白紙にしてから3日間で作り上げたタブロイド|編集長 新野さんにインタビューしてみた 後編
こんにちは!
今回のnoteは、「ロバート下北沢 タブロイド 『ROBERT』 創刊記念 編集長の新野さんにインタビューしてみた」の後編です。
前回の内容を読んでいない方は「ロバート下北沢 タブロイド 『ROBERT』 創刊記念編集長の新野さんにインタビューしてみた」前編をご覧ください。
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後編ではロバート下北沢タブロイド『ROBERT』の編集長を務めた新野 瑞貴(にいの・みずき)さんに、今だから話せるタブロイド制作の裏話から、次号のテーマの話をお伺いしてます!
今だから話せるタブロイド『ROBERT』の制作の裏側
ー1度デザインのラフ案をBOSS(原さん)に見せて、デザインを白紙からやり直すことになりましたよね。
新野さん:そうですね。今となっては、1度デザインが白紙になったというのは、「 bounce back(バウンスバック)」という言葉があてはまると思います。ボールが地面に強く叩かれた時、その強さと同じだけ高く飛ぶ感覚に近いです。白紙にされたのが地面に強く叩かれた時でしたね。それまでは、制作過程で私と AD の奥谷さんが言葉での対話しかしてなかったんです。白紙になってからは、タブロイドという誌面にどう落とし込んでいくかではなく、ロバート下北沢をどういう場所にしたいのかに焦点をあてました。
初心に立ち返りながら、音楽や本や写真をシェアしあって、「こんな感じ」という共通感覚をふたりで増やしていきました。奥谷さんも「ロバート下北沢の熱量に近い気がする!」と『Staffrider』を参考資料として持ってきてくれたり、私も『CUTS』という1980年代の伝説の美容室を見つけたり。
「こんな感じ」という「生」の感覚を大事にしました。言葉でまとめたり、アウトプットをすると、どうしても取捨選択など、情報に加工がされてしまうので。そこからは意思疎通が早かった気がします。共通感覚がすでにあるので、2号目を作っている今も、奥谷さんとは概念的な認識が一番一緒ですね。
ー その後の再デザインは3日間という短い期間で完成したのがこのデザインを完成させたと伺いました。その時の心境を教えてください。
新野さん:そうですね。「生」の感覚を溜め込んだ状態での3日間の集中期間は、化学反応が起きました。冷静になって振り返っても、3日間の記憶はほぼないんです。11月の3連休で一気に作ったんですけど、その3日間のことは断片的にはおぼえているだけで、夢を見ているような状態に近いような気がします。
ー その期間にライブに行ってたんでしたっけ?
新野さん:そうそう。Awichのライブに行って、車で静岡まで遠出して、在来線で東京まで帰ってきて、そのままロバートでダンボール敷いて寝て、デザインの続きをして…という生活でしたね。「なんでこの時期にこんなにあそびを詰めたの?」って自分でも思いながらも、今しかない!!という変なエネルギーが満ち溢れていて、「bounce back」でいう、跳ね上がる直前の、ギューッて圧縮されている感じでした。
その3日間でこのタブロイドのまえがききを書き終えたら、後ろでデザインをしていた奥谷さんに「新野さんの背中が燃えてた」って言われて。私も、こんなに文章に魂込めたことないってくらい集中していて、それを隣で感じ取ってくれる人がいて嬉しかったし、紙を切り貼りしたのも、奥谷さんの思い切りの良さのおかげだったり。同じ場所にいながら違うことをすすめていたけれど、セッションしている感覚でした。二度と同じスケジュールは組めないですね(笑)。
ー私も3日間の休み明けに新野さんの話を聞いてて、意味がわからなかったです。どんだけ予定を詰めているんですか?!という感じでした。
新野さん:これも「あそびながら働く、働きながらあそぶ」かもですね。
ーZINE FESにも参加すると伺いましたが、出展の詳細を教えてください。
新野さん:11/2(土)吉祥寺のPARCOの屋上で行われるジンフェスに参加予定です。今回のROBERT 特集「わざわざ」はもちろん、ステッカーや缶バッチなどのグッズ、第2号目となるタブロイドもこれに合わせて完成予定なのでぜひお立ち寄りください!
ー次号のテーマを伺っても良いでしょうか?
新野さん:「BODY LOUD!(ボディーラウド)」を特集にする予定です。
先ほどの「生」の感覚と近いのですが、実体に関して取り上げようと思って。今、情報過多すぎて、いろいろなものの記号化が進んでいる。マイナンバーはその究極ですよね。効率も必要ですし、記号を批判しているわけではないのですが、番号で管理されて、その際に人相だとか雰囲気だとか、流動的なものは「ノイズ」として排除される。
クリエイターたちは、記述ができない実体や熱量の大事さをわかりながらも、それを組み取って、アウトプットの時には何らかのカタチにしていて。矛盾に向き合いながらも、実体を捉えるために、日頃から新たな世界に踏み込んで体で感じたり、条件反射で何かを創り出していると思うんです。
制作チームと、いろいろな角度から「ノイズ」や「実体」について話していた時に、奥谷さんがRyan Mcginley(ライアン・マッギンレー)という写真家の「BODY LOUD!」という作品集をシェアしてくれて。それを見た時に「これだ!」となりましたね。「実体を体を通して表現する、BODY LOUD! している人たちを特集していきます。
さいごに
今回はロバート下北沢 タブロイド『 ROBERT』の創刊を記念して、編集長を務めた新野さんに、企画や編集についてのお話を伺いました。
また、7/26(金)に「レセプションパーティー」7/27(土)に「タブロイド創刊記念パーティー」が開催されました。ここで当日のイベントの様子をチラ見せしたいと思います。
当日はたくさんの方に参加していただき、盛り上げて頂いたおかげで、ロバート下北沢にさまざまなエネルギーが集まった日になりました。みなさま、タブロイド創刊をお祝いいただきありがとうございました!タブロイドから溢れる「情熱」が空間にも、雰囲気にも落とし込めた最高のイベントだったので、詳しい内容はイベントレポートとして配信したいと思っております。乞うご期待ください!
タブロイド「ROBERT」はロバート下北沢にはもちろん、ロバート下北沢とゆかりのある下北沢のお店「Blue Monday」さん「いーはとーぼー」さんにも置かせていただいております!また中目黒にある「ONLY FREE PAPER TOKYO」さんにも置かせていただいていますので、ぜひお立ち寄りください。第2号目となる「BODY LOUD!」は11月のZINE FESに出展予定!お楽しみに!
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