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ブランディングは、デザインが9割?

会社経営で「やっぱ、ブランディングは大事だなぁ」「ブランディングできてるよね」って言うときに、会社の印象やイメージ、見え方、整い方について言ってることが多いです。
僕のnoteでは、ブランディングで、外から見える部分(視覚的、体験的に)は、ブランディングの一部であるとはいつも言っていますが、現実的には、やっぱり「ブランディングは見た目が9割←デザインが9割?」なんて言いたくなります(笑)
実際に、見た目だけでは無いけど、やはりお客さんがどう感じるか、外から見える、外に向けてどう発せられているかという印象は、多くの人にとってブランディングの主要なイメージであり、受けとる結果という意味ではやはり、とても大事なことであることは間違いありません。
ブランディングにおいて、デザインをどう扱ったらいいか、ブランディングとデザインの関係について見てみたいと思います。



元々デザイナー出身だから見えること

僕は、いまは会社や商品のブランディングのプロデュースやコンサルティングが僕の志事の中心ですが、マーケティングも同様に、そして、会社としては、Webサイトやプロモーションツールの制作を行っています。
僕は、元々は若い頃、シャープで工業製品のデザインをしていた経験があり、工業デザイナーですね。この時に、僕にとっては大学のような体験だったけど、デザインの実践的な基礎や大切なことを先輩方々や現場の体験からたくさん教わりました。まあ、もう遙か昔の話ですが、、、
その後は、自分で活動し始めて会社になっていく過程で、グラフィックデザインへ移行し、1998年頃からWebサイトのデザインをやり始めたんだと思います。
このあたりのことは、またnoteに書けたらと思いますが、つまり、うちの会社はデザイン会社から広告の仕事をやるようになって、お客さんにマーケティングが必要になって、その後、ブランディングへと拡がって行ったので、会社としては、やはりデザインが核になるんですね。僕自身、デザイナーが軸になっています。
綿菓子(綿飴)を作る機械に、棒←割り箸をツッコむと、フワフワとどんどん綿菓子ができてくるように。。。その割り箸がデザインという感じです。

そういう意味で、デザインについてはよく理解している自負がありますし、デザインとブランディングの関係もよく見えるわけです。そして、マーケティングにおいても、デザインがどのように作用するのか、その大切さもわかっています。


ブランドイメージの方向性をマトリックスで分析する

ブランディングにとって、その表現としてのデザインは、大きな影響があると言うことなのですが、このデザインというものは、数学や物理法則のように、計算する人が異なっても、同じ結果が出る科学ではないと言うことです。
デザインの善し悪し、美しさ、バランス、表現やタッチについての評価は、人によってかなり幅があったり、曖昧で、同じコンセプト、お題でデザインしても、デザインディレクターやデザイナーの感性や価値観、経験、持っている情報によって全く異なる表現が生まれるし、また、それを評価する人、ここではクライアントとなるお客さんが、それをどのように感じ、受けとって、評価するかによっても大きく異なるのです。

では、デザインは、人それぞれだからまったく当てにならないというか、どうにも扱えないものなのかというともちろんそういうことはなく、例えば、どのような方向性で行くのか?どんな雰囲気なのか?どんな世界観なのか?タッチはどうか、精緻な感じか雑な感じか、和風か洋風か、デジタルか、アナログか、エスニックか、パワフルか、優しい感じか。。。このようにデザインのカテゴリー、ジャンル分けや形容詞的な分類、世代や価値観などによっても分けることができ、デザインの方向性をカテゴリーマッピングすることができます。
ブランドデザインにおいても、会社や商品にもっとも表現やポジショニングがイメージしやすいマトリックスを作って、そこに競合や同業他社をマッピングして、どのような位置にあって、今後どっちの方向に表現していくのかなど、分析することはよく行います。
そのマッピングの中に、実際にネット上で、そのカテゴリーの様々なデザインを探して、貼り付けて、イメージマップを作ることもあります。

ブランドイメージの方向性

これは説明用に、仮に作ったもので、ちょっと雑ですが(笑)、本業ではしっかりやってますが、クライアントのものなので公開できません。また、ゆっくり作って、入れ替えようかな・・・
このマトリックスをどう定義づけて分析するかは、ブランディングする会社の業種・業域やターゲット、競合環境などによって変わります。ここでは、ハイブランドと庶民的、ナチュラルと機能的という言葉でマトリックスにしていますが、それぞれのブランドのポジショニングで、それぞれのブランドがどのように表現しているのか?ブランドイメージを作っているのかが参考になります。自社のブランド戦略のポジショニングが重なるところがあれば、そこにヒントがあるはずです。

このようにイメージマップがあれば、デザイナーさんが実際にデザインする時の参考にもなるし、表現したいイメージ世界観ビジュアルで共有できる。社内でブランドや経営コンセプトの世界観を理解するのにも役立ちます。

今後、AI全盛の時代がやってくるでしょう。その時、AIは分析、計算的には、これと同じ事を行うわけです。ディープラーニングこそがAIなので、デザインの本質とはここにあります。
見たことがないデザインは、デザインすることができないし、クライアントも評価する人も、見たことがないものは評価、判断できない」と言うことです。


どこまでこだわり、どこまで費用をかけるのか?

ブランディングにおいて、デザインは、経営合理性という言葉があるとしたら、どこまでの精度や品質を求めるのかは、どこまでお金をかけられるかとイコールです。
とてもセンスが良くて、品質の高いデザイン、また価値あるデザインを求めるなら、著名なデザイナーにお願いするのがいいでしょう。ただ、費用はそれなりに高額です。
著名なデザイナーはデザインそのものの素晴らしさもあるでしょうが、ネーム代が加わります。例えば、佐藤可士和さんがデザインしたと言うだけで、ブランドになるので、販促効果も期待でき、その価値があります。その分の費用も上乗せされます。

また、そこそこのデザイナーさんにお願いして、どのクォリティで落とし所を付けるのかというのがあって、ディレクターのこだわり、クライアントのこだわりがあった場合、それが、会社や商品のコンセプトやポジショニングとして、マーケティングやブランディングにどこまで影響があるか、どれだけ費用をかけられるかで判断が必要になります。
ディレクターやクライアントのこだわりはいいのですが、それを、クライアントのビジネスのお客さんがどこまで理解するかです。
何のためのデザインかと言うときに、経営戦略やマーケティング的な結果を狙って、ブランディング的にどういう成果を得たいかという意味では、その成果、結果が得られたら、それ以上の品質や機能は不要と言うことになります。そこが、制作費用のひとつの線引きと言うことになるかと思います。


ブランディング開発は、予算と品質をどうバランスを取るか

デザインの現場は、デザイナーさんの工数と言うことになるので、デザイナーさんの品質がどのレベルかに寄りますが、一定の品質をクリアしているデザイナーさんを扱う場合は、工数に従って、金額が決まるので、デイレクターやクライアントが納得できるまで、永遠に同一料金で、デザイナーを拘束することはできません。
こうしたことも含めて、ブランディングにおけるデザイン開発は、予算と品質をどうバランスを取るか、どう合意していくかは難しいところなのです。

例えば、チラシのデザインパンフレットのデザインやクォリティは異なります。会社のWebサイトLP(ランディングページ)もデザインのテイストや品質を変える場合があります。
それは、チラシとパンフレットは、使い方や機能が異なるからです。
ユニクロはWebサイトや広告では、アーティスティックで、高品質なイメージを表現していますが、新聞に折り込まれるチラシは、ダサ目でインパクトがあって、お得感やキャンペーンの訴求来店促進を目的としています。


ターゲット=顧客セグメントに合わせたデザインが大切

別の記事でも書いたのですが、串カツ田中のデザインは、敢えて庶民的で、決してお高い印象は受けないイメージです。新橋あたりで一般の会社員さんがターゲットの居酒屋さんは、庶民的なブランド戦略です。
ターゲット=顧客セグメントに合わせたデザインが必要なので、富裕層向けには富裕層向けのしつらえが必要だし、そのターゲットに合わせた表現をどう整えるかがデザイン表現のあたり前なポイントではあります。

ブランディングで何よりも重要なのが、経営コンセプトだったり、商品なら商品コンセプトでしょう。中でも、お客さんは誰なのか?そのお客さんに合わせたブランド表現が必要なのは、言うまでもありません。
自社がどういう才能、能力、リソースを持っているのか?それをどのように表現したいのか?それを誰に届けたいのか?どんなお客さんとどんな世界を創りたいのか?そこでちゃんと表現がターゲットにマッチしているのか?
それをしっかり見ていってくださいね。

誰とどんな世界を創りたいのか?も読んでみてください。


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