なぜ日本では賃金が上がらないのか

「儲かっていても賃金を上げないのはけしからん」と、政治は民間企業に圧力をかけています。 このやり方は資本主義の原理に反する(むしろ社会主義的)、「賃金があがらない最大の原因は派遣法」だと私は思います。

1986年に労働者派遣法が制定された時は、臨時的・一時的な雇用が目的とされ、対象業務は厳しく限定されていました。 その後1999年に対象業務の原則自由化、2003年の上限期間の延長(1⇒3年)のように緩和されました。
目的は「働き手のための雇用形態の多様化」とか言ってましたが、日本企業がバブル崩壊で苦しむ時期、終身雇用の正規雇用の仕事を派遣などの非正規雇用に置き換えてコストを削減、これが真の目的だったのではないかと思います。

「就職氷河期」に就職した世代には、就活に失敗し派遣を選択せざるを得なかった人が多数いて、その世代が今40代になり大変な思いをしています。 心を病んでしまうケースも多々あります。

小田急線・京王線・大阪北新地での放火、ふじみ野市の猟銃事件といった
「拡大自殺(未遂を含む)」事件を起こした犯人達もこういう時代背景を
背負っていたのではないでしょうか?
社会全体として対応しないと、同様の事件が続くことが危惧されます。
(我家の近所にも皆が心配している人がおられます)

派遣法では、企業が派遣元の会社から「労働力」という商品を購入するので、一時間当りの単価に基づき計算される派遣料は、物件費(人件費でなく)として処理されます。 派遣労働者が「人」でなく「モノ」であることが「派遣切り」に繋がっているのではないでしょうか。(企業が株主等に「人件費を削減した」と言うための「アリバイ作り」になっている可能性もあります)

また、物価が上がらない(値上げできない)のも、非正規雇用の増加
⇒平均所得の低下⇒購買力の低下=需要の減少⇒企業のコスト削減策として非正規雇用の増加 という悪循環による・・・これにも派遣法が大きな役割を果たしていると思います。

岸田首相が「新しい資本主義」の中で、「賃金の上昇」が主要課題に位置付けるのであれば、その根源となっている派遣法の抜本改正が必要だと私は
思います。


この記事には、私の地元の枝野幸男さんの意見募集に応じる目的から、
#えだのんTALK  のハッシュタグをつけています。

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