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#6-2 リフレクションを通してありたい姿に近づく【教員インタビュー:樋渡 由希恵先生 #2】

みなさんこんにちは。リフレクションメソッドラボラトリー事務局です。リフレクションメソッドラボラトリー(以下RML)では「MAWARUリフレクション」というプロジェクトを行っています。

MAWARUリフレクションは、「リフレクションによる個人の気づきが周囲に循環し、社会を変える」をテーマに、教育にリフレクションを取り入れる活動を2016年から続けているプロジェクトです。
本記事では、MAWARUリフレクションで新しく始めた「教員インタビュー」の記事をお届けします。教育現場で、先生がどのようなことを考えているのか、とても面白い内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。
第6回の先生は、小学校教諭をされている樋渡由希恵さんのインタビューです!いつものようにPodcastも用意していますので、ラジオ代わりにもぜひ聴いてみてくださいね。


リフレクションの実践について

生井:それでは二つ目の質問を伺っていきたいと思います。樋渡先生の現在のリフレクションの実践について、またリフレクションの実践を通して、リフレクションが必要っていうことを実感されていると思うんですが、リフレクションがなぜ必要なのかっていうこと、必要な理由についてお聞きしたく思います。

樋渡:青ちゃんともう1人の友達と上條先生と4人のグループでリフレクションを1年ぐらいやった後に、また違うグループで、そこにも上條先生に入ってもらい、違うメンバーで1年ぐらいやりました。そして少し時間が空いて、また最近、3人のママ先生の新しいグループを作りました。ママ先生の仕事と家庭の両立の難しさとか、そういうのも全部ぶっちゃけてリフレクションしていこうみたいな感じで始めた3人のグループです。
以前よりも頻度は少し減ったんですけど、やっぱり書くリフレクションメインにしています。その3人で、時々書いては読み合って励まし合うみたいな、そんな感じで現在はやっています。

コーチングとリフレクションの結びつき

樋渡:そして、現在、私は、プロコーチもやっています。兼業、副業というか、公立の教員をやっているので副業届けを出して、プロコーチと教員との複業をやっている状態です。コーチングとリフレクションが自分の中ではすごく結びついています。上條先生から教わったポジ出しのリフレクションの方法は、自分がビビッときた瞬間をまずは一番最初に探します。そこが自分の価値観、最も価値を置いているところ、目指したいところ、なりたい自分の姿です。何かそういったものに触れている瞬間がやっぱりビビッときてるっていうようなことをずっと前から上條先生は教えてくださっていました。

そこが、自分の最もやりたいことに近いのかなと思うようになり、その辺りの学びをいろいろとやっていくうちにコーチングにたどり着きました。教育コーチングは、10年以上前からその資格も取ったりしながら仕事で生かしてやっていましたが、最近やっているプロコーチの仕事は、子供相手だけでなく、大人、いろんな立場の人に対してコーチングを行っています。もう少しでプロコーチの資格を取れるところまできています。

コーチングというのもその人の価値感というのをすごく重視しています。その人の自己実現って言うんですかね。ありたい自分に近づき日々充実して生きるためにはどうしていくかっていうのを探求していくことです。そのコーチングの考えと上条先生から教わったビビっとくる瞬間っていうのを捕まえてリフレクションしていくということが自分の中ではすごく繋がっています。

当時は、「その人のスター(価値)を探す、お手伝いがしたいな」っていうのが自分の価値観だと思っていました。そのような「その人の価値観に触れる瞬間」をビビッときた瞬間として捉えて、リフレクションをしていました。リフレクションしていくうちに、自分の目指す教員像とか授業作りとかやりたい授業というありたい姿に近づいてくるっていうのをリフレクションを通して実感していました。教育現場だけにとどまらず、いろんな人の価値観っていうのに迫っていくお手伝いがしたいということでコーチングを本格的に学び今副業としてやっています。

生井:上條先生のビビッときているものを捉えてそれを深堀りしていくっていうのがリフレクションでそれがコーチングと繋がるっていうお話聞いて、なるほどなと思いました。実は、別のイベントで上條先生にお越しいただいたんです。そのときに、リフレクションについていろいろお話くださったり、ディスカッションしたんですけれども、そのときにリフレクションするっていうのは教師の仕事の中でも決まりきった仕事、決まりきったようにまわすのに役立つのではなく前人未到の仕事をやっていくのにはリフレクションが不可欠だっていう話をされていたんです。

前人未到の仕事っていうのとコーチングの自己実現、その人のスターを探すというところがなんか重なるところもありそうだなと、そんなことを思いながら私は聞いていました。

ビビッときた瞬間に敏感になる。

山下:先程の話と繋がってくるんですけど、上條先生の中のそのビビッときた瞬間というところで毎日リフレクションされるかと思います。その中でやっぱり自分自身の中で何かそのビビッとする瞬間って、やっぱり自分の中である程度、充足してる中だと出やすいと思うんですが、なかなか自分が停滞してるときとかは、なかなか見つけづずらいなっていうふうに思うんですが、その辺りどのようにしていましたか?

樋渡:そうですね。最初の頃は、それを見つけるのがすごい大変で、それこそダメ出しばっかりしていたので、どういうことって、最初本当にわからなかったんですね。しいて言えばここみたいな。そんな感じで見つけることを段々やっていくうちに、やっぱり自分がやりたいことに着手するようになるんですね。自分がやりたいことをやり始めるとすごく手応えを得たりもするし、うまくいかなかったりもする中で、やっぱりリフレクションがすごく活きてくるっていうか。

リフレクションしていくことで、どんどんどんどん、自分がビビっと感じる瞬間が増えていく、段々やりたいことがものになっていくみたいな、そういう手応えも感じながらやっていました。

山下:なかなかそのビビっとする瞬間が見つけられない人にアドバイスするとしたらどういうふうに樋渡さんはアドバイスされますか?

樋渡:なんでしょうかね。よく、よかった探しみたいなことを教室で子供たちと一緒にやることも多いかと思うんですが、本当に些細なことからスタートするっていうこと。ポジティブな面を見つけられるようになるには、そのような練習をしていくことは大切だと思うので、本当にちょっとした、これいい手応えなんじゃないかなっていうのを見つける練習というのをしていくと、どんどんどんどんそっちにアンテナが立っていくと思います。すごく些細なところからスタートするということです。

リフレクションは成長には欠かせない

生井:リフレクションの実践についてお聞きしましたが、リフレクションは、なぜ必要だとお考えになるかその点についてお聞かせください。

樋渡:そうですね。リフレクションはなぜ必要か、成長していくのには欠かせないところかなと思います。さらにその成長を加速することができると実感を持っています。だから何とか今の状況から抜け出したいとか、うまくいかなくて困ったなって思ってるような、どうにか自分を成長させたいという気持ちを持っている人には、すごくいいと思います。

生井:何か、リフレクションによって見えてない何か、変われるきっかけというか種みたいなのを見つけるというそんなイメージであっていますか。

樋渡:そうですね、はい。変われる種。あとは自分がどんなふうにしていきたいのかというのを自分の価値観を知るというか、自分はどういうところにビビッとくるのかみたいなことを探すことを続けていくと自分はこういうことに価値を置いてるんだなと気づくことができる。それこそ決まりきった仕事ではなく自分だけができるような自分だけのスターですよね。こんな先生になりたい。こんな教育を目指したい。というものに気付くことができる。
気付いたら、それに近づくためにまたリフレクションのサイクルを回していくことで、どんどん自分を変化させていくことができるかなと思います。

生井:ダメ出しのリフレクションだと自分の価値観とか、ビビッとくるっていうのを見つけるというのは難しいけれども、ポジ出しをしていると、ここに自分は価値を得てるんだっていうのを発見することにも繋がり、リフレクションのサイクルが回っていく。自分が変わっていくっていうのに何か繋がっていく。それを助けてくれるものなんじゃないか、そこにリフレクションが必要なんじゃないかっていうことでしょうかね。

樋渡:そうですね。あと今思い出したのがダメ出ししていると、どんどん気分が落ちていくんですね。気持ちがどんどん落ちていって、もう自分ダメみたいな。そうなるんです。だけど、ポジティブな面を探していくリフレクションをしていくと、なんかいいとこばかりみてダメなんじゃないかと思うかもしれないですが、ダメだったところは必ず見るんですよね。やっぱり。

むしろ、いいところっていうのは本当に探さないと見つけられません。ダメなところは見ようとしなくても見えます。ここは、やっぱり直していかないと。そこは何でしょう、あんまり気分を落とさずに、次こうしようと、もう少し軽く振り返ることができているか。

やはり、自分をエンパワーして励ましてやっていけるっていうのは、ポジ出しのすごくいいところだなと思います。ダメなところも絶対に見えますから。

生井:ダメな面はみようとしなくても見えてくるぐらいでちょうど良くて、ポジティブな面は、見えにくいから、あえて探そうみたいな。

樋渡:そうですね。ポジティブな方が自分らしさを追求する方で、どうしても見えてくるダメなところは、最低限やらなきゃダメでしょみたいな。必ず見えるって言いますかね。いいところだけは見えません。

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本記事はここまでです。更新は毎週木曜日です。
第3回目もお楽しみに!

【樋渡先生インタビューの記事】
# 5-1 樋渡先生インタビュー1
# 5-2 樋渡先生インタビュー2(本記事)
# 5-3 樋渡先生インタビュー3
# 5-4 樋渡先生インタビュー4
インタビュアー 生井・山下
執筆:山下

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