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絵の具の代わりに、音で色を塗る

前回の投稿から少し間が開いてしまった。その間にもいろんなことをやっていて、いろいろ書きたいこともあった。たとえば先日やったフォトコンテストの審査員の話とか。だが、ここで書くより先に審査評を書かねばならず、そっちを優先している。機会を見つけて書こうと思う。

8/20に南青山マンダラでやるライヴの準備もしている。タイトルが「Paint the Air with Sounds」つまり「音で空氣に色を塗る」。

思えば、今年ほど「色塗り」をたくさんやっている年もない。

正月早々、2人展「Quotations」に出す絵画の色塗りをせっせとやった。

今月は水彩画展「Finding a Planet」を行った。

正直に告白すると、色彩感覚にはコンプレックスがある。担当する写真講座などで接する女性たちのほうが、私よりもはるかに色彩に敏感だからだ。女性にとって色は、生命と密接に関係がある。

そんな私だが、色彩で遊ぶのは好きだ。

だから写真も大半をカラーで撮っている。しかし周囲からは、白黒の印象が強いと言われることが多い。

白黒フィルムで撮っていても、印画紙の色やトーンを工夫するのが好きだ。リスプリントなんかをやってるのはそのためでもある。

水彩画は、透明度にけっこうこだわっていて、色を濁らせない工夫を人一倍して描く。先日の個展では多くの方に青が好きだと言われた。青はたぶん私の基本の色。

個展に来てくれた画家の友人は「ずっと白黒の人かと思ってたけど、色の人なんだというのがよく分かった」と言ってくれた。これまでそんなこと言われたことはなかった。

音楽でも、ここのところずっと「色塗り」をやっている。

故・冨田勲さん云く、シンセサイザーは音のパレット。混ぜ合わせて自分の色をつくるのだ。

色にも存在感というものがあるように、どうやったら存在感のある音を出せるか、寝ても覚めても考え、楽器をいじりながら「絵の具」をこね合わせる毎日だ。

青が基本の色と書いたが、私の音楽でそれに当たるのは、もしかするとストリングスのサウンドなのかもとこれを書きながら思った。

この曲たちなどはまさにそれで、ベースにあるゆったりとしたストリングスのサウンドは、かつてつくった弦楽オーケストラの曲のリメイク。

南青山マンダラには、グランドピアノといい音響があるから、また違う色をつくることができる。それをその場の空氣に次々に塗っていくのは、ライヴペインティング感覚だ。このワクワクがどれだけ伝えられているかわからないが、伝わってほしい。

Photo by Yoshinori Kikuchi

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