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美術せんにんの記録

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2021年11月の記事一覧

この画家を知れた喜び~平塚市美術館「物語る 遠藤彰子展」

この画家を知れた喜び~平塚市美術館「物語る 遠藤彰子展」



同時代にこんなスケールの大きな日本人作家がいたとは。
ほんとに「オラ、わくわくすっぞ!」である。
なんのこっちゃ。。

遠藤彰子という画家をご存じだろうか。

ご本人のサイト、とても親切で過去の作品を多くアーカイブして下さっている。これはこれで眼福なのだが、彼女の作品はこれだけでは足りない。
最大1500号!という巨大な作品を目の前にして、文字通り平衡感覚が揺らぐ体験をしてこそ

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出品作の傾向が変わった?~「改組 新 第8回日展」

出品作の傾向が変わった?~「改組 新 第8回日展」

毎年の楽しみにしている展覧会。数えると今回で5回目の訪問。
特に親戚・友人で出品しているわけではないけど。
さあ、今年はどんな優品に出会えるか。

昨年の記事はこちら。

まずは個人的殿堂入りの方から。

福田季生「春爛漫」(日本画)
昨年は残念ながら出品されていなかったのだが、今年はお目見えできた。
他の作品と比べるとその完成度に目を瞠るばかり。惜しむらくはこの方の個展が関西中心のため、普段見に

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その時その場を経験せずとも襲われる郷愁~「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」

その時その場を経験せずとも襲われる郷愁~「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」

最近、なんとなく「新版画」の人気が高まっているようだ。その一人が吉田博であり、もう一人は川瀬巴水。
今夏、大田区の公立美術館でも展覧会があったが、SOMPO美術館も参戦(?)してきたので、こちらにも足を運んでみた。

自分の知る限り、SOMPO美術館で日本画の展覧会というのは実に珍しい。振り返ると2017年に吉田博展を開催してはいるが、それ以外には記憶にない。

巴水というと、東京名所図の連作が有

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