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入社エントリ:リサーチャーがAI Labに戦略室を立ち上げる話

こんにちは、京都在住の岡本大和です。2024.4.1から株式会社サイバーエージェントのAI Labで勤務開始しました。前職のLINEやNAVERでは研究活動に従事しましたが、今回はリサーチャーポジションではありません。AI Lab内への戦略室の新規設立を拝命しました。

私のようなリサーチャーが自ら戦略室を担うのはユニークな取り組みです、これを強みとしていきたく、今回はその狙いと利点をご紹介します。

そもそも戦略室って何するの?

戦略室と冠する部門はどの企業でも見かけます。それと同じくらい「戦略室って何やってるのかよくわからん!」というコメントも見かけます。(私もそう思います←)

他人事なら笑い事ですが、これから戦略室を設立するというのにMissionが的外れて何をするのか曖昧だと即終わりです。よって、私の初仕事はこれらの言語化でした。仕事のお誘いを頂いたときの期待や、AI Labの中に戦略室を設置する意図も踏まえながら定義したMissionがこちらです。

Mission
【Why?】AIがもたらす価値を最大限に引き出す
【What?】AI labの研究成果による事業機会創出と社会実装を加速させる
【How?】AI labの研究成果の戦略的な権利化と利活用をする

一般的に戦略とは組織目標を達成するための行動計画を指します。ここではAI Lab全体に当てはまるよう「AIがもたらす価値の最大化」を大目標として、達成に向けて「権利化と利活用」を手段としつつ、「AI Lab研究成果による事業機会創出と社会実装」を戦略室が成すべきことと定義しました。

リサーチャーが自ら戦略室を担うメリットは?

通常の戦略室ならば、私のようなAI人材よりも、ビジネス一筋でバリバリにキャリアを積んだ人材が適任でしょう。ただし、今回はAI Lab内の戦略室という点がポイントです。私のようなリサーチャーが自ら戦略策定を担い、AI専門知識に裏打ちされた正しい理解を元に、超具体的で実現味のある戦略立案をして、リサーチャーの研究成果を200%活かす狙いです。

私にとって、ここ数年取り組んできた論文執筆や開発が直接的なミッションスコープから外れるのは大きな決断でした。しかし、さながらMOTのように組織規模で技術を活かしながら価値創出する取り組みは、技術とヒトの距離を縮めたいというモチベーションで技術と事業の両利きキャリアを歩んできた私にとって、価値観もスキルもマッチする職務だと判断して加入を決意しました。

最近やったこと: 知財機能を整える

Missionに含んだ「権利化」とは、AI Lab研究成果に関する知的財産権の獲得を指します。意外と忘れがちかもしれませんが、技術を社会実装するにあたって権利化の取り組みは切り離せません。将来の事業化を見据えて知的財産権を適切に確保することで、自社の立場と利益を守れますし、AI技術をオープンに展開して他社とコラボする選択肢も得られます。4月はこのような知財機能を整えていました。

ここで宣言しておきたいのは、研究成果を権利化する目的は、技術の排他的な独占使用による利益追求とは限りません。むしろ、健全なオープン化でエコシステム構築を促して技術の社会実装加速も狙います。こういったことを目論んで実現していくのが知財戦略です(おもしろそうでしょ?)。

次にやること: 企画機能を整える

戦略室のMissionに含まれるもう1つの重要ワードが「利活用」です。これは、AI Labの研究成果が次々と実用化される状態を目指して、事業サイドとのコラボを促進する仕掛け作りや、スモールスタートの検証をマネジメントして社会実装への一歩を踏み出す取り組みを指します。

これらは、一般的に戦略室と冠する部門が担う機能とは異なるかもしれません。ただ、私が戦略室に企画機能を持たせる点にこだわった理由は、事業・技術・知財の一体化にあります。簡潔に言うと知財機能と企画機能が近い方が堅牢な状態で社会実装に向けて突き進めるからです。

なお、プロダクトサイドにも企画機能はあるでしょうが、戦略室の大目標である「AIがもたらす価値を最大限に引き出す」に立ち戻ると、プロダクトサイドのオーダーに基づく企画に加えて、AI技術の魅力を最も理解している生みの親たるリサーチャーからのシーズ起点な企画も必要と考えました。これらを個々のリサーチャーが自ら担っても勿論OKですが、事業ニーズに基づく要件定義やマネジメントといった研究と異なるスキルセットに対処する負担軽減や、点の活動を面に変えていくためにも、戦略室でリードしたいと考えた次第です。

そんな大役を1人だけで担えるの?

無理ですwwこのままでは仕事がスケールしませんwwww
ですので、新しい仲間を募集中です。(※5月27日時点の情報です)

AI Labの研究成果が次々と実用化される状態を目指して、スピード重視の検証を多数実行して、一緒に新しい価値創出してくれる仲間を募集します。

ポジションの魅力は、最先端のAI技術にたくさん触れられる点です。また、事業サイドと密にコミュニケーションしてAIソリューションの提案も可能です。幅広くAI技術や事業に関心を持ち、新しい知識を積極的に身に付けようとする方を歓迎します!!

結び

ところで、AI Labは渋谷だけでなく京都三条にもオフィスがあると知ってましたか?

もちろん、京都が大好きな私は京都三条オフィスに勤務しています。

株式会社サイバーエージェントがVisionに「21世紀を代表する会社を創る」と掲げているよう、私はAI Lab@京都三条を「京都を代表する組織にする」を個人目標に掲げてこれからも邁進していきます。

渋谷のアベマタワーズのように、組織を成長させて5年以内に京都に「AI Lab苑」を築きたいですね。


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