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たまに帰ると力をくれるKREVAという親父

タンポポ聴きました?

ヤバいっすよね。

(※当記事は楽曲解説とかではないです。先に言っておきます。)

僕はHIPHOPが好きで、自分でもちょっとラップをしたりしてます。

僕の世代(92年生まれ)、音楽的自我が目覚め始める中学時代('06~'08頃)は
RHYMESTERが武道館公演を成功させたり、ゴールデンの人気番組「リンカーン」に練マザファッカーが登場したりしていた時期でした。
何かというと「なに、なめてんの?」ってなるbay4kさん達、
「やめろやめろ。行くぞメーン!」D.Oさん。
はじめてその姿を見たラッパーは、正直怖かった。

CreepyやBAD HOP等が牽引する昨今や、もう少し前のスチャダラパーとかがオーバーグラウンドでも知られている大きなブームではなかったある種の狭間とも呼ばれる頃。

当時、僕の音楽的自我が芽生えるか芽生えないかのそんなとき
僕はAqua timezとかAbingdon boys schoolとかアニソンを聴いていました。
ラップはPOPSの中にも入っていたし、SOUL'd OUTとかnobodyknows+は知ってる。アニソン歌ってるし。おもしろいからマネしてたし。

で、新しく出会った友達が聴いていたのが、KREVAだった。
(あえてこのあともKREVAさんだけ敬称略でいきます。いきます。)

当時その友達が貸してくれたのが

「よろしくお願いします(2007)」

今にして思えば当時の最新アルバムだったんだ。太っ腹だな、アイツ。
ソロ活動3枚目となるそのアルバムは、まさに当時のKREVAが詰まっていた。自覚的にHIPHOPに触れたのはこれが初体験。

魅了された。

こんな人がいるんだ。ラッパーって、ラップってこんなのもあるんだ。
彼のラップやライムダンス(ラップに合わせて身振り手振りやってるアレ)をとにかくマネした。(当時録音したラップを聴いたら発声もフロウも踏み方も本当にまんま過ぎて笑った)

そこから何年かは他には目もくれず彼を追い続けた。
レンタルでは我慢できなくなり、初めて自分のお金で買ったHIPHOPアルバムは「心臓(2009)」
今にして思えば、他のラッパーも掘れよと思う。
でも何かにハマったら今でもそういうタイプなんだから仕方ない。

そこからしばらく時間が経って現在、当時よりもHIPHOPにハッキリと傾倒した。色んな音源を聴き漁って、自分でも始めたりも少しずつ。
もちろんその時期にZORNさんも大好きになったりした。

すると、不思議なものでKREVAをなんとなくあまり聴かなくなった。

友達が増えると親と遊びに出かけなくなる、みたいなことなのかもしれない。

そう考えると本当に自身の音楽的自我において、親父みたいな人だと思う。

そんな中、先日ね

個人的にとても腹が立つことが身の回りでありまして。
友人にとても辛いことがあったと聞いて
それが、様子を聞くだけでなんとも悔しい気持ちになるような扱いを受けていた。


そのことに凄く頭の容量を持って行かれていたんですよね。

怒りにです。

「そいつなんなんだよふざけんなよ」って。

自分の事じゃないし、過ぎたことだからどうしようもないのに。


そんなときに、タンポポを聴いたんですよね
正確に言えばMIXTAPEくらいからまたKREVAを聴き始めてはいたんですけど。
あの頃はまだソロになってこれから昇っていく人だったのが、
未だにイノベイターで、今の彼は昇り詰めながらも攻め続けてる人だった。

そんな彼が、あのZORNと(One micもよかった!)理想を追い求め続けてきた自身の生き方を歌っている!最高・最高・最高!!


であると同時に襟を正された。


--以下、リリックより引用--

絶対ストップなんかさせないネバり強さが
新たな世界動かす
そのまま一本映画作ろう
”言葉は自己啓発書”

~中略~

孤独な作業でも
それがちゃんと君に届くならOK
さぁマイナスのバイアスはいらない
ヤバイやつとヤバイやつ橋渡し
"わざわざ格下を見ないでしょ
俺ら歩き出そう 未来へと”

---以上--


これを聴いて
「いやそんなどうでもいいしょーーーーーもないやつに憤る為に
俺の時間も頭の容量も使ってるのマジでしょうもないな!!!
わざわざ格下のやつ(言い方悪いけど)見てイライラして、何してんの俺!」

ってなんか急にスッキリして。
怒りを使って行動してるときって使う言葉もあれだし。
言葉は自分を作るんだよなって。


久しぶりに

「俺はまだ上を見てこんなことやってるよ、お前最近どうなの?」

って言われてる気がしたんですよね。
「それもったいないよ」って。
スッと入ってきて僕の怒りを諫めてくれた。
そいつに怒ってもしょうがない。

爽やかでシャープなサンプリングビートと
ZORNさんとの嘘みたいにテクニカルな掛け合い。
彼は、あの日から進化し続けていた
何よりも、この曲で引用されるラインは、
僕がKREVAに夢中になった”あの頃”の楽曲なんですよ。


そして極めつけの

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年少の独房 慶応を卒業
今交わるデコボコのオフロード

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もうお手上げですよ。
俺は…20代のこの大事な時間を…
何をしょうもない使い方をしているんだ。
これから世界もいろんな意味で変わっていく。

そんなときに、
これだけの想いの力が自分にあるんだってわかったんだ。
なら、それを使って前に向かっていく方が絶対にいい。

大切な人と、これだけヤバイものを一緒に生みだせる誰かと、
いつか交わるオフロードを今まさに走ってるんだってこと

あの日のヒーローは優しく背中で教えてくれた。
いつ帰ってもKREVAという人はカッコ良かった。

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