦の日が来ます。そんななか、アジア地域近海で武力衝突の危険性が高まっていることに警鐘を鳴らしたいと思います。
先日、日本語版CNNニュースを検索していたところ、大変気になる記事が飛び込んできました。

7月7日付の記事によりますと、「6年ぶりに米原子力空母2隻が南シナ海に派遣された。
紛争地域の大部分を独占しようとする中国を押し戻そうとする米政府が軍事力を誇示する最新の事例となった」とし、これに対し中国側では「国営メディアは、中国が自国の主張に対抗しようとする米国の全ての試みを撃退する準備が整っていると報じた。
米空母について、張り子のトラと指摘。中国政府は南シナ海での立ち位置を守るための十分以上の火力を保持している」と応酬したとしています。

日本国内では、新型コロナ一色(新型コロナの危険性は季節性インフルエンザ程度との見方あり)でほとんど報道がありませんが、世界を揺るがしかねない事態が進んでいるようで憂慮されます。
米中間における貿易戦争、サイバー戦争、通貨戦争、ハイテク戦争、スパイ戦争、領事館閉鎖合戦の行き着くところは、本格的な武力行使が待っているのかもしれません。
米国は、中国が南シナ海の岩礁に形成してきた軍事拠点の破壊を考えているとする見方があるようです。

いずれにしても、世界情勢は、第二次大戦後の冷戦時代に続く、極めて不安定な時代に入っています。
戦後世界の理念を主導してきたグローバリズムも大幅に後退し、経済ブロック化が進んでいます。
アジア地域を中心に、パワーバランスが大きく崩れ、勢力図の再編が行われようとしています。
過去の大戦はいずれも経済力を含むパワーバランスが崩れた末に発生しています。

11月の米大統領選で、表面的には劣勢となっているトランプ大統領が、その劣勢を挽回するため、冒頭のCNN記事のように中国に対する武力行使を実行に移す可能性が指摘されているようです。
一説では、台湾も対中軍事衝突を想定した軍備増強を進めています。そうなれば、日本も平穏ではなくなります。

パンデミック、大洪水、バッタの大量発生、パワーバランスの変化、第二次世界恐慌など、世界的にもかつてない試練の時に突入しています。
70年以上前ならとうの昔に戦争になっていたでしょう。冷戦以後の最大の暗黒時代に、日本国と日本人はどう対処すべきでしょうか。
終戦の日を前にして、一人ひとりが真剣に考え、答えを出すべきです。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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