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今日は、久々にお会いした千葉県柏市長として3期目を務めておられる秋山浩保(ひろやす)さんのことを書きたい。柏市在住の何人かから「目立つ人ではないけれど、市政改革に尽力されて実績は十分。そして市民の信頼も厚い」と聞き、旧知としてひそかに喜んでいた。
 

初めてお会いしたのは、もう25年前だったか。当時僕はBAGEL&BAGELを立ち上げて間もない頃。そこにまだ26歳位だった秋山さんを紹介された。その若さで某大手サービス企業の上級役員を務められ、それを辞された直後だったかと思う。どちらかというと寡黙で、あまり喜怒哀楽を表に出されない人という印象だった。紹介者いわく、有名な外資系コンサルティング会社で経験を積んでおり、とても優秀な方でありきっと林さんの役に立つ方だと言ってくれた。
 

その後、時々会って話したり相談事をしたりしていた。彼はプロ経営者として再生系を中心にご活躍されていた。そして自分が経営していた会社の監査役もして頂いた。そんなある時、「これからどういうことをしてゆきたいの?」と聞いてみたところ、「財政的にも社会課題的にも問題を抱える地元柏市の改善に取り組みたい」と言われた記憶がある。政治に不案内な自分は、「どうせなら国会議員とかせめて県知事とかになったらいいじゃない」、と無責任なことを言ったが、彼は即答した。「国政には興味無い。自分の地元の柏市に貢献したいのだ」と。その時は欲の無い人だなくらいの認識しか出来なかったが、今にして思えば、彼の“ソーシャルミッション”の純度の高さ、信念の強さが分かる。
 

知り合う前から既に政治の勉強会とかにも行かれていたそうで、実は社会人になられた時には既に人生ビジョンが固まっていたのかもしれない。多くを語らない方なので、詳細は知るところでは無いが、コンサルタントや経営者としての仕事も全ては市長として地元に貢献するための意思された経験だったような気がする。政治家にも色々なタイプの方がおられるのだろうが、彼には高い論理能力と経験、人の情理も分かる人格、そして秘められた熱いハートがある。なかなかここまでバランスの取れた人はいない。差別化の武器は論理的考察力だと思うが、それを3期も続けて実現に移し続けることは、生半可なミッションでは出来ないと思う。
 

見栄や虚栄が無く、ずっと謙虚な人だった。知らないことは知らない、出来ないことは出来ないと正直に言う等身大。公職とはいえ普通もっと我が物顔になってくるのが常と思われるが、そんな素振りは微塵もない。久々にお会いしたのだが、昔のままの秋山さんだった。政治のセクターにおられるが、社会起業家のスピリットも持ち合わせた稀有な「人物」だと思った。

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