産後うつをDCSモデルにて理解する
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産後うつをDCSモデルにて理解する

松本良平

産後うつをDCSモデルにて、ひも解いていきましょう。

DCSモデルは:Demand-Control-Support modelの略で、ストレスが高まる要因、和らげる要因を、シンプルに表した良いモデルです。

以前の解説記事も読んでみて下さい。

Demand(ディマンド):要求(≒負荷)

出産直後は身体も疲弊しています。
赤ちゃんへの母乳・ミルクをあげる事は、昼夜問わず怠れません。赤ちゃんは、泣くことで要求します。眠たい時にも泣きます。
母親は泣かせないと必死になってしまうでしょう。
間違いなく高負荷ですので、ストレスは高まります。
きちんと育児をすることに、プレッシャーをかけすぎないように注意が必要です。

Contorol(コントロール):裁量権、自分で融通をきかせられる

赤ちゃんは母親の都合には配慮してくれません。赤ちゃんの空腹や眠気に対して、母親は裁量権が無く、自分のスケジュールも組みにくいです。
当然、コントロールは低いですので、ストレスは高まります。
泣き止まなくたって良い、ゆるく子育てする、といった姿勢でのんびりと過ごす事も必要でしょう。

Support(サポート)

周囲のサポート、夫や家族、友人、職場の同僚、などのサポートが得られれば、ストレスは和らぎます。ですが、産後は少なくとも一定期間、休職されるでしょうし、既に退職されている方もいらっしゃるでしょう。自ずと、自分を取り巻く人間関係は一時的といえど、希薄になります
当然、夫や家族との関係に、比重が置かれますが、現在の日本で、夫が産休を取る事はまだまだハードルが高いです。
したがって、自ずと周囲からの、日常的なサポートが乏しくなりがちですので、ストレスを押し下げることができにくくなります。

以上のように、新しい生命を迎えるというイベントですが、DCSモデルによると、ストレス・マネジメントの観点からは困難な条件が並びます。

仕事であれば、やりがい・達成感による喜び、によって、ストレスを緩和はされるのですが、赤ちゃんがありがとうと言ってくれるのは随分先の事です。

育児へのプレッシャーを和らげる、泣き止まない事もおおらかに見守る、そういうことで、育児の負荷や赤ちゃんが思い通りにならないことへの苛立ちを和らげていきたいですが、どうしても、周囲の支援が必要です。

もし、あなたが、周囲からのサポートが十分得られず、思い悩むようであれば、気軽にカウンセリングを受ける事をお勧めします。

1人で悩まない事、これが最も大切なメッセージです。


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松本良平
精神科専門医、医学博士 精神科病院院長・医療法人理事長等歴任 株式会社313代表取締役 オンラインカウンセリングサービス「マイシェルパ」を提供 https://my-sherpa.jp/