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ドイツ旅行2017:アール渓谷のぶどう畑と屋根付き橋
2017.09.17
デルナウ Dernau(カバー写真)およびマイショス Mayschoß
ライン川の支流、アール Ahr 川の渓谷沿いの斜面にはぶどう畑が広がっていた。斜面にぶどう栽培の段々畑が広がっている風景、これもドイツらしい風景として紹介されることがある。思わず車を停めて写真を撮っていた。
後から調べてわかったことだが、アール渓谷はドイツのワインの名産地の一つに数えられている。赤ワインに特化しているのが特徴で、栽培面積の8割以上で赤ワイン用の品種が植えられている。これはドイツでは珍しいことで、例えばモーゼルワインで知られるモーゼル地方では逆に白ワインの栽培が9割を超えている。
また、アール渓谷は北緯50度よりも北に位置していて、赤ワインの産地としては世界最北とされているのも特徴となっている。
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この風景に出会えたのは偶然だった。実は道に迷ってしまったのだ。
この日、私は、冷戦時代に造られた西ドイツ(当時)政府の地下壕(核シェルター)跡を見学しに行こうとしていた。
事前に下調べをしてgoogle mapも見ているが、海外SIMは購入せずに旅行しているので、リアルタイムの位置確認はできない。車にカーナビは付いているけど使いこなせていなくて、目的地のセットもできていない。カーナビで現在地だけはわかるので、それをADAC道路地図と突き合わせて、それでドイツ国内を旅行していた。
この時も、ボンの南側に行って、地方道のB267に入れば着けるだろう(近くに行けば案内標識とか看板が出ているだろう)ぐらいの感覚だったのだが、行き過ぎてしまった。それが結果として、アール渓谷の奥へ奥へと入っていくことになった。
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斜面の上まで届いている見事な段々畑だ。
平たい石を積み重ねて段々畑が築いてある。おそらく手仕事ですべて積み重ねたのだろう。これは途方もない作業だったはずだ。
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地質を観察してみると、薄くはがれる粘板岩という岩石だった。ドイツ語では Schiefer (シーファー)と呼ぶらしい。この粘板岩が太陽の熱を蓄えてカイロのようにぶどうの根元を温めるので、北緯50度より北に位置していてもぶどうの産地が成り立つのだそうだ。
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斜面に広がるぶどう畑、今では機械化が進んでいて、運搬用のモノレールが敷かれていた。日本だとみかん畑でおなじみのやつだ。
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運搬用モノレールの本体もあった。さすがドイツ、シーメンス社製の運搬用モノレールだ。シーメンスってこういうのも作っていたのね。
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ついでに見つけた屋根付き橋。聖アンナ橋 St Anna Bruke と記してあった。
2021年の水害で流出したらしい。
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何かおかしいなと思いながらも、現在地を知るための目印になるようなものはないかと探しながら車を走らせていたら、鉄道の駅があった。駅名標を見るとKreuzbergとあった。目的地の政府地下壕跡を15kmも過ぎていたのだ。
でもその代わりに、アール渓谷のぶどう畑の段々畑風景を見ることができてよかった。こうした偶然があるから面白い。
これでアール渓谷がワイン産地ということもわかったので、次はボンから足を伸ばしてワイナリーめぐりというのも良いかもしれない(そのためにはドイツ語を勉強しなくては)
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