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「暗闇の中のジャンプ」をいかにして続けるか|『かもめのジョナサン』感想

別に会社を経営しているわけでも、「命」をかけて広告運用をしているわけでもありません。しかし「仕事」をした以上は、「結果」を出したいと思う上、「結果」がでなければ心理的に苦しい気分に陥ります。

途中で仕事を投げ出したくなることは、特に未熟なうちは珍しいことではありませんでした。

また特に新規事業、新規サービスの広告運用に携わる際、「結果」が出るようになるまでには、必ずタイムラグが存在しています。短くて2ヶ月、長ければ1年以上、よくベンチャー企業では「死の谷」とも呼ばれる期間が存在するとされていますが、それらは個人の成長においても存在し、辛く苦しい期間でもあるように思います。

まさにいつ結果が出るか分からない状況で、「暗闇の中のジャンプ」をし続けなければならないわけです。


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「暗闇の中のジャンプ」とは、もとは「暗闇の中の跳躍」「命がけの跳躍」とも呼ばれ、マルクスも『資本論』のなかで、これについて触れています。日本では、幻冬社の見城氏が著書のなかでも度々触れることでよく知られているフレーズでもあります。

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理屈でいくら考えても答えが見えない、向こう岸が見えない暗闇の状態のな中でも、どうして「ジャンプ」し続けなければなりません。

理屈ではわかっていても、なかなか「ジャンプ」を続けられず、投げ出してしまう人は意外と多いのではないかと思います。そういう人にオススメの1冊が『かもめのジョナサン』です。

あらすじはこのようなもの。

「飛ぶ歓び」「生きる歓び」を追い求め、自分の限界を突破しようとした、かもめのジョナサン。群れから追放された彼は、精神世界の重要さに気づき、見出した真実を仲間に伝える。しかし、ジョナサンが姿を消した後、残された弟子のかもめたちは、彼の神格化を始め、教えは形骸化していく……。新たに加えられた奇跡の最終章。帰ってきた伝説のかもめが自由への扉を開き、あなたを変える!

初の刊行は1970年、以来2年は全く売れない状態が続いたが、1972年6月以降、ヒッピー文化の後押しがあり大ヒット、日本でも同年に初の翻訳本が刊行されました(当時は全三部構成)

不思議と起業家、経営者などに現在も読み続けられており、結果、初の翻訳から40年以上たった今も、新潮社におけるロングセラー商品となっています(これを日本語に翻訳した五木氏曰く「なぜ売れ続けているのか、私にもよくわからない」とのこと。)

著者のリチャード・バック氏は、初の刊行(1970年)以来、全三部構成で貫き続けたものの、2012年の飛行機墜落事故の経験をもとに執筆当時封じた「第四部」を公開すると決し、2015年に四部を加えた「完全版」が刊行され、日本でも即翻訳され出版されました。

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<<以下ネタバレ含みます>>

「今のままであろう」とする仲間のかもめ達と、「新しい飛び方を体得しよう」とするジョナサンの対比が印象的で、より優れた飛行を体得しようとするあまりジョナサンは群れから疎まれ、ついに群れから追放され一人で飛び続けるようになります。

しかしジョナサンはその後、様々な工夫や挑戦を重ね、飛行技術を体得していきます。最終的には仲間の祖先に当たるカモメたちや、同じように群れからドロップアウトしたカモメたちにも飛び方を指南し、カモメたちから伝説的な英雄として語り継がれる存在になっていきます。

自分は初めて『かもめのジョナサン』を読んだ折、自分が信じた可能性を追求し、人の流言や、根拠のないアドバイス、偏見、解釈による提言を過信し、歩みを止めるべきではないということを確信しました。

世の中って色々な人がいますけど、誰も人生3週目、4週目ではなく、常に手探りです。価値観なんて時代によって変わりますから、あとで「ああしておけばよかった」なんてならないように、色々なことに取り組んでおくこと、現状維持に固執しないことを、読了後心がられるように自分はなりました。

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