見出し画像

Procol Harum

Procol Harum - Procol Harum (1967)

画像1

 アルバム「Procol Harum」は1968年初頭にリーガル・ゾノフォンからリリース。その時のオリジナル盤ではシングルヒットした「青い影」は入っていなかった。「青い影」は1967年暮れにデラムからリリースされたシングルなので契約上不可だったらしい。おかげであまり売れなかったアルバムとなった。その後のアメリカ盤リリース時には「青い影」が収録されたし、今では日本盤も英国盤も収録されている。どこかのオリジナル盤コレクターに言わせれば今の流通の収録曲がおかしい事になる。ジャケットも同じくオリジナルのリーガル・ゾノフォン盤ではバンドのロゴも絵柄の一部のデザインだが、多くの再発CDは黒枠内に活字でバンド名が書かれ「A Whiter Shade of Pale」と題されている。プロコル・ハルムと言えば「青い影」だからこれはこれで分かる話。

 そこで、オリジナルの英国盤を聴いているつもりでこのアルバムを聴くと、1968年の作品ながら、煌びやかでファンタジックな世界が広がります。ボウイのファーストアルバムもキラキラしていたけど、こプロコル・ハルムのファーストアルバムはまた違った形で宝箱みたいな感じ。オルガンがメインに据えられているから違いはあるけど、そのオルガンの音がおもちゃ箱の印象を与えると思う。きちんと聴くとバンドの印象は異なるし、以降のアルバムでも一貫してこの煌びやかさは持っている。英国のオルガンバンドとして聴くと面白くなり、ゲイリー・ブルッカーの抜けきらない声質とキース・リードの世界が多分に占めているけど、この後すぐにレッド・ツェッペリン結成の際にドラマーとして白羽の矢が立ったB.J.ウィルソンに注目。この手のバンドにしては重いドラムを叩くので、ジミー・ペイジのお眼鏡に適ったか。

 この後に「青い影」を聴くと異質に感じる。やはりこの曲が変わってて、バンド本来の音はアルバム収録されている数々の楽曲が語っている。でもバンドのイメージは「青い影」の曲調。最初が肝心と言うものの、ここまで印象が異なるのも珍しい。

ここから先は

8,758字 / 11画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪