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17.スタジアム建設地妄想("菊陽新駅"編)


1.はじめに

 これまで、最近のスタジアム建設事情において、交通アクセス普段使い(365日稼働)という点が、キーワードになっている。といった話をしてきました。

 その交通アクセスに関して、先日のホーム長崎戦では、駐車場の不足や混雑を問題として、再認識したサポーターも多かった様ですね。

 第7回では、その交通アクセスや365日稼働を踏まえ、ロアッソの新スタジアムの候補地をいくつか挙げてみました。街なか等、それらの候補地の中で、『空港周辺の可能性』について話をしました。

 ただし、今後アクセス鉄道が新設されて、空港周辺のアクセスが改良されるとしても、「より郊外に移ってしてしまう」という難点もあるかなと思います。

 また、半導体企業進出などの影響もあり、熊本では各地で様々な動きが出てきています。

 その中の一つに
「菊陽町の新駅構想(杉並木公園周辺)」があります。

 「駅と新スタジアム」というのも、昨今の流れであるという事で

その新駅をロアッソ熊本の、新スタジアムの候補地として検討してみました。最後まで読んで頂けると嬉しいです。

※あくまで素人考えの一例です。諸事情の認識不足はご容赦ください…💦

2.メリット編

①駅近

 JRでアクセスが可能となれば、学生年代のサポーターや、アウェイサポーター等もスタジアムへ脚を運び易くなります。また、試合後の混雑の緩和にも繋がるかと思います。駅との一体的な建設となれば、よりスタジアムやロアッソが身近な存在となりますね。

 また線路沿いであり、近くに民家はそれ程なく、騒音についてもある程度許容されるとも思います。
 更に、JR九州の協力も得られるかもしれません。観戦チケットの提示で、片道分割引みたいなのが出来たら最高ですね。もしくは、駅利用者への特典等の仕掛けも面白いかもしれません。

『次は、"スタジアム公園駅"〜』

…良いなw

新駅-水前寺駅間 およそ15分
新駅ー熊本駅間 およそ25分
といったところでしょうか。

どこの駅周辺も、好立地ゆえ用地取得は難しいと言えますが、新駅であればそのハードルも少し下がるかと思います。

②広大な土地

 車社会と言われる熊本の場合は、たとえ駅近であっても、大型駐車場の設置は必要になると思います。例えば、サガン鳥栖の駅前不動産スタジアムでも、駅から300m程と好立地に思えます。
ですが、周辺の駐車場はスタジアム観戦者の車両で一杯になり駐車場難民も多い様です(合計1000台程度。)公共交通機関の利便性が高くない地方では、やはり自家用車で通う人も多く、熊本でも駐車場の整備が必要ではと思います。

その点でも、菊陽町の新駅周辺は、土地の確保も可能ではないでしょうか。鳥栖や福岡の様に、試合後の混雑を避ける為に、あえて分散して駐車場の土地を取得する事も出来るかもしれません。

赤枠はスタジアム公園、黄枠は大型駐車場

 また、もしその杉並木公園を直接候補地と定める事が可能であれば、私有地を取得するよりも、用地取得は比較的スムーズにいくかと思います。

 更に、向かいの北側の運動場を駐車場と出来れば、1,000台程度は確保出来ると思います。現在使用している運動公園のスタジアム(駐車場まで約1km約15分)とは異なり、それ程歩かずに済む為、子供連れや年配の方にも優しい動線になるかと思います。ただ、駐車場の位置は下がった土地であり、スタジアムまでに道路を挟むので、地下道(階段+エレベーター)等は必要かも知れません。

 北九州や広島、長崎の新スタジアムのような、街中心部の立地には憧れますが、これ程の広大な土地を取得する事は、熊本市の街中においては、容易ではありません。(例えば白川公園はここの10分の1程度)
 また中心地であろうと、混雑・渋滞となれば、それはそれで脚を運びにくくなることになります。

③回遊性

 現在、使用している運動公園と異なり、徒歩圏内にも様々な商業施設があります。前述していますが、運動公園の駐車場ースタジアム間の約1kmの距離を歩くけば。デサキ等へ脚を延ばせますし、もう少し頑張ればカリーノやドンキホーテまでも行けるかもしれません。
 あと寒い日の観戦後には、さんさんの湯に浸かって帰るのも良いかもしれませんね。光の森までも近いので、行き来はしやすいと思います。ただ個人的には、飲酒して帰れるような飲食店が、近くにもっと出来ると尚良いなと思います。

④周辺道路

 候補地としては、既存構造物の無い田畑などがまず頭に浮かびますが、そこへのアクセスが農道であれば、大がかりな道路整備も必要になりますし、農家の方々にとっては、不満の種となってしまう事にもなりかねません。
 その点今回の候補地は、ある程度道路アクセスも良いのではと思います。線路沿いですが、踏み切りを経ない高架橋道路にも面しています。ただし、右折レーンを設けるなどの改良は必要になるとは思います。

 またこの菊陽町では、半導体企業の進出もあり、通勤時間帯の混雑軽減の為に、いくつかの道路整備計画の話がでているようです。スタジアムへ通う際にも、活用できるものになるかもしれません。中九州横断道路の熊本北JCT〜合志・大津間が事業化されています。この場所はICからも比較的近い立地となるかもしれません。将来的には、大分サポーターが数千人と押し寄せてきたり…

⑤クラブハウス(運動公園)と近い

 ホームであっても、クラブハウスから遠ければ、選手の負担となってしまいます。渋滞などに巻き込まれれば、スケジュールへ影響が出てくる可能性もありますね。試合運営などにおいても、デメリットになるかもしれません。クラブハウスのある運動公園と、隣町に位置する今回の候補地であれば、短時間の移動で済みます。
 また、もしスタジアムの移転で、大幅に場所が移る事になれば、距離的な問題で不満に思うサポーターも出てくると思います。

車で10分程度

⑥同時建設・整備

 この菊陽町の新駅は、まだ構想段階であり建設されるかどうかも決まってはおりません。駅新設に向けては、乗降者数平均1,000人というのはクリアすべきノルマとなる様です。スタジアムとセットで設置すれば、それも容易にクリアできるため、駅新設に向けては好材料となり、地域の理解も得られるのではないでしょうか。駅とスタジアムが同時に建設・整備されれば、より活用しやすいものになると思います。
 例えば、一般改札口とスタジアム改札口を分け、待機列なども配慮された形であれば、試合後の混雑などへの対策も可能かと思います。もし既存の駅の近くにスタジアムを持ってくれば、その駅の在り方は様変わりする為、新たな対策が必要になると思います。新駅の場合は、建設時からスタジアム利用を想定して整備する事が可能であり、様々な対策も盛り込んだ形も望めるのではないでしょうか。

⑦町の財政力

既に県内での財政力はトップの菊陽町。TSMCの開業に伴い固定資産税はかなり増収を見込んでいる様です。人口も増える事が予測され、町には大胆な政策も必要かと思います。町の西部(光の森)周辺は賑わう反面、渋滞も問題となっています。杉並木公園周辺にスタジアムを通した交流拠点とできれば、人流の分散化にも繋がるのではと思います。

おそらくスタジアム建設については、自治体で丸抱えとはいかず、民間の出資なども活用されていくとは思います。しかし、菊陽町にお金がないと言われれば、他所ではもっと難しいのではと思います。

また、この場所の近くには町の総合体育館が建設中であり、新アリーナの候補地として競合する事も無いかと思います。


3.デメリット編

①公共公園施設

 今回は、菊陽杉並木公園を軸に候補地としての話をしています。まず課題になるのは、ここが住民の憩いの場として活用されている"公共の公園施設"であるという事でしょうか。やはり住民に理解を得ていく必要がありますね。
 保育園などのテナントを入れたりコンコースを雨風凌げるウォーキング・ランニングコースとして開放するなど、地域住民に、普段使いできる様なスタジアムとなれば、理解も得られるかもしれません。
 また、イベント広場として活用できる場所を、新たに設置する事も検討が必要でしょうか。

②周辺施設の駐車場

 航空写真を見ても分かる通り、周辺には他の施設の駐車場が多くあります。例えば、光の森ゆめタウンのように、サポーターの駐車場使用が許可されれば良いのですが、通常は「お客さま以外お断り」となるはずです。無断でその駐車場に停めるようなサポーターが現れれば、店や利用客の苦情に繋がりますね。十分に駐車場を確保する必要がありますね。
 ただ、もしスタジアムができれば、周辺の商業施設の活性化に繋がるとは思います。

③帰りの混雑・駐車場

 この候補地に限った事ではありませんが、試合後には一斉に帰路に着く事で、混雑となる可能性があります。スムーズに駐車場から出れる様に、動線を十分に検討する必要がありますね。
 その他の対策としては、試合後も楽しめるイベントや、ラウンジ等があれば、帰るタイミングが分散されるのではと思います。あとは先にも述べた通りJRを利用を促す取り組みが重要ですね。更にいえば、スタジアムから駅までの動線も、列ができる事を想定した駅とされる事が望ましいですね。

また運動公園⇄スタジアムのパークアンドバスライドが実現できれば、既存の施設を活かす渋滞対策になり得ると思います。その輸送に適した距離感である事も強みかなと思います。

4.第二の案

菊陽町の道路整備計画。黄○は延伸案

菊陽町の道路整備計画の中に、この杉並公園周辺の開発も含まれています。

黄線は新道路、赤枠をスタジアムに

前述したとおり、さんさん公園は町民に親しまれる場でもあり、そこへ新スタジアムとなると反対的な意見もあるかと思います。私が考える第二の案では、上図のとおり新道路に隣接する形でのスタジアム建設もどうかと思います。もちろん、土地の買収を含め、農地転用も容易では無いとは思います。ただ、もし建設が可能となれば広いスペースが活用できると思います。例えば、その広いスペースを活用してフィールドスライド式のドームスタジアムなども建設可能となるかもしれません。この構造であれば、全天候型で空調も管理されるため、サッカー以外の活用も格段に上がる。維持費を捻出する為の稼げるスタジアムとする必要はありますが…。

また、新駅ができるとなれば、この場所も徒歩5分とかからないとも思います。

もしくは、前述したようにさんさん公園にスタジアムを建設した場合には、この場所を代わりとなる公園を設置する場とする事も良いかも知れません。

5.最後に

 多くの人が納得できるような候補地が、早期から打ち出せれば、動きは加速化していけるのではと思います。京都や広島、山形などでは、その候補地の選定に長い年月がかかってしまいました。

 今回は、あくまで一例として
「菊陽町の新駅周辺」を候補地として挙げました。

個人的に思うのは
□『スタジアムを満員に近づける様なアクセス』
□『その多くの観客を、"混雑"でなく"賑わい"に結びつける』


 以上の様な立地であれば、別に私がこれまで挙げた候補地で無くても構いません。

 様々なアクセスのバランスを考えると、他には益城ICや、三里木駅の北側の畑地帯、宇土駅周辺なども、個人的には検討の余地がありそうだなと思います。 1〜2万人という観客を生かすも殺すも立地次第ですね。

 あとは、やはり移転となれば、その地域への理解に繋げていかなければなりません。公設・民設に関わらず、ロアッソの為だけのスタジアムとなってはいけないと思います。

 スタジアムの特性を活かし、"スタジアムにしかできない地域貢献"をアピールしていく必要がありますね。また、可能な限り地域住民の快適性も損なわない事も重要ですね。

個人的には、街なかは理想的とはいえ、そこに固執すると実現に至らない可能性もあるかなと思います。熊本市の道路の更なる渋滞悪化や、有料駐車場の占領となれば、街の賑わい作りどころの話ではありません。迷惑に感じる人が増えれば、ロアッソ自体が煙たがれる存在となってしまう事もあると思います。また熊本市は、市役所建て替えも難渋している状況で、スタジアム建設にも乗り出してくれるかどうか…

そして、もし街なかであってもJRの駅から離れた場所であれば、集客効果は大きくはないのではと思います。「駅から20分かけてスタジアムへ歩く」より、「駅近スタジアムから電車で20分で街なかに行く」方が合理的ではと思います。

 熊本の地域性にあった候補地選びが重要になるかなと思います。

今回は長文となってしまいました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️

多くの方の目に留まり、「熊本に球技専用スタジアムを」の議論のきっかけとなれば嬉しいです。

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