とある休日のお昼 ~お雑煮~
「明日は一歩も外を出ずにお雑煮をつくってひたすらゲームするぞ」
ふっと沸いたその夢をかなえるため。お風呂でたてのぽかぽか状態のまま車に乗り込んで具材を買った。こういう小さな夢はどんどんかなえるに限るもんだ。
我が家のお雑煮はシンプルだ。
使う食材は大根と人参、あとはお餅だけ。
お餅は実家に帰ったときおばあちゃんが大量にくれたのを冷凍したのでそれを使う。大根と人参は細切りに。でもあんまりにも細くすると掴むのが大変なので中切りくらい。
1月にお雑煮を食べるという行為は日本でよくある姿なのに、うちと同じお雑煮を食べている家はきっとほかにない。祖母と母は仲が悪いが作るお雑煮の味は一緒だった。
お雑煮とは何とも不思議なものだ。統率をとらせるようでとらせない。隠れた個性の塊である。
それでもって、正月は必ずニュースになる。餅を詰まらせて〇人が病院へ搬送。もし私がそれで人生を終えるとしても、悔いがないように生きていたいな。
そんなことを考えながら鍋に油をたらして大根と人参をいためる。お湯を沸かして具材を入れてもいいんだけど、炒めてから水を入れて作ったほうがコクがあって美味しい気がする。
水をジャバっといれてぐつぐつ煮込む。本当は水じゃなくて出汁を入れたい気持ちだけど、出汁なんか取らない。だって今日は休日だ。かつおだしの粉をペペっと言われて終わり。電子レンジには水を張った器に餅を入れて2分あたためる。柔らかくなーれ。
チンっという音が鳴ったら柔らかくなった餅を鍋にいれ、しょうゆとみりんで味付けをする。目安は色。いつものお雑煮の色になるまで醤油を入れてぐつぐつする。餅が溶けかけるくらい柔らかい方が好きなのでぐつぐつと。
はい、完成。
よし食べよう!と思ったけどふともらい物のネギが目に入る。そういえばアーサもあるし柚子皮も冷凍してあるし入れちゃえ。
なんか豪華になったね、君。
さぁハフハフしながら食べてゲームに戻ろう。
今日は実にいい休日だ。
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