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瓦屋根という文化

先月の話になりますが、古民家ゲストハウス汐見の家の新規プロジェクトで島内の古民家を再生している最中、職人さんが瓦屋根を交換したり、内装を整えている現場に同席させていただいてました。

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ある意味で歴史的瞬間(?)に立ち会っているのでは!?

北海道では瓦屋根に馴染みがなく大変珍しい。「瓦屋根=古くて立派なお寺でたまに使われているモノ」程度の認識。
旅行等で道外に出て、飛行機から降り、電車の車窓から瓦屋根の建造物を見かけるたびに「日本に来た!!!」と感動していたわたし。

最近でこそ瓦屋根のある風景に慣れてきて、いちいち感動することもなくなってきましたが、改修工事のリアルな光景は人生初。優しい職人さんが話しかけてくれたこともあって少し雑談させていただきました。

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職人さんが指差した先に「佐島」という文字。つまり一昔前までは、ここ佐島にて「佐島瓦」が生産されていたが、今は廃業され、今治や淡路の瓦が主流となっているようです。

因みに淡路はとても質の良い瓦(銀古美瓦)の生産地だとか。そういえば淡路土産で砕いた瓦の箸置きをいただいたことがあることを思い出しました。あれが銀古美瓦だったのだろうか…?

職人さんから「後継者不足の中で、できる限り長く使い続けてもらいたいから、今できることを行なっています」という「文化を守りたい」「地域を大切にしていきたい」という熱い熱い思いをお聞きして、是非たくさんの人に知ってもらいたいと思ったのですが、メモを取らずに聞いていたので、今回はこれ以上のご紹介を差し控えさせていただきます。語弊があっても嫌だしね。


最後に。
「瓦屋根の改修」という出来事に「サスティナブル」という考え方における大切な要素がたくさん含まれているように感じられました。

瓦屋根は部品が細かく分離しているため、痛んだ箇所をこまめに補修することで、長く使い続けられそうに思います。製法が環境に優しい。そして、瓦屋根の技術も日々進化しているそうで、質の良い瓦がたくさん生産されるようになったとのこと。

しかし、どんなに優れた技術であっても、後継者がいなければ廃れてしまいます。伝統技術の後継者不足が何よりものアンサスティナブルかもしれないですね。

これから生み出されるであろう前人未到のテクノロジーは楽しみではありますが、今あるものを大切に育み続けていくだけでじゅうぶん暮らせていけますし、それこそが「サスティナブルな暮らし」なのではないかと思うのでした。

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