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「心理的安全性」は何をもたらしたか?

人間は厳しい環境にもゆるい環境にも案外慣れる生き物です。

めちゃくちゃ同感です。私も数年前は毎日てっぺん過ぎまで残業して仕事してなんとか成績を残そうと躍起になって働いていました。

苦しいものの、それが当たり前だと思いながら働いていましたので結構慣れていたように思います。

ただある日状況が一変しました。

コロナウィルスの蔓延です。これを機に社会はリモートワークという免罪符のもと出社をせずとも良いという状態に陥ってしまいました。

これはなかなかの劇薬でした。

会社に行かなくてもいい。上司の監視もない。そして客先への訪問も感染リスクを鑑みて抑制されるとあれば、バックオフィスでなければ出来る仕事の量や内容は大きく制限されるのです。

その結果、厳しく成果を問うたり部下に指示を出すことが難しい時代になる一助となってしまったのではないか。と私は感じています。

現実問題として、先日他部署時代の先輩と話していたときのことです。

どこも人手不足でうちの部署もそうであるという話題の中で、「うちの部署も一時期はバンバン人辞めていきましたもんねぇ。最近ではずいぶんそんなことも少なくなりましたけど。」

あれ?

なんで最近辞める人が少なくなったんだっけ??

仕事の内容は変わっていない。それは私がずっといるからこそ一番わかっている。

では、なぜ?辞める人は少なくなったのだろうか?

そういうことを考えているうちにふと頭をよぎった言葉があります。

「心理的安全性」です。
こちらに紐づけることはやや暴論かもしれませんが、何となく今の環境とリンクしてきたように感じてしまいました。

この言葉は現在どのように担保されているのでしょうか?
むしろ今でも担保されているのでしょうか?

人手不足や早期退職に悩む企業が多い中で何が起きているのか考えてみたいと思います。

心理的安全性とは

自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態のことです。ビジネスシーンにおいては、上司や同僚に異なる意見を言ったとしても、人間関係が破綻したり、相手から拒絶されたりしないと感じる状態を指します。

NECソリューションイノベータ「心理的安全性とは?」より

私の過去記事をご覧になられたことがある方はご存じかもしれませんが、私は若手時代マジで「今のこの環境こそ心理的安全性が担保されるべきだろ…」という環境で働いていました。

ですのでやっぱり、若手の社員とかが苦しんだりしないように「心理的安全性って大事だよね。うんうん。」という考え方を持っていました。

なぜこの言葉を思い出したのか

私の会社で若手が退職していた理由は主に3つです。

・尋常じゃないハードワーク
・結果に対するプレッシャー
・上司との人間関係

ハードワークに関しては私も一番ひどいころには毎日12時過ぎまで働いていました。それでも終わらない仕事量に本当に辟易していました。

今となってこう考えるのは非常にナンセンスですが、支店として持っている大きな予算目標を一時期大量に入社した新人分もまかなうことになり、その予算目標と仕事量に対して忙殺されていたと思っています。

そして、結果が出なければ詰められます。めちゃくちゃ詰められます。
自分の目標に対する意識はもちろんありましたが、それ以上に「これダメだったらまた会社でめっちゃ詰められる」という恐怖とは常に戦い続けていました。

そんな環境を苦しいとして、若手のみならず、私の先輩後輩問わず「環境が辛すぎる」と退職していく人を何人も見てきました。

そんな折あたりからでしょうか。件の言葉をよく聞くようになり始めたのは。

正しく機能しているのか?

しかし気になるのはそれが正しく運用されているか。本来意図している形で機能しているか、という点です。

心理的安全性と検索すれば、セットで山ほど出てくる言葉があります。
それが「ぬるま湯組織」です。


こちらもNECソリューションイノベータ様のデータを引用しております。

本来、心理的安全性を適用することで高い成果を発揮するために打ち出されているにも関わらず、それを適用しようとしていった結果中間~上位層が委縮したり気を遣いすぎることとなってしまい、結果ぬるま湯のような組織になっているのではないでしょうか。

実際に私の職場でも、所定のアジェンダを用いた会議が若手の発言でドンドンと脱線していき、結果時間だけがダラダラと過ぎていく意味のない会議になってしまうことは珍しくもなんともありません。

発言をすることは決して悪いことではありません。むしろ対立を恐れず発言できるという本来の意図をしっかりと反映できていると思います。

一方で心理的安全性を担保しすぎると、上記のような結果が付きまとってくることは否めないのではないかと感じています。

その最たる例が上に貼り付けさせていただいた表の通りのお話ではないでしょうか。心理的安全性が高い組織とぬるま湯組織は、表裏一体なのです。

心理的安全性を気にした組織はどうなったか?

お恥ずかしい話にはなりますが、先日私は担当するお客様との間で少し大きめのクレームをいただいてしまうこととなりました。

そちらの件は上司に相談して対応していただきなんとか事なきを得たものの、その後のフィードバックをいただくタイミングでとても薄ら寒い体験をしたのです。

…叱られないのです。いやそれどころか、あなたは悪くないと言わんばかりにかばおうとすらし始めたのです

さすがに私は「いやいや、私が悪いでしょうよどう考えても!」と叫ばずにはいられませんでした。

社員の心の安全を最大限に保とうとした結果であることはわかりつつ、もうそのような教え方になっているのだなと身をもって感じました。

では翻ってそれが若手に適用されるのだとしたら。

これだけ働きやすい環境はないことでしょう。

言いたいことを思いつく限り好きなように発言でき、
ミスをしても咎められることもなく、
目標を達成できなくても他の人が頑張るか、詰められることもない。

これだけ居心地がよければ確かに辞める必要なんかないのではないでしょうか。

ただ、同じ環境にいる私は。

今いる環境が急速にぬるま湯化していっていることに驚きと焦りを隠しきれませんでした。

あの時頑張ったから今の俺がある。
あの時の貯金で生涯食っていける。

そんな思いは私の仕事の中にはまだまだありません。

会社に求めることが出来ないなら、やはり自分にムチ打たなければ…自分を律しなければ…

改めてそう感じるには十分すぎるほどインパクトの強い経験をしてしまいました。

最後に

私と同様に今の環境では自分を律しきれない、何かを始めなければいけないと考えている方。猫山課長が7/20(土)に福岡でセミナーを開催されます!

就職氷河期、大変な勤め人生活をサバイブされてきたからこその知見は必ず我々にとっても有用なものであるはずです。悩まれている方はぜひ飛び込んでみてください!残り5席です!!

〜最後までお読みいただき本当にありがとうございます!
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