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飲めよ、さらば救われん。

昨日、誕生日のお祝いをもらった。

贈り主は、チェーンメール事件の犯人、ナガタニだ。
2人の娘(確か3歳と2歳)と一緒に、

「おたんじょーび、おめでとー」

と、コンビニの袋を差し出してきた。
中には、シュークリームとミルクレープが。

最&高


めちゃくちゃ嬉しい。


アルロンスイーツ王子は、甘い物に目がない。多少の好き嫌いはあれど(和菓子はそんなに食べない)、基本的にスイーツを与えておけばご機嫌になるチョロい生き物である。

しかも、このシュークリームとミルクレープという絶妙なチョイス。ナガタニ曰く、「いちごのケーキは家で食べてるかもしれないから」とのこと。こちらの嗜好を的確に把握し、かつ家庭事情まで考慮しての判断に、甚だ脱帽である。圧倒的感謝。

このベリーベストスイーツたちは夜にもらったので、翌日、つまり今日、美味しくいただくことにした。



バイトの休憩時間になった。

ともすればスキップしそうなほどのルンルン気分で、休憩室に向かう。
待ちに待ったおやつタイム。目の前にはシュークリームとミルクレープ、傍らにはホットコーヒー。人はそれを「完璧」と呼ぶ。

消費期限のことを考えて、シュークリームから食べよう。


ところで、シュークリームには巧妙な罠が仕掛けられていることをご存じだろうか。

コンビニスイーツのシュークリームは、シュー生地が薄くしっとりしているものが多い。そして、そのシュー生地の中には、たっぷりとクリームが充填されている。

そう、このクリームが曲者なのである。
欲望のままにかぶりつけば、閉じ込められたクリームたちが一気にあふれ出し、溶岩のごとく両手を流れ、辺りはたちまち無法地帯、地獄絵図、阿鼻叫喚の巷と化す。

バイト先でそんなことになってはならないので、慎重に食さなければ。

ひとまず、一口目は小口で行こう。何事も最初が肝心。軽くジャブを打って様子を見ることにした。

よし、まだクリームたちはシュー生地の中で眠っている。いいか、あふれてくれるなよ…絶対にあふれるなよ…。頭の中でダチョウ俱楽部がちらついたが、見て見ぬふりをしておこう。

さて二口目。右を攻めるか左を攻めるか。

しかし、よく考えてみればこれは無理ゲーである。どんなに小口で食べ進めても、構造的にクリームたちは結局どこかで流れ出てしまう。クリームの流出は免れない運命なのか。

いや、そんなことはない。何か突破口があるはずだ。このパステルイエローの流動体を攻略する秘策が…


ピュコーン!(コナンが何かをひらめいたときの音)



そうだ、わかったぞ! 飲めばいいんだ!(ここで、名探偵コナンのメインテーマが流れる)

僕は、一口目で開けた穴を吸い込んだ。するとクリームたちは、シュルシュルと口の中へ引っ越しを始めた。ゲルマン人もびっくりの大移動である。

ある程度の量をシュー生地に残し、第1次クリーム大移動は終了した。そして、再びシュー生地をみ、あふれ出る前に飲み、を繰り返す。

気がつけば、シュークリームのすべてが、我が胃袋への完全移動を果たした。



人生は学びの連続である。

34歳になって間もない今日も、「シュークリームのクリームをこぼさないためには飲めばいい」ということを学んだ。

僕はまた一つ成長した。
そしていずれは、「ミルフィーユにサンドされたクリームをはみ出さないように食べる方法」を見つけ出したいと思う。

#66日ライラン


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