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2022J1第23節 横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ プレビュー 〜Life-Long Nemesis~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
2週間ぶりですね、パイセン。

赤松:
おう、テストおつかれ。

青人:
いやー疲れました。

赤松:
大変だったな。

青人:
でも終われば鹿島戦あると思って頑張れたとこはあります!

赤松:
そうだよな!

青人:
超ビッグゲームじゃないですか!
30年目の"The Classic"で、しかも優勝の行方を大きく左右する天王山。

赤松:
とにかく勝ちたいよね。

青人:
はい!

赤松:
どう?青人的には。勝てそう?

青人:
4月の良いイメージがまだ残っているので、あれと同じ試合にしたいです。そうすれば勝てるんじゃないかと。

赤松:
あれは良い試合だったな。

青人:
なんとかあれと同じ試合にできないですかね?

赤松:
まあメンバーも違うしね。あのとき鹿島にはピトゥカと仲間がいなかった。
個人的には、この2人の存在はかなり大きいと見る。

青人:
ピトゥカいなかったの大きかったですよね!
昨季のホーム戦でかなりやられたし、、

赤松:
スピードあるんだよな、、

青人:
それ思いました。

赤松:
まあ話を4月の試合に戻そうか。あの試合は、相手を押し込む時間を長く作れたことが大きかった。特に前半途中からね。

青人:
鹿島のプレスをことごとく剥がして前進できてましたよね。
たしか、途中から鹿島が諦めて撤退に切り替えたみたいなことをパイセンがぼそってつぶやいてた気が、、

赤松:
言ったかもw
あの試合の立ち上がりは鹿島に多くチャンスを作られたし、結構しんどかったけど、そこから時間とともに鹿島のチャンスが減っていった。特に後半頭にエウベルを投入した後だよね。ほぼマリノスの時間になって、あとはどうやって点取るかって構図に持ち込めた。個人的な印象はそんなとこかなと。

青人:
じゃあ今回も同じ構図で、、

赤松:
それはどうかな?

青人:
濁しますね、、

赤松:
あとでちゃんと話すよw
まずは両チームの状況から整理しよう。

青人:
いまマリノスが首位で鹿島が2位です。

赤松:
それは知ってる。あとは?

青人:
鹿島はキムミンテが出場停止です。

赤松:
スピードがあって、しっかり蹴れるセンターバックだよね。彼がいないのか。

青人:
ええ。あとマリノスはコロナ関係と代表組のコンディション次第で起用する選手が変わってきそうです。

赤松:
ここ難しいよな。誰が使えて誰が使えないのか読めない。
まあここでは全員起用可能なテイで話そうか。出場時間に応じたコンディションの差はある程度加味するとして。

青人:
そうしましょう!



【最近の鹿島アントラーズ】


青人:
直近の鹿島の印象はどうですか?

赤松:
4月対戦時から大きく変わっている印象はないかな。レネ・ヴァイラーのスタイルを貫きながら勝ち点を拾っている。

青人:
1年目からこんなに結果出してるのすごいですよね。

赤松:
まあもともと鹿島がやってきたこととの親和性は高いサッカーだとは思う。
奪ったら速く攻めるっていう部分。
逆にリスクとの向き合い方はかなり変わったけどね。

青人:
より攻撃的になりましたよね。

赤松:
うん。哲学というか志向性は変わった。でも、そこに至るディテールはもともとこのクラブが持っているものを使っているイメージかな。
2トップがサイドに流れて起点を作ったり、サイドからのセンタリングを主軸に攻めたり。そういう元々持っていたものをアタッキングベースに昇華させたっていうのが自分の印象。

青人:
なるほど。じゃあチームとして浸透しつつあるって感じですか?

赤松:
そうね。ハーフシーズン終わったけど、やりたいことはピッチで表現できていると思っていて、それはやっぱり鈴木優磨の存在が大きいかなと。

青人:
やはり彼がキーマンですか。

赤松:
水を運びつつゴール前にも顔を出す。一騎当千って感じ。
彼が不在の試合を見ると、その存在の大きさを感じるよ。ボールを引き出して運ぶ選手がいなくなる分、ロングボールが増えて単調になりやすい。

青人:
どちらかというと繋ぎたいんですか?鹿島は。

赤松:
いや、チームとしてやりたいのは、相手陣地でプレーすること。ここは保持/非保持を問わない。2トップ+両サイドハーフ+ボランチで中央密集を作って、そこへボールを放り込む。奪われたらその場で即時奪回してもう一度攻める。

青人:
なるほど。たしかに緻密なポゼッションってイメージはないですね。

赤松:
うん、どちらかというと相手にボールを奪われることも必要なステップと捉えているというか。トランジションの局面に持ち込めば相手のバランスが崩れるからね。そこを瞬間的に見逃さず突いていくのが彼らの攻撃の形。

青人:
一つ気になったのが、シーズン序盤では左サイドバックに安西が起用されていたのに、いまは広瀬陸斗がレギュラーを掴んでいますよね。
前節・神戸戦でも最後同点弾を演出してました。
これってどういうことなんでしょう?

赤松:
鹿島のスタイルを考えたときに、そもそもサイドバックに求められるのは大外レーンでのプレーですよと。そして広瀬の良さは、キックの精度や繋ぎのところ。逆に安西の良さは、縦へ仕掛けてクロスをあげるところ。

青人:
利き足は二人とも右ですよね?

赤松:
そう。安西より広瀬が重宝されている理由で自分の解釈は、リスクヘッジの部分かなと。鹿島は今季、相手のカウンターからかなりの失点を喫しているという課題があって、ここをどうにかしなきゃいけなかったんだよ。

青人:
カウンターからの失点ですか。たしかにそんなイメージあります。

赤松:
おそらく、安西がドリブルで仕掛けたところで奪われてカウンターを喰らうケースが多かったんじゃないかと。これは完全な推測ねw
密集を作っている中央で奪われるなら即時奪回に持ち込めるけど、逆に手薄にしているサイドで突っかけて奪われるとリスキーじゃん?

青人:
まあたしかに。

赤松:
そこで、ドリブルではなく、中央ないしは逆サイドへ向けたロングパスがプレー選択に上がる広瀬をいまは起用しているのかなと。

青人:
なるほど、ここはリスクとの向き合い方というか、、

赤松:
うん。ここ数試合、安西は後半にサイドハーフとして起用されることが多いよ。当然レネ・ヴァイラーも安西のドリブルは魅力だと思っているんだろうし、使い方次第って感じなんじゃないかな。

青人:
試行錯誤ですね。まあまだ1年目だし、選手のキャラクターをどう料理するか見極めている段階なのかも、、

赤松:
そうかもしれないね。




【試合展開の予想】


青人:
この試合、どうなりそうですか?

赤松:
まず間違いなく、マリノスのボール保持がベースになると思う。

青人:
まあホームですし、前回対戦時もそうでしたね。

赤松:
ゾーン1のプレスは笑顔でかわしたいところ。鹿島はそこまでこだわって徹頭徹尾ハイプレスってわけじゃなさそうだし、これくらいはねw

青人:
そんなこと言って鳥栖戦かなり苦労したじゃないですかw

赤松:
たしかに。まあ今回の鹿島もマリノスのビルドアップの入口、つまりセンターバックのところにはかなり激しくプレスをかけてくると思う。
これはゾーン1でもゾーン2でもね。

青人:
鳥栖戦は角田がかなり狙われてませんでした?

赤松:
そうそう。2トップがそのままついてくるかと思って少しサイドに流れたら、今度はサイドハーフが前に出てきて潰しに来る。

青人:
セレッソも鳥栖もサイドハーフのところがポイントだった気がします。
ここ最近の相手はかなり守備意識高い選手を置いてきていますよね。

赤松:
良い着眼点だと思う。
セレッソの右サイドの守備を例にとって考えると、サイドバック(松田陸)がマリノスのウイング(エウベル)との1on1で剥がされないっていう前提があって、あとはサイドハーフ(為田)がマリノスのサイドバック(永戸)へのパスコースを遮断しつつ、プレスバックしてウイングへの対応をサポートする。

青人:
①1on1で対面のウイングを押さえ込めるサイドバックと②単独で複数人を見れる運動量を持ったサイドハーフの存在ってことですかね?まとめると。

赤松:
まさしく。この2つの条件を揃えた選手たちがいることが、マリノス対策の前提条件になる。

青人:
なるほど。鹿島にはいるんですか?そういう選手。
例えば、常本は対人守備強いイメージです。

赤松:
うん。あとサイドハーフとして起用される和泉や仲間は複数人を見てプレスバックができる選手だよね。
マリノス戦ってことを考えると、和泉と仲間をスタメンで使ってくるんじゃないかと思っている。

青人:
じゃあ鹿島もセレッソや鳥栖と同じことをやってくるってことですね?

赤松:
たぶん。それが自然じゃないかなぁ。
鹿島の視点に立って考えてみると、低い位置でボールを奪ったところで彼らの良さは活きないもん。できるだけ高い位置でボールを奪って、素早く攻めたいチームだし。

青人:
ロングカウンターはできないんですか?

赤松:
いや、できるよ。前線にエヴェラウドがいて、ボールを運べる鈴木優磨がいるし。でも、そんな自陣⇔敵陣を行ったり来たりするような展開を望むチームじゃないと思う。もっとコンパクトにやりたいはず。

青人:
じゃあ鹿島としては、やはり前から奪いたいってことですね。

赤松:
うん。逆にマリノスは、そろそろこれに対する打ち手を見せたいところ。例えばウイングのところにサイドバックが釘付けになってくれるのであれば、マルコスを起用してサイドに流れてもらうとか。今のベースを保持しつつ、少しアレンジを利かせることができるかどうかが求められるかなと。

青人:
マルコス、溜まってそうですもんねw
ここいらで一発かましてほしいなぁ。今季ここまでリーグ戦無得点ですし。

赤松:
やってくれそうな気がするよ。

青人:
あとパイセン、さっき4月の試合と同じような構図になるかってところで何か言おうとしてませんでした?

赤松:
ああ。相手のミドルブロック攻略から押し込みフェーズへの移行がスムーズにできていたのが前回対戦の構図。けど、あのときの鹿島とはメンバーが変わっていて、ミドルブロックの強度が高いはず。だから、押し込みフェーズに至るにはひと工夫が必要。

青人:
なるほど、それがさっき言ってたマルコス起用とかってことですか?

赤松:
そうそう!だからこの試合の注目ポイントは、マリノスがボール保持しているときのサイドでの攻防。特に、サイドにボールがあるときにトップ下がどう動いているかは見ておくといいよ。マルコスなのか西村なのか、どちらにしても注目。

青人:
わかりました!ガン見しますw

赤松:
もうそこだけ見とけw
あとはまあ工夫ってとこで言うと、キムミンテの欠場はマリノス的にはラッキーかも。なぜなら、背後をカバーするスピードのあるキムミンテがいないことで、宮市や仲川のスピードが活きる展開になりやすいから。

青人:
あーたしかに。突けるポイントになりそう、、

赤松:
キムミンテの欠場を受けて、ケヴィンがどういうウイングのセットにしてくるかだね。交代策を含めてここは楽しみにしている。

青人:
そうですね!90分トータルでどんなゲームプランを考えているか楽しみです!
鹿島との30年目の対戦で、天王山を戦えるなんて、、燃えますね。

赤松:
こういうライバルがいることは、なかなか幸せだよ。
勝って悲願を手中に収めよう。

青人:
はい!




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