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「配属ガチャに失敗した」と思っている新卒へ

これは、新卒で入った会社の配属発表で、希望していない部署に配属になり、落ち込んでいる人たちに向けたnoteです。わたしも新卒のときに同じ思いをし、配属発表で大泣きするほど本当に辛かった思い出があります。同じ立場の人になった後輩たちに向けて、少しでも力になればと思い、書きました。

「総合職」という、何にでもなれそうで自分でコントロール不可能な職


新卒最初の配属ガチャは、本当に、「運」でしかありません。
大学を卒業したてホヤホヤの新卒に、正直そこまで能力の差はないし、測れるものもありません。
ましてや今年は対面での研修ができず、オンライン研修になった会社も多いと思います。そんな中で、人事だって新卒の実力や適性をはっきりと見分けることはできないでしょう。だから「自分の実力が足りなかったのではないか」とがっかりする必要は全くありません。

就活は、配属決まるまで終わりじゃないんです。あんなに内定がほしかった会社に入っても、配属発表で希望が一瞬で吹き飛びます。「総合職」は、よく言えば「何にでもなれる可能性が広がっている」。悪く言えば、「自分のキャリアなのに会社の指示に従うことが基本で自分でコントロールできない」ものだと思っています。「とにかく大企業に入りたい」と意気込んで入社した結果、全国転勤のある会社だと、ド田舎の支店に配属、なんてこともよくある話。

ただ、配属ガチャには利点もあります。「自分では思ってもいなかった適職が見つかる」ということです。今まであまり興味を持てなかったことでも、やってみたら以外とハマって、そのままその道へ進む人もいます。
(※逆パターンもあり。第一希望の部署に行けたのに、思ったのと違う、とギャップに苦しむ人もいます)

仕事が自分に合わなかったら最悪です。配属が発表されたときのショックよりも、そのあとのほうがしんどいです。自分がこうなりたいと思っている理想像とかけ離れている先輩を見るのは辛いことです。

「目の前のことを一生懸命やれ」と言われるけども

配属が希望通りにならなかったといって、すぐに辞めるべきじゃないと個人的には思います。「お試し感覚」でいいので、仕事をとりあえずやってみてほしいからです。

「配属が自分の希望通りにならなかった」ということを年上の人たちに相談すると、100%言われる言葉があります。それは、
「まあ、まずはとりあえず目の前のことを一生懸命やってみなよ」です。

この言葉の辛さを1年間味わってきた身からすると、これほど配属に満足していない新卒を苦しめる言葉はないんじゃないかと思っています。目の前のことを頑張っていても、100%全力でこなしていても、怒られるときは怒られるし、トラブルも起こします。わからないことだらけだから当然です。自分の仕事のできなさに悔しくなります。一生懸命やったところで仕事の面白みがわからない人にとっては、「目の前のことを一生懸命とか、とっくにやってるよ!」とツッコミを入れたくなるでしょう。

私自身、新卒1年目、特にモチベーションもなく、仕事の面白さがよくわかっていないながらも、「目の前のことに必死で取り組む」を続けました。自分のベストを尽くしました。でも、1年目の終わりごろ先輩に「そろそろ1年目も終わるけど大丈夫なの?それで後輩に教えられるの?」ときつく言われた際に、「別にやりがいとか全くないのに必死でやってきたのにな。今まで頑張ってきた1年間は何だったんだろう。誰のためだったんだろう」と会社で涙が止まらなくなってしまったことがありました。

辛いことがあったときに、配属が自分の希望通りに行った新卒の場合だと、「大変だけど、自分の夢のためにがんばろう。やりたいと希望をしたことだから頑張ろう」と、辛いことがある中でも踏ん張ろうと思えるんですね。(全員ではないかもしれませんが)

私が伝えたいのは、配属ガチャに失敗したと思う新卒は、目の前のことに”一生懸命”にはならなくていい、ということです。”必死”にならなくてもいいです。モチベーションない仕事に一生懸命になるのって苦しいですよ。だから、”とりあえずやってみる”、”一通りできるようになってみる”という感覚を大事にしてほしいと思います。お試し気分でもいいんです。仕事の「大枠」だけでも理解し、できるようになっておくと本当に行きたかった他の部署でもかなり役立ってくると思います。

そして、頑張っている自分を定期的にほめてあげてください。または、ほめてくれる同期や先輩を近くに置いてください。モチベーション湧かない仕事だけど、毎日会社にいってえらいぞ!と、肯定してくれる人がいるだけでも、少し気持ちが楽になります。

じゃあ行きたい部署にどうやって行くか

ここからは具体的に、行きたい部署にどう行くかについて考えていきたいと思います。

①上司に言い続ける

”とりあえず”でいいので、配属された部署で仕事を覚えていくと、「あれ、やっぱり自分は当初希望していた部署ではない部署に行きたいかもしれない」となるケースもあります。日々いろいろなインプットをしていく中で、価値観が変わっていくのは当然です。

行きたい部署があるとき、私はやはり「上長に言い続ける」ことが1番大事だと思っています。部署異動は『今いる部署』と『異動したい部署』の双方のタイミングが合わないといけないので、ずっと待ち構えておく必要があると思います。意思表示しつづけ、本気度を見せることが大事だと思います。

②他の部署でもやっていけると信頼される人になる

上長にきちんと意思表示をしたうえで、目の前の仕事はちゃんとやらないといかなければいけません。仕事ができない人を他の部署に送り出すことはできないからです。「この人はきっとどこの部署でもやっていける」という信頼を得たうえで、やっと部署異動ができるのではないでしょうか。

どうしてもやりたい職種があるのなら、独学で勉強したり、副業で他の企業でやりたい仕事に関わらせてもらってもいいと思います。

③「もしあの部署だったら」をイメージしながら仕事をする

今の仕事と自分が行きたい部署の仕事を重ね合わせ、「もしあの部署のだったら、今の仕事に対してどういう姿勢が求められるだろう」とイメージをしながら取り組んでみてください。逆に、今の仕事を他の部署で生かすならどうするか、を具体的に考えてみてください。

例えば、もし営業から商品開発に移りたい場合、クライアント商談をしながら商品の改善点の引き出しをたくさん持っておきます。「自分が商品開発に異動するのなら、クライアントからヒアリングした改善点を踏まえて、どういった商品を企画するだろうかと考える」といった感じです。

自分の仕事を一歩引いた視点で見ることができます。

③やりたいことのために転職するパターン

大企業の部署異動は、やりたいと言い続けても数年かかってしまうことがほとんどです。
どうしてもやりたいことがあるなら部署異動ではなく、転職も大いにアリだと思います。一社に定年まで働き続ける時代は終わりました。やりたいやりたいと言い続けて、気づいたら30代になってしまった…と後悔するよりも、若い時に、ポテンシャル採用枠で採ってもらえするように転職活動するのも一つの手。

転職者を採用する企業側からしても、未経験を採用するのであれば、その業界や職種に染まりきってしまっている人よりも、これから育てていくことができる人を欲しがります。

もしやりたい職種が明確に決まっているのであれば、転職サイトを活用してみてください。募集要項のところにはたいてい「必須条件」と、「歓迎条件」が書いてあります。

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自分がやりたい職種は、何を応募必須条件にしているかを確認します。「●人以上のチームを牽引した経験がある人」「●●なプロジェクトをしたことがある人」など、職種ごとに様々だと思います。


その必要とされているスキルを見て、「今の部署でつけることができるスキルはなんだろう」と逆算してみてください。もし資格が必要あれば、その勉強をしてみるのもいいですね。眺めているだけでも、世の中にはこんな職種もあるんだ、と勉強になります。
(※「総合職」で会社入ると、勤務地も職種も何になるかわからないのに、中途の募集となるとはっきりそれらについて書かれているので、本当に”総合職”とはガラポンのような運試しであることに気づきます)

さきほどの逆算思考を、ぜひ自分の会社の中でもやってみてください。自分が行きたい部署の同期や先輩と積極的に関わり、何を勉強しているのか、どういう人を求めているのかを。それらを把握し、今の部署でできることを探すのです。行きたい部署への人脈はあらゆる手を使ってでも作っておいたほうがいいです。

今回のnoteをまとめます。

①無理しすぎない程度にとりあえず仕事をやってみる
②自分が行きたい部署について、上長に言い続ける
③他の部署でもやっていけそうだと信頼される人になる
④行きたい部署の目線で仕事をする
⑤自分が行きたい部署や、なりたい職業の必須条件から逆算し、今の自分に足りないものを身に着ける
⑥どうしても異動を待てない場合、自分の考えるキャリアプランが実現できない場合は転職も考える

就活がうまくいかなかったら人生すべて終わり、ということではないのと同じで、配属がうまくいかなかったら人生すべて終わり、というわけでもありません。ですが、待っていても何も始まらないのも事実。流れに身を任せることも大事ですが、会社に身を任せすぎて人生取り返しがつかないことにならないようにしてほしいと思っています。

配属がうまくいった、いかなかった、どちらにせよ大事なことは『会社のために自分があるのではなく、自分のために会社がある』ということ。結婚や出産など、自分だけではどうにもならないことがある一方、自分の努力次第である程度コントロール可能なのが”自分自身のキャリア”です。

「〇歳までにこうなっていたい」という学生時代のキャリアプランがあるのであれば、目の前の仕事をやっていきつつ、今の自分のままで本当にいいのだろうか、と常に振り返る癖をつけてほしいと思います。

納得できない配属だとは思いますが、頑張っているところを絶対誰かが見てくれています。無理をしすぎず、やれるところまでやってみてください。


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