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「あなたの記事を曲にします」11曲目cofumiさん


「記事から曲」11曲目はcofumiさん。『手毬』という作品で応募してくださいました!

この記事は、先にcofumiさんの記事を読んだうえで目を通していただけると、より内容が伝わりやすいです。


詩を読んで曲を作るにあたって最も意識したのは「リズム・悲しさ・和風」ということでした。特にリズムについては、手毬というアイテムの存在感と相まって詩の中でとても重要な要素だと思ったので絶対に曲でもフィーチャーしたいと考えていました。

それと対立したのが「悲しさ・和風」の部分ですね。和風で悲しいというと瞬間的にヨナぬき音階(※後述)をイメージしましたけれど、それだと表現としてオーヴァーになるように思ったんですね。しかもリズミカルにするとコミカルな雰囲気になってイマイチ、シリアスさが半減する感じがしてうまくいきませんでした。


そこで思いついたのがパート分けです。リズムとヨナぬきを別パートとして独立させて、詩の物語は本編で別に描こうと。これがうまくはまった感じがしますね。七五調のリズムは鈴で鳴らしてその上に三味線でヨナぬき音階を重ねた感じ。ここのパートをサンプリングして本編でも何度か登場させることで、全体の雰囲気を統一しつつ和洋折衷的な仕上がりを狙いました



また、これは個人的な感想ですが、『手毬』という詩でポイントになるのは最後の2ブロックだと思っています。

手毬ヲ テンテン トン手毬
赤い紅(べに)と 香水で
私の人生 誤魔化して

「私の人生 誤魔化して」というフレーズがあることによって、本心では悲しみや苦しみ、寂しさなどを抱えてはいるのだけど、あくまでも強がろうとしている気持ちが伝わってくるように思いました。


手毬ヲ テンテン トン手毬
私の 手毬ヲ ウケトッテ 
ウケトッテ…

最終ブロックも、私の手毬(=メッセージ、想い)を「受け取って」ほしい、というのが本心だと思うのですがカタカナ表記になっているので、実はそういう弱い部分を見せたくない気持ちのほうが勝っているのではないか、その強がる気持ちをもってしてもつい漏れ出てしまう悲しみや寂しさが「ウケトッテ」というフレーズなのではないか、そんな風に思いました。


そのため、曲の前半部分ではメジャー調を基軸に展開して、気丈に明るくふるまっている様子。後半ではふとした時に漏れ出てしまう本心や悲しみを表現しています。そこに序盤の鈴や三味線の音をサンプリングで重ねることによって、レスポールは歪んでいるけれどこの曲はあくまでも和の世界観の中にいる、という印象を思い出していただけるように工夫しました。



完成した曲は「ウケトッテ」



解説の中でも書いたように、曲を作る際に「ウケトッテ」という表記を大事にしたので、ここは敬意を表してタイトルに引用させていただきました。


寂しく切ない余韻の残る詩だと思うのですが、僕の書いた曲もそこに少しでも寄り添うことができていたら嬉しく思います。


cofumiさん。素敵な作品とコラボさせていただきありがとうございました!




言葉のパワーを大事にして詩をたくさん投稿されているcofumiさん。

僕は曲を作るために意識的に他の詩を読んでいなかったので、これから少しずつ読ませてもらおうと思っています。


まだの方はフォローして一緒に読みに行きましょう!

cofumiさんのプロフィールはこちらです。



ジュンペイ

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追記1 制作過程の配信

前回の制作から始めた、制作過程の生配信。
今回はネタ出しからミックスまで全工程を配信しました。いつも特に予告もせず突発的に始めているのに、見に(聴きに)来てくださる方、ありがとうございます。

「記事から曲」企画では、音楽を通して新たな交流のきっかけやコミュニケーションの接点が増えたら素敵と思っています。制作の配信はその一環として行っていて、何にこだわってどういうことを考えながら曲を作ったか、みたいなことが少しでも伝わればと思っています。たまたま通りがかった方がコラボ記事にジャンプしてくれたりとか、そういうつながりができたら最高と思っているので今後ともよろしくお願いいたします!



追記2 ヨナぬき音階

音階の4番目と7番目を抜くと日本民謡ぽくなります。

例えば「ドレミファソラシ」の左から数えて4番目のファ、7番目のシを抜くいた「ドレミソラ」がそうです。

悲しい民謡にしたいときは短調にする必要がありますが

「ドレミ♭ファソラ♭シ♭」の同じく4番目と7番目、ファとシ♭を抜くと、大正時代に行けます。

これを使って遊んでみると面白いので興味のある方はどうぞ。

※ギタリスト向け→ちなみにこれらも広義ではペンタトニックスケールの一種です。びっくり!

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