見出し画像

ジャンプ/アズテック・カメラ Jump (Loaded ver.) / Aztec Camera

ネオアコ元年はアズテック・カメラのアルバム「ハイランド・ハードレイン」が発売された時とする説があるらしい。
アズテック・カメラは長い間来日を待っていたアーティストの一人だった。ようやく来日することになりI原君と一緒に観に行った。
直前に来日記念盤なるミニアルバムが発売されていて、その中にヴァン・ヘイレンのジャンプのカバーが収録されていた。

なんだこのダルなジャンプは。
30センチぐらいしか飛んでないじゃん。

クレジットは「JUMP (Loaded Version)」となっている。
どういうこと?
弾丸装填バージョンて。
そのあと曲後半でハードロック仕様になるという何とも言えない展開でなんとなく納得。
ちょっとアメリカンスタジアムロックというかMTVロックをパロディにしている雰囲気も感じながらもネオアコ感いっぱいの演奏で、特にBメロなどはツェッペリンの天国への階段と同じギターフレーズで組み立ててあり、さすがロディ・フレームと感心した次第だった。
 
当日ライブを観て一番凄いと思ったのはロディのアコースティックギターさばきだった。
何気に上手い。
歌も歌いながら結構細かいプレイをしていて感心した。

ザ・キンクスのレイ・デイビスもライブを観たときにアコースティックギターの扱いが上手で感動した覚えがある。

いくつかの有名曲を演奏して会場は大いに盛り上がったのだが、アンコールでなんとそのジャンプを演奏し始めた。
この曲は冗談半分だと思っていたのでまさかコンサートのアンコールで演奏するとは。
しかもギターはヴァン・ヘイレンのエディと同じようなペイントだ。
曲のエンディングで延々とギターソロを弾きまくった。
膝をついてのけ反りながらエディみたいな態勢でギャンギャン弾いた。

おいおい、ネオアコだよね。
アズテック・カメラだよね。

本気なんだか冗談なんだかよく分からないうちに熱狂的なコンサートは終了して、ネオアコのコンサートがどういうものなのか分からなくなった。

I原君に「ヴァン・ヘイレンのジャンプ演るなんてちょっと小ばかにしてるのかな」と言ったらI原君は「ううん、そんなことないよ、ちゃんとまじめにやってるんだよ」と即座に答えた。

何か根拠があるのだろうか。
I原君はときどき理解できないことを真顔で言う。

俺にはいまでもロディが本気だったのか冗談だったのかよく分からない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?